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『脱力スキル』執筆うらばなし

先日、『最強の身体能力/プロが実践する脱力スキルの鍛え方』が発売されました。
大変多くの方に注目していただいているとのことで、本当に光栄です。
せっかくの初著書なので、今回は「『脱力スキル』を書こうと思った動機」とか、「『脱力スキル』に込めたメッセージ」といった、裏側の部分を少し書こうと思います。


皆さんはトレーニングといえば、どんなトレーニングを思い浮かべますか?
ベンチプレス?
スクワット?
コモドドラゴン?

人それぞれ、いろいろだと思いますが、それらはほとんどが『力を入れる』タイプのものではなかったでしょうか。

トレーニング = 力を入れるもの的な何か?


トレーニングといえば力を入れること。筋肉や心肺が”キツい”もの。
身体がキツくなると得られる充実感/満足感。
それがなぜかトレーニング効果と混同されている違和感。

そして「力を抜くこと(脱力)」と「役に立たない/サボる」を近い関係に位置付けてしまっている現状への違和感。


スポーツ、フィジカル領域で仕事をし始めてもう10何年経っていますが、はじめっから、、いや競技者の時からずっと感じてきた違和感がこの本を書いた根本的な動機です。


スポーツで勝つには頑張らないといけない。
トレーニングを頑張らなければいけない。
頑張るにはしっかり力を入れないといけない。
力を入れない(抜く)ことは、よくないことだ。サボっていることだ。
だから全力で頑張る(力を入れる)べきだ。

楽して勝てるやつは一部の選ばれし天才だ。
楽して勝てるやつはいつか痛い目に遭うはずだ。
楽して勝つことを肯定するべきではない。
みんなが苦しそうにトレーニングしている時に楽そうにしているやつは
サボっているはずだ。

そんな価値観がスポーツやトレーニングには存在し続けているのではないか。
そんな世界で生き残れた人が指導側になり、”トレーニング頑張る”が継承されていく。


この構図がまだまだ本当に多い。

「だから脱力をテーマに本を書きませんか」とかんき出版さんからご依頼をいただいた時、そのテーマなら、とすぐに思えた。
世の中には素晴らしいトレーニング理論や方法があるけれど、どれも脱力スキルが低いとモノにはならないから。(”センス”のある人以外は)
このテーマならどんなトレーニング方法を採用している人にも有効だと言えるから。

力を入れるには、力を抜いた状態から入れた方が大きな出力になる。
自分の重心線の感知がボディバランスひいてはパフォーマンス向上につながるけれど、力んでいては正確に感知できない。
そんな状態で力を入れるトレーニングを繰り返したり、ひたすら競技練習をしても、効率は上がりにくい。
トレーニングや練習に使える時間には必ず上限があり、それゆえ同じ練習量の中でどれだけ成果を得るかがパフォーマンス向上のための時間軸。
そこに脱力の練習を入れるのは、勇気がいるかもしれません。
だから脱力がパフォーマンスを上げていくためにどれだけ大切かを出来るだけ分かりやすく書いたつもりです。
鍛えまくってるのに壁にぶち当たっている選手たちが脱力の大切さを知ることで壁を乗り越えるきっかけの一つになれば嬉しいです。



ちなみに、わかりやすく書いたと書きましたが、、
脱力を『スキル』として位置付け、その論理を書籍として解説していく上で、専門家でない人にも伝わる「わかりやすさ」が要求されることは本当にやりにくかった笑
専門用語を使うのはもちろんNG、言い回しも、私のボキャブラリー不足を痛感する日々で、まさに脱力状態の連続。
講演やYoutubeで「説明がわかりやすいです!」って言われて調子に乗っていた自分の存在に戒められる場と化したマイデスク。


ともかく、そんなこんなで初めての著書は編集・出版に関わる方々に大変なお手間をかけてしまいました。修正とフィードバックのキャッチボールの回数が果たして多かったのか少なかったのかわからないけれど(たぶん多かった)、とにかく私という初心者の扱いが大変だったことだけは間違いない。
改めて、感謝いたします。


ちなみに、私は小学生の頃から漫画家を目指していました。
今でも漫画家さんのことは〇〇先生と呼んでしまう笑
野球と出合ってプロ野球選手を目指し、怪我に見舞われスポーツトレーナーを目指し、片方に頓挫し片方を実現できた今も、実は漫画家の夢はほっそり続いていたりするのです。行動面ではゼロですが笑



全てはパフォーマンスアップのために。



 

中野 崇 

新刊最強の身体能力【脱力スキル
YouTube
トレーニングラウンジ|”上手くなる能力”を向上
Instagramhttps://www.instagram.com/tak.nakano/
Twitterhttps://twitter.com/nakanobodysync

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1980年生
たくさんのプロアスリートたちに身体操作を教えています
戦術動作コーチ/フィジカルコーチ/スポーツトレーナー/理学療法士
JARTA 代表
プロアスリートを中心に多種目のトレーニング指導を担う
イタリアAPFトレーナー協会講師
ブラインドサッカー日本代表戦術動作コーチ|2022-
ブラインドサッカー日本代表フィジカルコーチ|2017-2021
株式会社JARTA international 代表取締役

JARTA
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