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【ボドゲ】HEATというゲームがめっちゃ面白かった話
私は時折ボードゲームをする機会に恵まれるのだが、最近プレイした「HEAT」というゲームが非常によくできていて感心したため記録しておく。
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君は世界を制する事ができるか?
アクセルを踏み抜け!
カウントダウン。
突然の轟音が空気を切り裂き、
すべてのレースカーがコントロールラインを
飛ぶように走り抜ける。
グランプリの開始だ。
第1コーナーに入る君のヘルメットを
埃と風が吹き抜けていく。
エンジンを限界まで吹かし、
がっちり握ったハンドルで
スピン寸前の車体を操ると、
コーナーをすべり抜けたレースカーは
まだ先頭だ。
もらったぜ!
日本での販売元である、ホビージャパンのトップ文をそのまま引用させていただいたが、つまりレースゲームだ。
プレイヤーはマス目になっているコースに車型のコマを置き、毎ターン出した目の数だけ進み、指定ラップ数周回することを目標にする。
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ただのすごろく?いいや、サイコロはつかわずカードを使う。どれだけのスピードを出すかは自分で決めれるのだ。
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1~4までのスピードカードが3枚ずつ、0・5が1枚ずつ、ストレスカードが3枚とヒートカードが1枚。これが君のデッキだ。
シャッフルして7枚引いてくれ。それが手札だ。
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毎ターンの開始時にシフトレバーを操作する権利が与えられる。
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最初は1速、そして4速まで。1ターンにつき1段階チェンジできる。
もちろんギアが大きいほどスピードは早くなる。ギアの数=出すカードの数になるのだ。
1速の君はスピード3、3マス進む。
4速の君は4332!12マスか!やるね!
消費したカードはターンの終わりに7枚になるまで補充する。このときいらないカードは追加で捨てても構わない。
デッキが切れたら捨て札をシャッフルしてデッキにしよう。このへんはドミニオンなどと同じだ。
じゃあ強い手をキープしてひたすら最高速度を維持したら一番強いのでは?
そんな単純なゲームではない。それを咎めるのがカーブだ。
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カーブにトップスピードで突っ込むのは危険!速度を落とさなければならない。指定された数値(画像のものなら3)以上でカーブマスに突入すると、差分だけエンジンにダメージが入る。このときに使うのがヒートカードだ。
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ヒートカードは無理な走行をするとその行動に応じた枚数デッキに入っていく。そしてヒートカードは手札に来てもなんの意味もないし、捨てられもせず圧迫する。
つまりどんどん速度が出なくなっていくのだ。
そしてエンジンの余力であるヒートカード7枚を超過する速度でカーブに突入してしまうとスピンしてしまう!カーブは曲がれず、1速になってしまう。
ということでカーブを適切に曲がらないといけないのだが……君は3速だからカード3枚出して目の合計を3以下にしてくれよ。がんばってね。
……なんてことにならないよう、適切にシフトレバーを操作する必要がある。
飛ばしすぎて手札にヒートが溜まってきた……これどうにかならないの……?簡単だ、ゆっくり走ればいい。
ギアを1速もしくは2速にしていると、ボーナスでクールダウンが発生する。2速なら手札から1枚のヒートをスタックに戻していいぞ。1速なら3枚も!やったね。
ただしトロトロ走っているとライバルに置いていかれてしまう。低速でも問題ないタイミングを見極めてヒートを処分しよう。
ここでストレスカードについても説明しておこう。
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ストレスカードはスピードカードとして場に出せるが、1〜4のランダムな数値になる可能性がある。デッキトップをめくっていってはじめに出たカードの数値を参照する。ギャンブルだ。
そしてこれもヒートと同じく捨てることができないカード。どこかで絶対使わないといけない。
これをカーブの手前で使うハメになったら……とんでもないことになりそうなのはわかっていただけるだろうか。できるだけ安全な直線が続く箇所で消費しておかなければならない。
そしてせっかく使ってもデッキが一巡したらまた帰ってくる。ギアを上げてたくさんカードを使ったり、不要牌をたくさん捨てたりするとすぐにまたストレスが手札に来るハメになる。
ちなみにスピンしてしまうとストレスカードが追加で手札に来る。まさに混乱してる様を表しているということだが、さらに処分タイミングに困ることになる。
さて、このゲームの特徴として、接戦になりやすく逆転しやすいというものがある。それを支える2つのルール、スリップストリームとアドレナリンについて説明したい。
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スリップストリームとは、後続車が前の車のピッタリ後ろもしくは横につけたとき、2マス進めるというルール。
さらにスリップストリーム分はスピードに換算されないため、カーブを低速で曲がれる。
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アドレナリンとは、最後尾の車(5人プレイ以上だと後ろ2台)にもらえるボーナスで、スピードがプラス1され、追加でヒート1枚をスタックに戻せる。
この2つのシステムにより、基本的に前に行くほど不利になるが、抜かれてもすぐ抜き返せるという絶妙なバランスとなっている。
さらにレースを白熱させるためのルールとして、ブーストというものがある。
カードを使用しての進行処理が終わった後、追加でヒート1をデッキへ入れる代わりに追加でランダムなスピード分進める。
追い上げやラストスパートに使えるが、ともすればフルスロットルでカーブに突っ込む危険性も内包している。注意して使うべし。
また、毎ターンのギアチェンジで2段階切り替えることもできる。しかしこれもエンジンに負荷がかかるのでヒート1を負債とする。
安全運転をしていればヒートは貯まらないが、それではライバルより先へ行くことはできない。ギリギリを攻め、時には大胆にリスクを背負うヒート管理が勝利のカギだ。
このゲーム非常に良くできている……ほんとうに……。
カーブというチェックポイントによって否が応でも団子状態になるし、そこから抜け出そうとすると何らかの形でヒートというリスクを負うことになる。
ヒートは時限爆弾のようなもので、その瞬間こそリターンだけを享受できるが、後から手札に来て動きを鈍らせる。そして結果的に後続に追いつかれてしまう。
このリスクとリターン管理を一番うまくやった人が勝つというシビアな競技でありながら、ストレスカードやブーストといったランダム性も持ち合わせていて、得意不得意の差を埋めてくれる。
本当に最終コーナーになるまでどうなるかわからない。レースの興奮と熱狂をそのままボードゲームに落とし込んだ大作。
惜しむらくは今全然手に入らないことか。呼んでくれたら持っていくので一緒にやりましょう……。