酔いどれ天使 (1948) 東宝
黒澤明監督
自分がいつ、何の作品で
三船さんを好きになったのか 覚えてないけれど
10代から30代半ばまでは 洋画一辺倒だったから
やっぱり、本格的に邦画を観るようになった40代ですね。
ジャスミンは (←私よ) 折り紙つきの 後期高齢者だから
それも今から 35年以上も昔のことだけど
それ以来、一貫して
日本の俳優さんの中では 一番好きな三船敏郎さんです。
当然、黒澤監督との作品には 40°Cの熱が入ります。
〇
黒澤監督はこの『酔いどれ天使』について
ここでやっと これが俺だ、というものが出来た。
と、ご本に書かれています。
また、新人・三船敏郎について。
恐ろしい奴ですよ、僕の注文なんか僕が言う前に僕の顔を見て察して
注文通りやってしまうんですよ。
あんな勘のいい役者は めったにいない。
上手く使えば 恐ろしい役者になりますよ、と語っています。
しかし、その前年に 谷口千吉さんが
ご自分の監督デビュー作品『銀嶺の果て』で
まだデビュー前の 三船敏郎を使ったときは
黒澤監督は こう言っていたそうだ。
「千ちゃん、馬鹿だなあ、最初の大事な作品に
あんなエタイの知らない男を使うなんて」
とにも、かくにも、この『酔いどれ天使』は
新進監督だった黒澤明が 自分の演出法を確立し
黒澤✖三船✖志村の 名トリオが誕生した
記念碑的な作品となった。
キネマ旬報ベストテン 一位。
今回は あらすじさらり、と
あちこちのご本からの 裏話を。
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