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Inscryptionに囚われし者

皆さまあけましておめでとうございます。
正月はゆっくり休めましたか?私はひたすらInscryptionをやりつづけて疲労困憊です。

2022年一発目だが、もう今年のベストに入るんじゃないかという凄まじい出来のゲームだったので、備忘録的にオススメ文書を書いていきたい。
カードゲーマーも、カードゲーム好きじゃなくても、ゲームが好きならやってくれ。

一応ネタバレはしない方向で行くつもりだが、このゲームは何がネタバレになるのかわからない。
この時点で興味のある人はさっさとSteamで買ってやって、クリアしてから読んでくれ。

 

コンテニュー

目が覚めるとあなたはうす暗い小屋の中、古い木のテーブルについていた。
どうやら目の前に男が座っているようだが、深い闇に紛れて人相はわからず、ただその目だけが爛々と輝いている。

「新しい挑戦者か…ずいぶん久しぶりだ。」

男はしわがれた声であなたを怪しいゲームへと誘う。勝つか、死ぬかのどちらかだと。
荒唐無稽ながら男の声色からは一切嘘が感じられない。
あなたは否応なしに目の前のカードを手に取った。

デジタルかつアナログ

というわけでろくな説明もなしに光る目の男とカードゲームで戦うことになるのだが、パックを買ってデッキを組むようなタイプのものではない。

目の前にすごろくのようなマップが広げられ、分かれ道を選びながら1マスずつ進んでいく。
そしてマスに応じたイベントでデッキのカードを増やしたり、カードそのものの強化を行う。

男はこのゲームの進行役、ゲームマスターであり、
時には皮を売る猟師
時には森に住む獣
時には生贄の祭壇
そして時には強力なボスに扮する。

ボスに勝つことができれば新たな面に進め、より難易度が高まっていく。
まさに古典的なTRPG仕草そのものであり、独特なグラフィックも相まって盤上でボードゲームをやっているかのような気分になってくる。

 

ゲームを壊せ!

ここまでだとちょっと味わい深いだけのデッキ構築ゲームに思えるが、Inscryptionの面白いところとして独特のカード強化システムが挙げられる。

このゲームのカードは森の獣たちがモチーフになっているが、時折固有の能力を持った獣が存在する。
1点でもダメージを与えると即死させるクサリヘビ
攻撃されると反射ダメージを与えるハリネズミ
ブロッカーを躱して攻撃できる鳥たちや
死んでも手札に戻ってくるゴキブリなど

成長するオオカミに、飛ぶスズメ


MTGやシャドウバースなどをやっている人はキーワード能力を想像してもらえればわかりやすい。

能力は1つないし2つ持っており、能力なしのいわゆるバニラはステータスが高い傾向にある。
そしてこれらの能力は祭壇の儀式により、他の獣に受け継がせることができるのだ。

ネコは死したが、能力は受け継がれる


ステータスの高い獣に強い能力をもたせる。というのはだれでも考えうるだろうが。
このゲームは能力持ちに能力を付与することもできる。
つまりどういうことか、ゲームが壊れる!

具体的に何ができるかは自分で試してほしいのだが、無限リソースやワンターンキルという言葉に興奮を覚える人種はぜひ試してみてほしい。
カードゲーマーは無限が大好き!

そう。このゲームは限られたターンの中で如何にぶっ壊れたデッキを組めるかを競うエクストリームスポーツなのだ。

君だけの異常カードを作ろう!

 

死を糧に

しかし「私はイカれたデッキを考えるのはそんなに得意じゃないし、なんならカードゲーム苦手だからすぐ負けて面白くなさそう」
という人もいるだろう。
そこで重要になってくるのがもう一つの特徴だ。

このゲームはボスがかなり悪辣であり、カードゲームが得意でもそれなりに負けるレベルの難易度である。
さらにローグライクゲームの常として2つあるライフが尽きると敗北し、最初からになってしまう。

これだけ聞くとかなりつまらなそうだが、敗北するととあるボーナスがあり、さらに新たなルールが追加される。
これによって単なる死に戻りではなく、死ぬたびに新しい遊び方ができるゲームとなっている。まさに死を糧に。

新たな発見、新たなシナジーにより苦戦していたボスを倒すというのはゲームが好きであれば誰でも楽しいシチュエーションだろう。
ぜひカードゲーマー以外にも遊んで欲しい。

 

Inscryptionとは

さらにこのゲームを万人に勧める理由として、Inscryptionはただのカードゲームではない。
カードゲームであり、パズルゲームであり、ホラーゲームであり、そして脱出ゲームである。
もはやカードゲームというジャンルでどこまで遊べるかの実験場である。

謎めいた闇のゲーム「Inscryption」が何を示し、一体何から脱出するのか、己で確かめてくれ。


霧の向こう側から、ほのかに光るSteamのURLが見えた。あなたはこれが旅の始まりであると確信した。https://store.steampowered.com/app/1092790/Inscryption/?l=japanese


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