皇太子様・美智子様から 高峰秀子さんへのお誘い「今夜、遊びに来ませんか」
高峰秀子主演、ご主人の松山善三初監督の
映画『名もなく貧しく美しく』は
1961(昭和36年)に 封切られた映画ですが
このとき、この2年前にご成婚された
当時の皇太子殿下と美智子様
他、皇族の方々が 劇場でご覧になりました。
淡いベージュのワンピースをお召しになった美智子様は
出迎えの一人一人に 軽く会釈をされ
ふっくらとしておられた頬が 幾分ひきしまり
柔らかな笑顔がさらに美しかったそうです。
劇場の二階正面の前列に
皇太子様と美智子様がお並びになり
その左右に 高峰さんと松山監督 そして何人かの皇族方
二列目以降は 女官、侍従など皇室関係者
三列目から後ろは びっしりと警護の私服で埋まり
ロビーへの各扉の前にも護衛が立ち
それはもう、映画一本の為に
厳重警戒の大変な一日だったそうですが
その翌年、昭和37年には『山河あり』
またその後、『泣きながら笑う日』
演技指導として高峰さんが参加した『典子は、今』と
皇太子ご夫妻は この何年かの間に
高峰さんが参加した 4本の映画をご覧になりました。
それから何か月が経った ある日。
宮内庁の侍従と名乗る方から 高峰さん宅に電話が入りました。
「お夕食後、一時間ばかり お遊びにいらっしゃいませんか
こちらは皇太子、美智子妃のお二人でございます」
ということで今回は
高峰秀子さんのご本「にんげん住所録」から
皇太子様・美智子様からの 「遊びに来ない?」をお受けして
高峰さんご夫妻が 東宮御所に遊びに行った
貴重でユーモア溢れる 愉しいひとときのお話です。
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