Nyx ニュクス
ゼウスも恐れたという夜の女神。数々の忌まわしいとされる神々を生み出した女神様ですね。
「死」そのものと捉えられることも多いようです。
やんばるや奄美、渡嘉敷や久米島、石垣西表、長野やタイ王国の森の中、深夜にライトを消してしばらくじっとする事がしばしばあります。
当たり前ではあるんですが新月だと本当に何も見えなくなります。
様々な場所で様々な夜を体感してきましたが、実に良いもんですよ。
山頂や近くに町がある場所だと街の光や星の光で結構明るいんですが、上空を木々で囲まれたとこなんかですと視神経や錐体細胞なんかが機能できないレベルの暗さですので自分と自分じゃない所の境界を肌がかなり鋭敏に捉え始めます。
次に嗅覚と聴覚が冴え、土、水や草の匂いの差がわかるようになり、空気の層や流れを感じる事ができ、葉が落ちると心臓が縮み上がるレベルまで感覚が研ぎ澄まされます。
これはあくまでも個人的な話になるのですが
視覚がほとんど機能しないと、他の感覚が鋭敏になるのと同時に失ったその視覚を脳みそが補おうとします。
その時にどうやら聴覚に副作用みたいな感じで影響を与えるっぽくて様々な幻聴が聞こえます
別にはっきり何かを言ってるとかそういうんじゃないのですが、一番多いのはスタジアムの歓声のように沢山の何かが叫びまくってる、そんな感じの音が聞こえる時があります。
この辺で自意識を戻してライトをつけ、再び撮影に戻ります。
そうすると、余波というか非常に良い形で集中できます。
いわゆる過集中とかランナーズハイみたいな感じでしょうなぁ。
100で出しちゃうと多分山から帰れなくなってそのまま死ぬのが本能的にわかるので、出しても八割ほど。
とかく、帰った後の大変な疲労や思考錯乱等の弊害を除けばこの感覚は割と重宝してます。
普段より野生動物の発見及び撮影がサクサク進みます。
尚且つ、感覚が研ぎ澄まされた段階から色々なインスピレーションを沢山頂けます。
後の人物撮影なんかにぶつけたりもできますしね。
自分という命にまず向き合わねば、他の命を画に収めるなんて出来やしませんから。
当然自身は生きてるわけですので「死」そのものについて考えることはできても完全に全てを理解なんてできません。
でも夜を通じて、生を相手にし、死が目前まで来てくれる。
私にとって、沢山のヒントをくれるのは夜。女神様、ニュクスが微笑んでくれてるかは定かではありませんが・・・笑
自然は本当に沢山のことを教えてくれますから💫
それではごきげんよう。
良い夢を。
*4〜6枚目は前回ご紹介したホソユビヤモリの仲間。この日は3匹ほど見かけました。前回とは別の種類です。名前は今捜索中です・・・。
お楽しみいただけましたら幸いです^^