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第2章:就職氷河期を生き抜く ~4. 社会への提言と若者の声
4.1 政府と企業への提言
振り返ってみると、バブル崩壊後の日本において、政府が効果的な対策を講じていたとは言い難い状況でした。例えば、近年の新型コロナウイルス感染症の拡大時には、企業や個人に対して様々なセーフティーネットが整備され、迅速な支援策が実施されました。しかし、就職氷河期の頃には、そのような大規模な支援策は見られませんでした。
また、労働市場においては、安易に非正規雇用を推進する動きが加速し、企業はコスト削減のために正社員の採用を控える風潮が広がりました。結果として、多くの若者が安定した雇用機会を得られず、経済的な不安定さを抱えることとなりました。
もしこの時期に、アメリカのようなジョブ型の働き方や、転職を前提とした高い給与水準を実現する施策が同時に行われていれば、状況は異なっていたかもしれません。労働者がキャリアを柔軟に選択し、自身のスキルや経験を市場で評価される仕組みが整備されていれば、若者たちも自信を持って次のステップに進めたことでしょう。
さらに、就職氷河期世代は「第二次ベビーブーム世代」と重なっており、本来であれば次の世代を担う重要な存在でした。しかし、経済的な不安定さから結婚や子育てを躊躇する人が増え、結果として「第三次ベビーブーム」は起こりませんでした。これは、日本の少子高齢化を加速させる一因となり、社会全体に長期的な影響を及ぼしています。
4.2 未来を変えるための一歩
私が住んでいた東京都の豊洲エリアは、近年の再開発により多くの家族が移り住み、非常に活気ある街へと変貌を遂げていました。ショッピングモールや公園が整備され、住みやすい環境が整ったことで、新たな住民が次々と増えていきました。少子化が叫ばれる中、この地域では子どもたちの姿が多く見られ、街全体が子育てに適した雰囲気に包まれていたのです。実際、豊洲には3つの小学校があり、それぞれが約1,000人の児童を抱えるほどで、活気あふれる学びの場が形成されていました。
私の娘もその一人であり、彼女を含めた子どもたちが成長し、これからの日本を支えていく存在になることを期待していました。彼らが明るい未来を築けるよう、私たち大人ができることは何かを真剣に考えるようになったのです。この未来を築くためには、教育環境の整備や地域コミュニティの活性化など、多くの取り組みが必要であると感じていました。
具体的には、地域の活動に積極的に参加し、子どもたちの教育や環境づくりに貢献しました。例えば、子ども向けのワークショップを開催したり、PTAを通じて学校行事へのボランティアに参加するなど、できる限りの形で地域と関わり続けました。また、地域イベントの企画に関与することで、親子の交流を促進し、コミュニティ全体の絆を深める努力もしてきました。こうした取り組みを通じて、地域の中での信頼関係が強まり、子どもたちが安心して成長できる環境を築くことができたのです。
私たちが経験した就職氷河期の際、その当時の大人たちが無策だったことを反面教師として、もう同じことが起きないように、子どもたちが多様で活躍できる大人になるための環境を整えることが大切だと感じました。経済的な困難が再び訪れたとしても、次の世代がより良い社会を築けるように、私たち大人が率先して行動する必要があると痛感しています。
その結果、少子高齢化が進む社会においても、私たちは発展した日本を築くために積極的に関わり、次の世代に希望を託すことが求められていると強く思っています。私たちの取り組みが、未来を担う子どもたちにとって大きな意味を持つことを心から願っています。そして、この文章が皆さんにとっても考えるきっかけとなり、自らの役割について再確認する機会になることを願っています。