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ストリートに飛び出した ロミ&ジュリ! ウエストサイド物語 (1961) 米

監督・ロバート・ワイズ & ジェローム・ロビンズ

『私は死にたくない』『傷だらけの栄光』
そして この4年後の『サウンド・オブ・ミュージック』などの
ロバート・ワイズ監督と

ブロードウェイ・ミュージカルの演出家であり
名振付師のジェローム・ロビンズさんの 共同監督作品。

左 ジェローム・ロビンズ 右 ロバート・ワイズ

シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を元にした
ミュージカル映画ですね。

当時は、超々大ヒットしました。
何度も何度も
劇場に足を運んだ人が たくさんいたみたい。

1961年というと 昭和36年ですが
松竹洋画系の映画館で 一斉に封切られ
あちこちで ロングラン上映となり

特に 東京・丸の内ピカデリーでは
翌々1963年まで 511日に渡り上映され
ロングランの新記録を樹立しました。

なんて凄い 
同一劇場で同一作品を
足掛け3年にわたり連続上映ですよ。
今ではとても 信じられませんわね。

従来の夢物語りのようなミュージカルには
目もくれなかった若者たちを
一気に惹きつけ 大ヒットしたのです。

で、これは どうでもいい話なのだけど
ジャスミンは高校生のとき 友達と
超満員のミニ・シアターで観て
入れ替え制なので
観終わったら 出なくちゃならないのだけれど
トイレに隠れてもう一回観たという、イケナイことをしました。
はい、ほんとにどうでもいい話でした。

          〇

場内が暗くなって スクリーンの幕が開くと
どこからともなく聞こえてくる
フィンガー・スナップと口笛

それがもう 何と言ったらいいのか
人間の呼吸、鼓動のリズムに ぴたりと合っていて
このリズムに早くも観客は ぐいぐいと引き込まれていく。

それから画面は 漆黒からオレンジ、緑、青・・・と
背景色が変わっていき
映画は 5分をかけた 序曲からはじまり

そして、ニューヨークの大俯瞰シーン!
カメラは自由に、軽快に、宙を舞い
やがて ニューヨークの下町・ウエストサイドに降り立つ。

「ジェット団」

このウエストサイドで敵対する
リフ (ラス・タンブリン)をリーダーとする
白人系・非行少年たちのグループ「ジェット団」と

「シャーク団」

ベルナルド (ジョージ・チャキリス)をリーダーとする
プエルトリコ系のグループ「シャーク団」

撮影風景

この一触即発の ふたつのグループの様子が
それはそれは 見事な群舞で表現される。
そして、その不穏な空気は
体育館でのダンス・パーティに持ち込まれるが

ここで 
「ジェット団」のトニー (リチャード・ベイマー)と
「シャーク団」リーダー・ベルナルドの妹・マリア(ナタリー・ウッド)が
知り合い、恋に落ちるが

この恋が新しい火種となり
遂に高架道路下での果し合いが勃発。
悲劇が悲劇を呼び そしてふたりの恋も悲劇に終わる。
有名なお話ですね。

音楽は20世紀クラシック界を代表する
レナード・バーンスタイン。

「トゥナイト」「アメリカ」「マリア」「クール」など
劇中で歌われる曲も 多くの人を魅了して
サウンドトラック・アルバムも 空前の売り上げ
ビルボード誌の アルバム・チャートで54週No.1

また、トニー役は エルヴィス・プレスリーが第一候補で
エルヴィスも熱望していたそうですが
マネージャーのパーカー大佐が
サウンドトラックの独占権が得られないため 拒否したそうで

エルヴィスは 出演出来なかったことを
後々まで 悔やんでいたそうです。

そして ダンス指導の ジェローム・ロビンズさんは
名門アメリカン・バレエ・シアターの ソリストだった方。

ロビンズさんは
音楽、ダンス、ファイト・シーンの全責任者でしたが
非常に厳しく 完璧主義者で
撮影が60%のところで 予算を使い切ってしまい
会社側と揉めた末 終盤、解雇されたそうです。
 
タイトルと エンド・クレジットのデザインは
ソール・バスさん。

壁のいたずら書きのようなデザインも可愛い。

第34回アカデミー賞
作品賞・ロバート・ワイズ
監督賞・ロバート・ワイズ、ジェローム・ロビンズ
助演男優賞・ジョージ・チャキリス
助演女優賞・リタ・モレノ
ほか 美術賞など 10部門受賞

裏話としては
ナタリー・ウッド、リチャード・ベイマーの歌うシーンでは
当初は本人たちの歌声を使用する予定で
猛練習を積み 録音もされたが
完成した映画では吹き替えになっており
特にナタリー・ウッドは
激怒し、そしてひどく落胆したそうで 気の毒でしたね。

録音までしてたのに・・・

とにかく、YouTubeで予告編だけでも!
きっと、観たくなるわ。

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