【露芝に撫子】古き世の”面影” 植物図案 復刻編
【 露芝に撫子 】
#050
戦後復興期
作者不詳
162×218㎜
個人蔵 日本
紙
図案・肉筆・原画・日本画
植物図案の特徴と歴史
【 露芝 】無常・永遠を象徴
ゆるく弧を描いた芝草に小さな露の玉(水玉)を散らした文様で、露が降りた様子を表現したものです。
安土桃山時代から江戸時代に文様化され、涼しげな感じを受けるので、現在でも夏の着物などによくみられます。また、秋が深まると気温の差によって朝の草木に露が降りるため、秋草(尾花・桔梗・女郎花・藤袴・葛・萩・菊)と一緒に描かれる文様でもあります。
また、能装束にも使われている伝統的な文様で、朝の日差しによって消える露の「儚さ」から、仏教の根本的な思想である三法印の一つ「諸行無常」を感じさせる文様でもあります。一方で「菊の露」「蓮の露」といった不老長寿、極楽往生の例えにも使われることもあり、現世においては、限りなく儚いものを表し、幽世・隠世では反転して「永遠」の象徴でもあるという意味合いの両面性をもっています。
【 撫子 】健やかな成長を象徴
可憐で清楚なナデシコは、撫でたくなるほど大事に育てられた子 ”撫でし子” と語意が通じて、日本在来のナデシコを大和撫子と言い、平安時代から子供や女性に例えられ、愛されてきました。
「無邪気」「純愛」の意味を持ち、ナデシコの花のように、幼子が健やかで美しく成長し、末永く皆から愛される存在になることを願う想いが込められた植物文様です。
ダブルマット枠【かさねの色目】
マット枠の色の組み合わせによってアートプリントの表情が変化します。色の組み合わせの一参考にしてください。
【参考】使用材料
・色画用紙くすみカラー10色 B4(253x352㎜)協和紙工㈱(セリア・ダイソー)
・環境にやさしい色画用紙 B4 白色10枚(ダイソー)
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JAPONISMeDesignWorks(ジャポニスムデザインワークス)の優碧莞(Aoi)です。
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