無題
私はもうこの世に人間ではありません。
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そちらの世界で幸せになってほしい。
どんなに自分の気持ちを綺麗な言葉で飾ろうとしても消せない本音。
「こっちへ来てほしい。」
本音でも建て前でもどちらでも抱える不安。
「叶ってしまったらどうしよう。」
許せないという気持ちを最初から何も恨んではないよとなだめる声。
幽霊になったら理性は無くしてひたすら恨んだり、憎んだり、人を引きずり込んでしまうと何かの本で読みました。
私の心はまだ生きているのでしょう。今、会う事が出来たならあの頃のまま話をする事が出来る。
時がたてば、人としての意識も失い、恨みや呪いといった単純な思念だけになっていくのでしょうか。その時会えたとしても、もう言葉を交わすことはできない。
そうなる前にもう一度だけあって
ありがとうと馬鹿野郎と伝えたい。
それが今のささやかな願い。
その後に押し隠している願いは決してかなう事もなく、だれにも告げる事もないでしょう。それは自分自身にも。
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