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続々々・火曜サスペンス in NY

前回までの記事はこちら。

https://note.com/jasminflower/n/n8364b3477176

https://note.com/jasminflower/n/n4360ee554e38

そろそろこのお話(事件)も最終段階に。
突然窓の外に現れた鳩のご臨終死体は果たしてちゃんと処理されるのか。。

続きはこちらから。↓

担当者からの結果は「同じオーナー」とのことだった!

しかも、今は住人がおらず、丁度来週から新しい住人が入ってくる前のタイミングだったようだ。

「よかったはね!」とそれを知らせてくれた彼女は、その場ですぐに中国人らしき名前のオーナーのメイルの連絡先と電話番号、そして、「通常はここまでは言えないんだけど、あなたはナイスだから、特別ね。」と言って、管理人の電話番号までも教えてくれた。(涙)

ヤタッ!(嬉し泣き)ここまで苦労した甲斐があった!と思わず心の中でガッツポーズをしながら明るくお礼を言ってその店を出た。

そして、不動産屋から出ると、私は近くにあった公園のベンチに座り、もしかするとそのアパートにアクセスしやすい場所に住んでいるかもしれない管理人の方に先に電話をしてみた。

すると、幸運にも彼はすぐに電話を取ってくれたので、事情を説明した所、「あ、そういった要件なら、物件のオーナーの所に連絡して下さい。」とやや素っ気なく言われたので、その後、オーナーに電話した所、案の定、留守番電話だった。

仕方なく、状況説明を物件のオーナーの留守電に入れて、電話の折り返しを待ったけれども、一向に電話が掛かってくる気配はなかったので、その日は家に戻ってその物件のオーナーにメイルを書く事にした。

その晩は、夜遅くまで、会った事もないワンブロック南の通りの物件のオーナーに長いメイルを書いて、写真入りで状況を説明した。

新しい住人が次の週にやってくるならば、もしもの事(強風で上から鳩が
落ちてくるなど)を考えると、尚のこと、今のうちに鳩を取り除いておくのは重要ではないかともメイルの中に書いておいた。

それでも、果たして返信をくれるかどうかは定かではなかったけれども、こうなったら待つしかない。。

翌朝、そのオーナーから短いメイルが来ていて、内容は「管理人に連絡してくれ」とのことだった。昨日は管理人の人に連絡して、「オーナーに連絡して下さい」と言われたので、「これは、もしかして、またしてもたらい回し、、、?」と一瞬不安はよぎったものの、それでも、とりあえず返事が来ただけマシだと思ったので、管理人の人の番号に電話してみた所、すぐに電話を取ってくれて、私の名前まで覚えていてくれたようだった。

彼は物件のオーナーから直接事情を聞いたせいか、昨日とは打って変わってナイスな対応だった。

そして、今から車でそっち(裏庭のある物件)に向かうんで、30分後ぐらいに着くから、近くに行ったらもう一度電話すると言われたので、電話番号をもう一度伝え、とりあえず、裏庭の様子を伺いながら、アパートの窓を全開にして、管理人の人が裏庭にやってくるのをひたすら待った。

すると、約束通りに定刻に電話が掛かった来たので、電話を取って窓際に行くと、人が良さそうな日に焼けた南米系のおじさんが、建物から裏庭に出て来て、下からこちらの窓の方を見て、大きな声で挨拶して来た。

そうして私は、裏庭にいる彼に、窓から鳥の位置の枝を指でポイントして説明し、彼もそれを下から確認出来たようだったので、道具を取ってくると言って、建物の中に入って行った。(このやり取りは、おそらく近隣のアパート中の住人に聞こえていただろう。普段ならHSPで日本人の私は、ちょっと恥ずかしいなと思っただろうけど、さすがに鳩の死骸を片付けてもらうことが最優先だったので、もはやそんなことはどうだってよくなっていた。)

私は彼が大きな梯子を取ってくるものと思っていたのだけれど、彼が持って来たのは竿竹のような長い棒だった。それで木の枝を何回か突いて、彼は御臨終の鳩様を下に落とすのに成功し、それをサニテーション用の袋に入れて持って行ってくれた。やったー!

「本当にありがとう!」(涙)

私は思わず両手を合わせた感謝のジェスチャーをしながら大声で窓から彼にお礼を言った。(もはや宗教の違いも関係ない。)

彼は、「どういたしまして」と、こんなことぐらいお安い御用だと言わんばかりの明るい笑顔で去って行った。

もはや感謝しかない。

ここ数日、本当に生きた心地がしなかったので、どれだけ感謝してもしきれない。(涙)

そして、一応亡くなった鳩のことを想い、最後にもう一本お香を炊いて木の枝に向かって手を合わせ、今回助けてくれた裏庭のあるアパートの管理人さんにも、にいいことがありますようにと祈った。

そして、その日以降は、何とか窓からの風景を普通に安心して見れるようになり、今に至る。


NY生活では、毎日いろんな事が起こる。

それは、日本ではとても予想出来ないようなことばかりだ。(半ば事件とも言える。苦笑。)

でも、そういう事を経験するたびに、一つづつ、自分が今まで持っていた固定観念や常識が揺るがされたり、崩壊するのは事実だし、それを受け入れる事にはもはや降参するしかない。

そういう中で、見ず知らずの国から来た知らない人たちから助けられたり、心が通じ合える瞬間を一瞬でも持てるのは、やはり本当に嬉しいし、ありがたいなと思う。

そして、この街でのそういう経験や一期一会の出会いこそが、いつも私を大きく支えて励ましてくれているのは事実だ。

だから、今や迷惑外国人だらけとも言われてる日本だけど、国を超えて誰かと分かりあったりする事は、必ずしも完全な夢物語でもないかもしれないってことを、一人でも多くの日本にいる人たちの心の隅に、ちょっとだけでも留めておいてもらえたらとっても嬉しい。

本当の世界平和っていうものも、実はそこから始まるんじゃないかなって思っているのは、きっと世界中で私だけではないはずだから。

長いシリーズを読んでくださった皆様に感謝です。🙏✨






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