【Bookレビュー#4】戦略プロフェッショナル
戦略プロフェッショナルをご紹介します!
出典:Amazon
○BCGの「プロダクト・ポートフォリオ理論」
マーケットシェアの価値、事業のライフサイクル、キャッシュフロー、コストの動き、価格政策、多角化戦略や撤退戦略がビジュアルチャートで整理
→あまりにも人気が出た
※一般的なプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント
経験曲線効果(=累積生産量が増加するにしたがって、単位当たり生産コストが低減するという経験則)とPLC(導入期、成長期、成熟期、衰退期期)を組み合わせたマトリックス
○CI (コーポレート・アイデンティティ)
企業文化を構築し特性や独自性を統一されたイメージやデザイン、またわかりやすいメッセージで発信し社会と共有することで存在価値を高めていく企業戦略の一つ
○SCM (サプライチェーン・マネジメント)
物流システムをある1つの企業の内部に限定することなく、複数の企業間で統合的な物流システムを構築し、経営の成果を高めるためのマネジメント手法
○戦略企画スタッフが大きな力を持ったGE
株一株あたりの利益がどうなるかで業績を判断される→投資計算のやりやすい財務戦略やM&A戦略に走りがちになるのは当然になり、各事業部長は自分の部門が売却されるのではというほどに→開発部門や生産現場から離れた方向へ
ex: ジャック・ウェルチが登場し、「業界1,2位以外の事業はすべて捨てろ」と行ったことは典型的
⇔もしそうすれば研究者はやる気をなくし、自社技術は枯れてくる
○ポートフォリオ理論は単刀直入な戦略が強みであったが、日本では同じようには受けれられない
○競合ポジションの仮説を立てる
相対的にどうなのか知るには、仮説を立て、ズレを追求する。仮説の立て方は以下の通り。
①プロダクト・ライフサイクル(導入期、成長期、成熟期、衰退期)
サイクルの段階によって競合に打ち勝つカギが変わってくる
ex: 導入機や成長期なら、外部参入は楽。成長期では、営業体制やアフターサービスもうなどの勝負になり、販売量を増やさざるを得えなくなる。最終段階では、競争上の地位は固定し互いに攻め合う部分がなくなる。
※実際に使うためには、このプロダクト・ライフサイクルのセオリーだけを「完璧に」することがおすすめ。市場の動向から今市場全体がどのようなフェーズなのかを考える。
出典:Globis
②事業の成長ルート
プロダクト・ライフサイクルそっくりのチャートで、どのようなルートをたどるかをシミュレーションする。市場成長率(高い・低い)と、競争ポジション(強い・弱い)。栄光ルートか、混戦・不安定ルートか、ドンジリルートか?(金のなる木に落ち着くか、負け犬に落ち着くか)
どのルートであっても、再投資をすることでまた導入期に持っていくことができる企業がエクセレント・カンパニー。
・ドンジリルートの会社は、陰湿で尖った人材がいない。トイレに行くと清掃が粗末。個別製品の原価計算システムが粗末であるため、製品ごとに儲かっているのかが分からない。これは月次決算の出てくるタイミングが遅いため。関与する人間が多い。時間軸が曖昧。やけに落ち着きがある雰囲気。
・栄光ルートの企業は競争相手の動向が話題になり、ピリついた雰囲気。関与する人間は少ない。走りながら考えるスタイルで決断は早いが朝令暮改である。期限の設定が明確。事業部門ごとのほどよいアンバランスさ。
○直接話法と間接話法
タテに会社の意志を伝えていくのが直接話法、ヨコのつながりによるのが間接話法。高成長の組織であるほど直接話法。社内常識と戦う必要がある。
○失敗の疑似体験
経営者は失敗はできない。しかし綿密なプランニングによって、目標を達成できなかったという疑似失敗体験はできる。その経験が経営のカンに繋がる→そのためには、途中で目標を見失わないように書き留めておくことが必要。失敗するとどのような泥沼になっていくのかを示すのも一つ。成功に導くには社長自身が考え方や事業の枠組み、方針を示して、それに数年間こだわり続ける必要がある。
○戦略計画は会社が実行可能でなければドブに捨てたも同じ。防ぐには、会社のエネルギーを「集中」させる、組織に大して無理を強いる必要がある
○実績によるプランニングは勝者の論理。勝者でないのであれば、目標先行のプランニングが必要
○組織のゆらぎは必要だが、全ての会社がそうすれば良いという話ではない
○目標先行型のプランニングで、実績が伴わなければリーダーへの信頼は失われる。これが起こる原因としては、①トップの野心やエゴが強すぎる、②トップに緻密さが欠けるために目標と現実のギャップを埋めるための戦略がない、③幹部やミドルの創造的発想が十分でないために現実と目標のギャップを埋められない
○責任を全うするには、①トップとして強いリーダーシップを発揮する覚悟があること、「共に考え、共に戦う気概」を見せる、②作業ごとに選択肢を詰めていく緻密さ、③多少のリスクは気にしない
○セグメンテーションは戦略の目的に完璧に沿っていなければならない
○セグメント化には、横軸にジュピターへのニーズが強いか弱いかを表すデータを持ってくる、縦軸には当方の売上高や利益額のメリットが大きいか小さいかを持ってくる
○セグメンテーションによって、社内での強力なコミュニケーション手段にもなる
○共通言語化することで、進捗が一目瞭然となる
○経営戦略の要諦は、絞りと集中。何を捨てるか
○セグメンテーションの手法は2つ。
①商品ありき:すでに商品があり、誰に売ろうか対象を絞る場合
②市場ありき:新しく商品開発や事業開発をする時
セグメンテーションは、静かにやらねばならない。客先やメディアには話さない
セグメントは2✕2、2✕3といったシンプルな分類が良い
もしそれ以上をやりたい場合は、2段階に分けて行う(1段階目で得られたセグメントを縦軸等に持ってくる)
○悪いセグメントでは、セグメントがきれいにわかれない。セグメントが効果的である前提は、①測定可能である(セグメントの内容や大きさを測る情報を得られる)、②到達可能である(セグメントに効果的に到達できる手段があること)、③十分な規模(十分な市場規模)
○日本の金融機関は、ベンチャーキャピタル会社を設立して投資をしたが、米国のプロに比肩する一流のベンチャー・キャピタリストが育っているとは言えない
○外資系に移ったとしてもそこで世界レベルのプロになれるかというと、日本と米国の経営コンサルタントの間には「創造性」に大きな差がある
📚本を読んで・・・
戦略のみの頭でっかちになってしまっては意味がない。現場と連携し組織を良いアンバランスに置いておくことが望ましい。業績や市場の規模・成長率、競合から強みと弱みを抽出し、なぜ上手くいっていないのか仮説を立てる。戦略策定、市場ターゲットを絞る(セグメンテーション)。
ビジネス書は、同じ轍を踏んだ時にデータベース化するため。座学ができない人は経営もできない。
では。
Jas🌺