企業文化を変えることもDX
あらためて生成系AIの発展が目覚ましい最近ですね。
そこまで最先端でなくても、デジタルを活用していくことは当たり前になりました。
一定規模以上の企業であれば、DXに取り組んでいない企業はないでしょう。
今回はDXに取り組むにあたり、後回しにされがちな企業文化を変えるという話をしてみようと思います。
DXで会社は変わった?
企業がDXに取り組もうと思ったとき、まず施策として投資するのはシステムと教育だと思います。
BPR含む業務システムの刷新やデータ基盤の構築
社員に対する研修
これらは経産省のDX認定制度においても、経営ビジョンやDX戦略などハイレベルな方向性に加えて、考えておきなさいねといわれている2点です。
ただ、一方で、それだけで会社は変わるのでしょうか?
業務システムを新しくしたりデータ基盤をつくったり、研修などを通じて社員のスキルアップを図ってみても、どうにも会社が変わった感じがないなというのは、あるあるの状況です。
システム投資・教育投資という安牌な施策はまずやるとして、企業が次にやるべきことはなんなのでしょうか?
DXに必要なもう1つの観点
真にDXを成し遂げるためには、ツールや知識をアップデートするだけでなく、人や文化も変えていく必要があると思います。
そもそもDX(後)の姿も正しくイメージしなければなりません。
真にDXが実現した姿というのは、会社の隅々でデジタルを活用した挑戦が為されボトムから会社が進化し続けている、そんな姿だと私は思っています。
DXは設備投資ではありません。
一発どかんと大きな投資をすれば、しばらくは安泰だなというものではないと思っています。
イケてるツール(システム)とイケてる知識を使って、イケてる人がイケてる活動をやっていなければいけません。
どんなに最先端のシステムを入れても、いろいろな知識をインプットしても、それらを使いこなして何かをやろうと思い立つ人がいなければ会社は変わっていきません。
DXを自噴させるためには
では、社員がシステムや習った知識を使いこなし何かをやろうと思い至るには何が必要なのでしょうか?
素質・興味
1つは、素質・興味です。
好きこそ物の上手なれ、やはり挑戦が好きな人が挑戦するにこしたことはありません。
ただ、残酷かもしれませんが、私の経験則として新しいことが好きとか挑戦が好きとかいうのは本人の性格によるところが大きいです。
よって会社としてできることは、眠れる挑戦者を探して呼び覚まし、大切に花開かせることでしょう。
ストレスなく挑戦できる環境
もう1つは、ストレスなく挑戦できる環境です。
もちろん、アイデアを試してみるといった活動に費やせる余力(労力・時間・予算)があるというのも大切です。
ただ、より大事なのは、いわゆる心理的安全性という精神的な方だと思っています。
例えば、「なんで失敗したんだ!」と言われる環境で挑戦なんかしたくありません。
そもそも、どうやれば成功するのか試行錯誤しているのに最初からそんなこと言われたら出るやる気も出ません。
たとえ失敗したとしても、まずは始めてみた勇気を称え、その失敗から学んでいこうじゃないかという雰囲気がなければ、誰も「ちょっとやってみようかな」なんて思いません。
難題ですが、会社としてそんな雰囲気を醸成していかなければなりません。
社員がやるメリット
最後の1つは、社員に対してちゃんとメリットを提示することです。
前述の眠れる挑戦者を大切に育て、ロールモデルとしてキラキラした姿を示してもらい、憧れの的になってもらうのもありでしょう。
もっとストレートに評価や報酬面で挑戦に対する観点を入れてもよいでしょう。
繰り返しますが、失敗は失敗ではなく、次なる挑戦の糧です。
だから、挑戦に失敗した人を出世コースから外したり、評価を下げるような会社ではダメです。
最初は”お願い”という形で社員に頑張ってもらうでもよいですが、ずっと「頑張れ、頑張れ」だけでは社員がそっぽを向いてしまいます。
ファーストペンギン
ちなみに以上のように社員、ひいては真に会社を変えていくにあたって、まず変わらなければならない人は誰でしょうか?
それは、経営企画部やDX室などDXをリードする主管メンバーです。
自分がやったことのないことを人にやらしめることはできません。
なぜなら、やる人に寄り添って、本当に必要な指南を言えないからです。
主管メンバーがわからないなりに挑戦し、転んで学び、泥臭く進み続けるしかないと思っています。
そうやって、挑戦するとはどういうことなのか実体験として学び、真に自社にあった方法を確立していくしかないと思っています。
※ファーストペンギンとは、魚を求めて集団の中から海へ飛び込む最初の一匹のこと。転じてリスクを恐れず新しいことに挑戦する人のことを敬意を込めてそう呼ぶそうです。
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