「自信のあるふり」って悪くないのかも
私は昔からあまり自分に自信がない。
他の記事でも書いたが、自分ができる人だとは思っておらず、人からお褒めの言葉をいただいたり、仕事を継続的に頂けたりすると驚くし、同時にほっとする。
あ、よかった、足は引っ張ってなかったのか、と。
何をするにも自分の能力に期待はしていないので、それでもきちんと何かしらの価値を提供したい、この人が来て迷惑だった、とは思われたくない一心で多分周りの人よりも人一倍心血を注いで仕事をしている。
というよりするようにしている。
手を抜いても良さそうなところでも手は抜かない。
そんなことをするのは失礼だと思うし、正直手を抜いている暇などないからだ。
まあ、手を抜くときは抜く、休憩するときはする、でうまくやらないと体がついてこないことは最近わかってきたので、要領よくやれるようにするのが最近の課題ではあるのだが、、、
そんな私だが、最近やっと
「こんな私ですが、、、足を引っ張るかもしれませんが、、、」
という態度、気持ちから
「私はプロです。価値を提供します。お任せください。」
と胸を張って(少なくとも見かけ上は)言えるようになってきた。
何か大きな出来事があったわけではないのだが、前の会社の上司からかけていただいた一言がきっかけで自信の意識が変わってきたと私は思っている。
前の職場での上司は私に
「自信がなさそうにしていると仕事ができないように見える。
何も悪いことをしてないし、しっかり価値を提供できているから胸を張らないと。」
とコメントした。
確かに、会社内でチームで仕事をする以上、自信の無さそうな同僚がメンバーにいたらやりにくい。
それに仕事を頼む側も「大丈夫ここ?」と思うだろう。
(少なくとも私なら思う)
そんなこんなで最初は周りに迷惑をかけたくない一心で「自信のあるふりを」し始めた。
ただ面白いのは自信のあるふりをし始めてからたくさんのことを成し遂げてきたということだ。
自信のあるふりをしているのだけど、確かに自信を持って「これをやり遂げます」「お任せください」といってしまうときちんと仕事はこなす。
それにこなせてしまうので「あ、できるんだ私」と気がつき、
「じゃあこんなこともやってみよう」、「これはどうかな?」
とどんどん今までは「私なんて、、、」
と考えもしなかったことに手を出すようになったのだ。
気がついたら1年半ほどが経ち、今私は新しい会社に移った。
1年半が経ってみて、
「意外と自分は大丈夫かもしれない」
ぐらいには思えるようになった。
よくスポーツ選手などが
「何かで成功する人はその成功の瞬間を何度も想像し、シュミレーションしている」
というが、
自分が何かを成し遂げるのがイメージできて、実際に実行することができるようになってきたのだ。
昔は、そんな、想像してもね、、、と自分で自分を信じることができなかった。
ただ今は違うのだ。
正確にいうと想像してもいいと思えるようになったのだ。
「人はやりたいという気持ちさえあればなんでもできる」
というのは個人的には少し違うと思っている。
目が見えない方がモネのように絵を描くことはやはり難しいと思う。
ただ、論理的に考えて、実現可能であること、実現するのを妨げているのが自信の思い込みである場合は話が違う。
今では純粋に
「できるかもしれない」
→「どうやったらできるかな」
→「どうやってやろうかな」
と考えられるようになった。
とても楽しい。
一つ成し遂げると次は自分は何ができるのだろう、どんな世界が待っているのだろうとワクワクする。
「自信があるふり」って悪くないのかもしれない。
自分でさえも自分を信じることができなかったら他の人はあなたを信じることはできないと思う。
だから今日も胸を張って謙虚に前に進んでいきたいと思う。
ほんとの「自信」は日々少しずつ積み重なってきてくれているのだと思うから。