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伝統工芸、スポーツ、音楽とSDGs

仙台で「東北ESD/SDGsフォーラム2022~スポーツ・音楽・伝統工芸からSDGsを紐とく〜」というフォーラムで話題提供者という立場で参加してきました。

SDGsというと主に環境分野で語られることが多いのですが、スポーツ・音楽・伝統工芸も関わっているんですよという切り口で、私は漆を中心とした伝統工芸の立場でお話をしました。
私の席の目の前にわんこきょうだい椀と正法寺椀(岩手水沢にある曹洞宗正法寺の伝統ある応量器)を置いて岩手の漆器をアピールしてきました。仙台だからわんこきょうだいは知られてるだろうと思ったのですが、このキャラクター何ですかと聞いてくる方が多くてびっくり。そんなものかもしれません。
 
もともと伝統工芸は手仕事から生まれたものが多いので、身近な地域資源を活用して大量の廃棄物もあまり出ず、SDGs的であります。しかしながらSDGsの17の目標には文化や芸術を守ろうみたいな項目はありません。あってもよいのではという議論はされたようですが、ビジュアル的に分かりやすく17の区分にしただけであって、SDGs的な考え方は幅広く捉ええて、芸術文化も含まれているのだろうと考えています。
 
文化芸術というのは人間が生きる上で優先順位としては下になるのではと思われがちですが、実はそうではなくて、人間が生きる上での「よすが」になっていると思います。
漆は縄文時代早期の時代から使われていますが、生きるのも大変な時代にわざわざ漆を取ってきて着色してアクセサリーにしたりしているわけです。戦時中でもアウシュビッツのような過酷な強制収容所の中で音楽を奏でたり作曲する人もいたそうで、そういう文化芸術を求めるのは人間の本能に近いのではと考えます。

スポーツ分野からはベガルタ仙台の佐々木社長、音楽分野からは仙台フィルハーモニー管弦楽団のヴァイオリン奏者の長谷川さんが参加され、それぞれのお立場でSDGsとの関わりをお話されました。先日サッカーワールドカップ日本代表の田中選手が南部鉄器を愛用していることがニュースになったりしましたし、漆を楽器に塗ることは昔から行われていましたので、そういったお話で盛り上がりました。

当社製の漆塗りSDGsバッジも好評いただきました!一緒に登壇した岩手県立大学の渋谷先生もバッジを付けていらっしゃって、おそろいで紹介できてよかったです。

漆塗りSDGsバッジ
https://japanjoboji.thebase.in/items/36235477

国産漆を育て後世に継承するための活動を行っています。ご支援をよろしくお願い致します。