夕立と金木犀
どうもこんにちは。
少し時間ができたので今回は石垣島ではなく沖縄島北部の事をば。
凄まじい強さの台風のお陰で沖縄はしっちゃかめっちゃかですが皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
九月ももう半ば。今年も残すところ3ヶ月ですねぇ。
沖縄は夕立…というよりかは割と年中降るので「スコール」と言った方が意味合い的には近いかもしれませんね。
さてさて。
本日のサムネイルは沖縄島固有種(今の所)のササキハシリグモ Dolomedes zatsun。
白いのは卵嚢です。蜘蛛の仲間…特にハシリグモ、コモリグモは卵嚢を孵化するまで母親が持ち歩くので有名ですね。
かのおフランスの詩人、ファーブル大先生もコモリグモのことについて昆虫記で記されております。
横から見た写真です。
洗練されたスマートな肢体、加えて頭胸部や脚にまぶされた白い粉。
一流のパティシエでも、ここまで綺麗に、アーティスティックに粉砂糖をまぶす事は叶わないでしょう(笑)
オナガエビネ Calanthe masuca
です。
ちょうどこの時期くらいから咲き始める蘭の仲間。
薄い紅紫の花弁が山の中では一際目を惹く存在…個人的にはこの時期のやんばるの象徴だと思っております。
夜間も良いですが昼間のこの花もたまらんですよ〜。
ヒメハブ Ovophis okinavensis
足元にゃお気をつけください。
私のいつも行ってる所は年柄年中、ヒメハブが通り道にいますね…。
この個体は私の存在に気付き若干、首を上げてます。
ホルストガエル Babina holsti と オキナワシリケンイモリ Cynops ensicaudaです。
こうして両生類の異種同士が同じ画角にいるのを割と頻繁に撮影できるのはやんばるならではですかねぇ。
いやまぁ、頑張れば本州でもそれなりに撮れるのかしら。
ホルストガエルは沖縄県指定天然記念物、国内希少野生動植物種に指定されてます。
実は渡嘉敷島にもホルストガエルがいるって、あんまり知られてなかったり…私も沖縄来るまで存じ上げませんでした。
オキナワイシカワガエル Odorana ishikawae
こちらも沖縄県指定天然記念物、国内希少野生動植物種ですね。
オキナワイシカワガエルは加えてやんばる固有種です。
親戚にアマミイシカワガエルがいますがそれとは別種ですね〜。
成体は個体によって、褐色の模様に金箔みたいなのが入ってたり入ってなかったり…あれは普通に個体差なんですかねー?
この場所では、大きな個体はあまり見かけません。
ヒメハブ Ovophis okinavensis
そういえばタイトルに書いた金木犀なのですが、沖縄には生えてるのを見た事がありません。
各マガジンのタイトルは和色や楽譜の発送記号なんかを使ってますが、やんばるのマガジンは夢や思い入れの強い情景の中から二つだけ取って使ってます。
ので、あまりやんばるに関係ないタイトルが多いかも。
リュウジンオオムカデ Scolopendra alcyona
水面にストロボが反射してしまいました、、、
先日Twitterでも呟きましたがここ2年で本当に沢山見かけるようになりました。
緊急指定種になる前の年くらいから、ここの場所では本当に75%くらいの確率で見かけてますね。
私が大学入りたてくらいの時は幻の〜とか言われてたしTLでも全然見かけなかったんですがね〜。
渓流棲のこのオオムカデ。未だ殆ど何もわかっていないですが、ハブに続いて間違いなく琉球列島を代表する生き物となるでしょう。
先日サイエンスZEROで取り上げられた時に友人が撮影協力してましたし、竜洋昆虫園さんもこのムカデに対して精を出してます。
うーん、やっぱり美しい大百足だねぇ…と感動してた矢先、脇の石を見ると…
オオハシリグモ Dolomedes orion が
リュウジンオオムカデ Scolopendra alcyona
を捕食してるではありませんか!
まぁ、ムカデの方はまだ幼体だったのですが…すごいですねぇ。
リュウジンオオムカデのご飯中は何度か見かけてますがその全てがサワガニの仲間を捕食していました。
同じような環境にはナミエガエル Limnonectes namiyeiや写真のオオハシリグモなんかもいるのでそういった生き物も食べてると思うんですがね…なかなか見つからず。
食物連鎖というのは時として被食捕食の関係が成長段階各々で逆になったりするのを見るのも野外での観察の楽しみですね。
リュウジンオオムカデに関してはまた書きますね〜!
って、このセリフ前も見たような…
うぅ…書きます…書きますとも…。
それでは皆様、ごきげんよう。
撮影機材
Carl Zeiss Milvus100mm f2
Laowa Zero-D 12mm f2.8
Nikon D810