ラグビーW杯ファイナル
ラグビーは実際にやったこともないし、2019年の日本開催W杯でにわかファンになった程度。でも今回はラグビーがナショナルスポーツだといっているNZにいるので、いつもよりも関心を持っていた気がする。
時差の関係でほとんどの試合はこっちの早朝8時くらいにキックオフとなっている。
前回の決勝トーナメント初戦から近くのパブでも朝早くからお客さんを入れ始めたので、ちょっと見てみた。パブの中はほとんどおじさんおばさん年代だ。世界の反対側のフランスで自分たちの国の代表が戦っているのを応援している姿はきっと万国共通なのだろう。これは良いなぁと思って決勝戦もここでみることにした。
さて、決勝戦ともなると家族連れや観光客らしき人たちも店内にいた。もちろん自分もそう写っていただろう。店内に入ると、
「1人?じゃぁ相席でお願いね。朝ごはん食べる?35ドル(3000円くらい)だけど」
「いや、コーヒーだけでいいです」
他人同士のおじさん2人と相席になった。ラグビーの話をしたり、昔フランスや南アフリカにいったことなんかを話していた。
試合が始まるとみんな真剣にテレビ画面を見つめる。朝から空のビールのグラスがたくさん並んでいるテーブルでは机をバンバン叩きながら「うそだろー!」「よっしゃー!」など大盛り上がり。
さすが玄人の人たちが見ているからか、相手チームの南アフリカが好プレーをすると拍手が起こったり、ナイスプレー!と賞賛する声が上がる。自分のチームを応援するというよりも、純粋にラグビー観戦を楽しんでいる感じがするのは紳士的だ。
しかし、だんだんと不利な空気になってくると暴言が飛び出してもくる。それを制する声もある。その中で黙々と35ドルの朝ごはん(サンドイッチとベーコン。あまり美味しそうではない)を食べているおじさんたち。子供達はきゃっきゃと携帯で遊んでいたり、話している。
全く秩序なく、それぞれが思いのまま過ごしている。
試合が終盤に近づいてくると、それが徐々に統一されていく。相手チームの選手にイエローカードが出て、もしや!いけるかもしれない!となると応援する声が一層大きくなる。さっきまで暴言を吐いていた人よりも、それを制していた年配のご老人の方が「カモン!オールブラックス!」と大きな声をあげている。
最後のスクラム。緊張感が高まる中、あっけなく試合終了のホイッスルがなる。サッカーと違ってなんかロスタイムがないんだぁと思ったが、店内はとても良い空気だった。残念な顔をしながら、大きな拍手が上がった。
「よく頑張った!」「それでも2位だからな!南アフリカが良いチームだった!」「俺はビールを飲むぞ!」
ラーメン屋さんにくるお客さんでも、ラグビーやってたのかなぁというマッチョでタトゥーだらけ人たちがくるが、皆信じられないほど紳士的で驚かされる。お酒を飲んでも、マナーが悪かったり暴力的になると仲間が悪ノリするのではなく、逆に制する人たちが現れる(もちろんそうじゃない人たちもいるが)。
しかし、ラグビーはみんな酒飲むな笑
サッカーマンもいいけど、ラガーマンって良い。