軟風(なよかぜ)
てんきごじてんに依りますと「なよやかに、やわらかく吹く風。『なんぷう』とも読む。気象上の『風力階級』3、風速3.4~5.4メートルの風。転じて軟弱な気風のことも言う。なよら風。」
だそうです。
野外フィールドと(写真に限らず漁やスポーツ等々外で行うありとあらゆるもの)言えば「風」がつきものだと思います。意識してないだけで、皆様の生活の節々にとってもかなり身近なものですね。
どうしてこの記事にこのタイトルを名付けたかと言うと、サムネイルを飾ってくれたこの蜘蛛・・・
この蜘蛛の巣を見るのは人生で三度目ですが、そのどれもがちょうどタイトルくらいの弱い風が漂う湿気た静かな夜だったんですよねー。
初めては徳之島の木々に覆われた狭い舗装道、2回目は吐噶喇列島宝島の畑と畑の間の道、そして3回目は久米島の森の奥深くで。
この時は少し高い場所に巣を張っていたので若干構図に無理がある窮屈な印象を持つ写真になってしまいましたが、この種の蜘蛛はそういった微妙な風の隙間道に巣を張りますので、結果としてはこの蜘蛛の奇怪さを引き出す構図になり、良い方向に働いてくれたことかと思います。
それなりに珍しい種類だそうです。その生態は暗闇の中・・・まだまだ研究する余地はある種類だそうです。
ん〜〜〜〜ちゃんと抜け殻やらマクロ写真やら撮っておくべきでした。
オオシマゼミかなぁ・・・。
以前の記事でお話ししていた「昭和歌謡を聞いた時の『懐かしい』」と言う感覚の話に戻ります(お知りになりたい方は下の記事をご覧ください)が、蝉もまさしく色んな人の記憶と現在とを、丈夫なパイプが如く繋いでいることかと思います。
※この記事の最後の方でチラッと音と回顧の話を書いております。
私で言えば、BUMP OF CHICKEN の曲を聴いて、学校の放送室の薄汚れた煉瓦色の絨毯を足裏に思い出す、そんな感覚です。
いつか皆様にお会いできたら、蝉時雨の思い出をぜひお聞かせください🥂
変な模様の根っこだな、と思ったら模様ではなくて生き物だった驚き・・・。この個体は何がしたかったのやら(笑)
行きにツシマトリノフンダマシを見た場所まで戻ってきました。
巣は畳まれ、蜘蛛は姿を風に隠してしまいました。さっきまで吹いていたなよら風は止み、もう人間は帰る時間だと、山がごうごうと唸っておりましたので帰路につきました。
次回はあの蛇!お楽しみいただけましたら幸いです。
それでは、ごきげんよう。皆様が明日も素晴らしい1日を過ごせますように。