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続々・火曜サスペンス in NY

ある火曜日に、朝の空気を入れようと窓を開けると目の前に展開していた鳩のご臨終姿。
その後の行方は如何に。。
以下、脈絡がわからないと思うので、最初の2つの記事はこちらに。

https://note.com/jasminflower/n/nb3691c1e5ce2

https://note.com/jasminflower/n/n8364b3477176

(続き)

そして、その場で途方に暮れてしまった私のところに、彼女が部屋を出る直前に奥の部屋から別のスタッフが出てきたので、私はその人にも勇気を出して事情を説明してみた。

その人は、どう見ても小綺麗にオシャレをしたゲイの男性だった。
こういう時、普段から同情心が厚いところもあるゲイの人たちは、大きなホスピタリティーを発揮する事も少なくない。

その彼は、熱心に話を聞いてくれた後に、「うーん、困ったわね。あ、ちょっと待って。私が何とかしてそのビルのオーナーをリサーチしてみるは。上手く行けば不動産会社がわかるかもしれない!一緒に来て!」と私を彼のオフィスルームに誘った。

大きなパソコンが置かれた彼の仕事部屋で、彼は、手慣れたタイピングで「この方法は、普通のリサーチではできないかもしれないんだけど、私たちの特別なやり方だと可能かもしれないのよね。」と言って、何と、うちのアパートのワンブロック南側のストリートのビルを扱う不動産会社を調べてくれたのだ。

ありがとう!さすがはゲイのお兄さん!(ちなみに、私の個人ゲイピーポーリサーチ(?)では、ゲイ・ガイズには、パソコンやIT系に強い人が多い)

私は満面の笑み(+涙目)で感謝を言ってその場を去った。

とにかくその裏庭付きの物件が、同じ住所になるかどうかを調べるための第一歩には、不動産屋に出向いて聞いてみるしかない。

ただ、その日はすでに夕方になってしまっていたので、一旦帰宅して、もう一度長いメイルを自分のアパートの管理会社の担当者に向けて書き、返事を待つ事にした。

翌日の午後になると、管理会社の担当者からメイルが来ていて、その返事は「管理人から話を聞いて、昼過ぎに一緒に現地(木が生えている部分)に様子を見に行ったけれど、何もおかしなものはなかった。」というとぼけた内容だった。。。

"ちょっと待って!下からただ木の枝を眺めただけで上に乗っかってる鳩のご臨終死体が見えるわけないやん!”(大苦笑)

と思わず関西弁でドヤしたくなったけど、普段からマイペースの彼らには、一回では話が通じない事も少なくない。
そこらへんは、写真まで送っているのだから、もう少し想像力を使ってほしかったけど、こうなったらもう一回説明するしかない。

とにかく、管理人の、事態をあまり真面目に把握する気がない相変わらずのマイペースさにはやや呆れながら、その旨を再びメイルで管理会社の担当者に説明し、もう一度、アパートの外の窓側にある非常階段を使ってちゃんと上の階まで上がって”木の枝の上”を確認してほしいと依頼した。

そして、まだ近くにいるなら、うちのアパートの窓から鳩の様子は目の前に見えるので、直接見に来て欲しい、と連絡のメイルとメッセージを入れて待ってみた。
けれども、相変わらず、2時間以上待ってもなしのつぶてだったので、とりあえず管理会社からの返信を待つ事は諦めて、市内の鳥の保護団体でゲイのお兄さんから聞いたワンブロック南側のビルを扱っているという不動産屋を訪ねてみる事にした。

その不動産屋は小さいオフィスで、時間もやや夕方だったせいか、女性一人が受付けに座っていた。

仕事柄、やや緊張感のある面持ちで「ハーイ」と言ってパソコンに向かっている彼女に、とりあえずワンブロック南側の表のビルの番号(住所)を言って事情を説明した所、何とか状況を分かってくれたようだったので、私も窓から携帯で撮った向かいの裏庭のある物件の写真を彼女に見せてみた。

すると、”なるほど”、とうなずいた彼女は、「分かったは。とにかく通り沿いのアパート物件は私たちの会社の管理下なのよね。でも、この裏にある裏庭付きの小さい建物がそれとリンクしているかどうかは分からないから、とりあえず、その表の物件の担当者に聞いてみるは。ちょっといいかしら?」と言って、すぐに担当者に電話をして、同時に、電話しながら私が携帯で撮った写真をさらに彼女の携帯で撮り、それを一早いスピードで担当者に送って返事を待った。(行動が素早い!)

そして、しばらく待つと、彼女のところに担当者から電話が入った。

続く。


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