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当時中学2年だった長男は、次男より先に登校して夕方遅くに帰宅するという生活をしていたので、次男が長く休んでいることを知ったのは3週間くらい経った頃でしょうか。

部活がお休みで早く帰宅した時に、次男が家にいることには気づいていました。時々休むことがあることを知っていた長男は、最初はさほど気にしていなかったようですが、(気にしていたかもしれませんが、敢えて触れなかったのかもしれません)3週間くらい経過した頃に、「もしかして、ずっと学校に行っていないの?」とこっそりわたしに聞いてきました。

「そうだよ」とわたしが答えると、「そうなんだ…」とだけ。かなり冷静そうに見えましたが、また数日後「なんか理由でもあるの?」と聞いてきました。直接の理由はわからないけれど・・・・と、わたしが想像していることを伝えました。

学校に行くのをやめた理由を親として把握しなければと焦りや苛立ちがあった頃、次男とは事あるたびに話し合いを重ねていたのですが、次男が途中でだんまりを貫き話が平行線になってしまう状態が続いていた時です。

長男が言いました。
「言いたくないときもあるんだよ。タイミングっていうのがあるんだよ、きっと。別に理由なんていいんじゃないの?学校に行っても行かなくてもあの子には変わりないんだし。」

何で冷静でいられるんだろう?と一瞬思いましたが、妙に納得したのを今でも覚えています。次男も私や夫からの質問攻めにあっても、長男の存在がよりどころになっていたのかもしれません。

でも、冷静そうに見えた長男も実はずっと気にしていたことがあったようです。2歳差兄弟の長男と次男。次男はいつも長男の背中を追いかけていました。長男がポケモンを始めれば次男も真似して遊び始めたり、カードゲームを始めれば自分もカードを集めたり、テニスを始めた兄を見て、小学生になるのを待ってテニスを始めたり…次男は兄に近づけることが嬉しかったようです。

次男の入学後、その歯車は狂い始めていたのです。
長男は割と難なく勉強はこなせて、宿題も1人ですぐに終わらせてしまう子でした。次男はどんなに努力しても特性によって勉強に不得意面があったり、1人で宿題ができないことも多々あり、苦労していました。

だから、弟を苦しめているのは自分かもしれない。こんな兄で申し訳ないと、長男は思っていたようです。

そこで、長男に次男が卒業文集に書いた文章を見せました。

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入学した頃は体が小さくてテニスをするのも大変だったけれど、コツがつかめるようになってからは楽しくなった。兄が越えられなかった試験にもぼくは一発で合格できて自信になった。頑張ることの大切さを学んだ。
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というような内容が書かれていたからです。

読み終えたとき、長男は泣き出してしまいました。
一言、「よかった…あいつは大丈夫かもしれない。いつかは絶対動く時が来るかもしれない」と。

次男は学校には行かないけれど、塾も行かなくなったけれど、テニスだけは毎週毎週好んで通っているのです。

次男の文集に書いた文章は次男にヒアリングしながらわたしが文章の構成をしましたが、話を聞きながら、テニスが次男の支えになっているんだなとホッとしていました。

長男もそう思ってくれたようで、その後も静かに見守り続けてくれています。「何で学校に行かないの?いつ治るの?」って聞いてくる三男とは正反対ですが、そのバランスが我が家を保っているのかもしれません。

末っ子である四男はどうなのでしょうか。次回書いていきます。


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