京都サンガvsガイナーレ鳥取に感じたこと。



曺貴裁監督の意図はどこに

就任からここまで隙のない取り組みが窺えるコメントの数々。

開幕まで2週間を切るチームが今、どの位置にいるのかが気になるのはどこのサポーターも同じ。

そんな中において、京都が踏み切ったのはトレーニングマッチの公開という形。

クラブとして、曺貴裁監督として何を意図して企画されたものなのか少し考えてみた。

コロナ禍において異例の公開試合

試合開催形式でのテストマッチ。

前日には浦和レッズが埼玉スタジアムでSC相模原と変則マッチを開催しているが、観客は入れずにYouTubeでの配信という形。

キャンプも非公開の厳戒態勢の中で、今やこういった距離感を弁えた形がスタンダードな状況での、異例のテストマッチ。

緊急事態宣言下での運営。どうやってもリスク先行の状況で京都サンガが求めたものは何だったのか。

スタジアムに入り、オープンから一年経った素晴らしいピッチをぼーっと眺めながらそんなことを考えます。

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万感の拍手で迎えられたキーパーアップに続いて、曺貴裁監督がピッチに姿を現す。

メイン、ゴール裏、バックスタンド と、期待を重ねて送られた自身への拍手。 それを噛み締めるようにスタンドを見渡し、それでも引き締まった表情は崩さない。

チームを高みへと引き上げる責務を請け負った者として、実に隙のない姿でした。

ピッチに登場した曺監督は、まずスタンドに向かって一礼。 そしてこの日の試合進行を手助けする京都サンガユースの一人にグータッチを求めた。

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その行動が自分の目には、スタンドを埋めたサポーターに対する気持ちの昂ぶり そしてまさに今から戦に挑む武将のようにも映った。

一心 という言葉

今シーズンのスローガンである

「一心 ~みんな、一つに~」

この言葉の意味がここにあるのかな と感じた。 選手の戦いの場は練習場からすでに始まっている という言葉同様に、曺監督にとってチームとは 京都サンガのクラブ名を背負った全員の事。  

そこに選手か選手でないかの仕切りも、ユニフォームを着る着ないも関係なくみんなで進むんだという気持ち。

そしてそれはサポーターの意識の変革も促す意図があるのではないかな と感じた。

この日、京都サンガが来場者に対して公式に打ち出したのは「戦術面等、他クラブの利益になるような情報アップの自粛」。

公式の公開テストマッチ概要欄にひっそりと明記されたこの一文。知らなかった人も一定数いたように思います。

実際に試合後、ちらほらと動画をアップされているのも散見されました。 細かく戦術やメンバーについて触れたブログなんかもありましたね。

実際、スタジアム内での試合観戦注意事項アナウンスに、はっきりとこの件について触れた文言はなかった。

ここから先は「京都サンガを愛する人たち一人ひとりが、どう考えてどう行動するか」 曺監督及びクラブからの、サポーターに対する意識のレベルアップの促進だったんではないでしょうか。

戦うのは練習場だけでも、ましてやスタジアムに限った話でもない  とするならば、

それは選手だけに限った話でもないぞ 京都サンガとしてのクラブ単位の話だ  という発破だったように思えるのです。

ピッチで示したもの

その推測が正しいとするならば、まずはアクションを起こす側の選手たちは…  という部分に行く。  示しをつける。

内容には触れないけど、見事に結果を出したのはキジェチルドレンと呼ばれる二人。 京都サンガが気持ち新たに出発するというシナリオの中で、一番理想的な二人が決めたんではないかな と思います。

交代で退いた選手に寄り添いすぐに修正点などを伝える光景。 

もっと印象的だったのは、退いた選手たちが軒並み最後は笑顔で一言二言を曺監督と交わし、アフターケアに向かう姿。

選手たちの充実ぶりが見て取れます。

松田天馬選手の「後先を考えずに行こうという共通意識がチームにはある」という言葉。

今季は選手に勇気づけられるプレーが例年以上に増えると思います。

それを目の当たりにして、サポーターがただの傍観者であってはいけません。

それを伝える為のファンクラブ限定公開マッチだったのではないでしょうか。

京都サポーターの温かさ

と書くと少し語弊があるかもしれません。

もっと大きくとらえて「Jリーグっていいよね」というほうが個人的にはしっくりくるのが

アップの為に入場してきたガイナーレ鳥取イレブンに対して自然に沸き起こった拍手。

今後まだまだ今まで通りに近い状況に戻れない見通しのなかで、やはりみんなサッカーを待ってるんですね。

この国にこういうサッカーがあって、本当に幸せなことだな と感じました。


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