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カマラ・ハリスはなぜ負けたのか考察する

2024年の米国大統領選挙でカマラ・ハリス副大統領が敗北した理由には、複数の要因が絡み合っている。ガラスの天井とか、女性差別とか、黒人差別とかいうのは認識が間違っている。なぜ同性からも、非白人からも、民主党支持者からも離反者が出てしまったのか、大まかに分けると5つの要素がある。
今一度振り返ってみよう。

1政権運営の課題

ハリス氏は、バイデン政権の副大統領として4年近く務めたが、その間の政権運営に対する有権者の不満が選挙結果に反映された。
特に以下の点が問題視された。

  • 経済政策: インフレや生活費の上昇に対する対応が不十分だと批判された。

  • 移民政策: メキシコ国境での不法移民の増加に対して効果的な対策を打ち出せなかった。

  • 外交政策: アフガニスタンからの撤退の混乱、ウクライナ戦争、イスラエルガザ問題など、国際的な信頼を損なう場面が多々あった。

これらの問題に対して、ハリス氏は明確な解決策を示すことができず、有権者の期待に応えられなかった。

2個人的な資質と経験

ハリス氏の個人的な資質や経験に関しても、以下のような課題があった。

  • リーダーシップの不足: 国家指導者としての経験や実績が乏しいと見なされた。

  • メッセージの不明確さ: 自身の政策ビジョンを明確に伝えることができなかった。

  • 準備不足: 全国規模の選挙戦に十分な準備ができていなかったという指摘があった。

これらの要因により、ハリス氏は有権者に大統領としての資質を十分に示すことができなかった。

3支持基盤の弱体化

ハリス氏は、従来の民主党支持層からの支持を十分に得られなかった。

  • 伝統的な民主党支持者: 過去の著名な民主党大統領と比較して、ハリス氏の存在感が薄いと感じられた。

  • 女性票: 女性有権者からの支持が期待されたほど得られなかった。

  • マイノリティ票: 黒人やラティーノの支持率が、前回のバイデン氏よりも大きく低下した。

  • 特にヒスパニックからの支持が激減した。

これらの支持基盤の弱体化により、民主党の従来の強みを失わせた。

4トランプ陣営の戦略

一方、トランプ陣営は以下のような効果的な戦略を展開した。

  • 経済政策の強調: トランプ政権時代の経済実績を前面に押し出した。

  • 治安と移民問題の焦点化: 国境管理の強化を訴え、支持を集めた。

  • ハリス氏への個人攻撃: ハリス氏の経験不足や政策の不明確さを集中的に批判した。

  • 4年間の実績:ハリス副大統領の4年間の実績の少なさを批判した。

5メディアと世論

選挙戦を通じて、メディアや世論の動向も結果に影響を与えた。

  • メディアの報道: ハリス氏を贔屓にするメディアが多い中で、SNS戦略ではトランプ陣営により弱点や失言が注目され、否定的な印象が広がった。

  • 旧来のメディアによる支援の限界が露呈し、ネットメディアの影響力の大きさが示された。

  • 米国のメディアを支配する富裕層(ニューヨークやカリフォルニア)ではない、多くの国民が国家の大多数を占めていることが改めて浮き彫りになり、大きな格差が露呈された。

考察

カマラ・ハリスが大統領選挙で敗北した理由は、端的に言って、(1)彼女が無能で、(2)国民のニーズを理解していないと多くの人々に認識されたからであった。
しかし正直言えばハリスの人気は低いが、対抗馬のトランプも決して人気が高いとは言えない
カレー味のうんこか、うんこ味のカレー、どちらかを選べと言われているようなものであった。
それでもハリスが敗北したのは、

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