テンミリオンハウス花時計

謎のある日常はいいですね。
とても質の高い15分/10年になりました。

 「名は体を表す」とはよく言うが,体,すなわち実体と名前が単純には結びつかないものも数多くある。

 テンミリオンハウス花時計は,おそらく老人向けのコミュニティ形成施設か何かなのだろう。
幼少期,わたあめの文字に釣られて友達と入ったその施設には,老人ばかりが集っていた覚えがある。
それから最近,夜散歩をしていて偶然その前を通ったのだが,白い一軒家程度の大きさの建物に「花時計」とカラフルに文字が貼ってあって,不気味というか,ホラーの才能があるというか,まあなんとも言い難い見た目をしていた。

 小学校までの通学路に,この施設の位置を示す「花時計→」という看板があったので,当時からこのテンミリオンハウス花時計という変わった名前を不思議に思っていた。

花時計はともかく,テンミリオンハウスってなんやねん。

 そして初めてそれを認識してから10年以上経った今日,ようやくそのネーミングにそれなりの確信を持った解釈を与えることが出来た。
ネタとして結構面白い話だと勝手に思っているので勝手に公開させてもらう。

前提

①テンミリオンハウス花時計は老人が集まる場所であると思われる

②近くの少し大きめの道には「花時計→」というような30cm✖️15cm程度の標識が設置されている(これから①を推測した)

③テンミリオンハウス花時計は少し大きめの一軒家ほどの大きさである

④当施設には「花時計」とカラフルに文字が貼ってある

必要な情報はこのくらいなはずなので,暇な奴は考えてみると楽しいと思う。

(ⅰ)

「テンミリオンハウス」の語は「花時計」に対する形容的な意味を持つと推測している。
つまり

テンミリオンハウスとしての花時計
(テンミリオンハウス)花時計
テンミリオンハウスである花時計
〜テンミリオンハウス〜「花時計!」
…☆

みたいなイメージを持って考えを進める。
②,④より,明らかに花時計がその施設の本質的な名前であるから,テンミリオンハウスはサブタイトルくらいの認識でいいだろう。

(ⅱ)

ⅰからも明らかだが,今回の主役は「テンミリオンハウス」だ。とりあえず常識的な前提に立って考えてみる。
分け方は以下の4通りでいいかな。

1テン/ミリオンハウス
2テンミリオン/ハウス
3テンミリオンハウス
4テン/ミリオン/ハウス

(ディズニーランドバトルがディズニー/ランドバトルなのかディズニーランド/バトルなのかディズニー/ランド/バトルなのか考えるイメージ)

(ⅲ)
まずは1。テンはおそらくten,即ち10。これは1〜4共通でいいかな。それ以外に「テン」と表記しうる何かは直ぐには思いつかない。
ミリオンハウスは,,,一旦置いておこう。
テン/ミリオンハウスは明らかにミリオンハウスが10個(tenthではないから10番目のではないはず)のような意味にしかなりようがない。

ここで初期状態に立ち戻る

テンミリオンハウス花時計

10のミリオンハウスである花時計

正直この時点で,④(一軒家) に反していると言っていいのではないだろうか。
僕が知る限りでは花時計という施設は一つしかない。
「テンミリオンハウス」なるものが複数あることは考えられるが,というかその可能性はそれなりに高い気がするが,花時計がちょうど10軒存在し,その事実を名前に反映していると考えるのはナンセンスだろう。
もちろん可能性は残るが,この線は切らざるを得ない。

(ⅳ)
続いて3.4も切れそうなので先に考える。
3の
「テンミリオンハウス単体で何かを表している」
という考え方だが,こんな英単語は聞いたことがない上に,この見た目でテンミリオンがten million 以外の内容だったらお手上げである。
よって3は切っていい。

そして4。テン/ミリオン/ハウス

先ほどのディズニーランドバトルの例でいくと,ディズニー/ランド/バトル
という解釈に対応する。
(つまりディズニーでのランドのバトル(例えばランドが散歩だったらこれは成り立つ)
ディズニー散歩バトルは明確にディズニー/散歩/バトルとなる)

しかしテンもミリオンも明らかに数詞なので,これも当然切らざるを得ない。ないだろ。テンでミリオンのハウスは。

(ⅴ)
前置きが長くなったがここからが本命
2.ten million/house であるとしての解釈だ。

初めに着目すべきは,housesではなくhouseであること。
ten millionはそのまま数詞としてhouseにかかるのではなく,ten millionなhouseとか,ten millionでhouseとか,とにかくこの2つは独立した表現であること。

ハウスはおそらく,家という言葉を広く捉えるくらいしか解釈しようがないので,ten millionの解釈を詰めるしかない。

このテンミリオンハウスという表現には,テンミリオンが掛かる先が省略されていることが明らかになっている。それでは,何が省略されているか。
ten million,つまり1000万。うぬ。
1000万なんて数字が出るのは金関係や「東京都」レベルの単位での人口,それからオンラインゲームのダメージ計算くらいだ。

テンミリオンが1000万人周辺の意味を表すとして考えてみると

テンミリオンハウスは
1000万人の家
1000万人で家
1000万人に家

くらいの意味になる。これら全てに☆の4つを付け加えるとヒットしそうなのは

1000万人に家 としての花時計
〜1000万人の家 〜花時計

辺りであるが、どちらもこれが老人ホーム紛いの何かであるという事実に反する。そもそも一軒家を立てて1000万人の〜はないだろ。

(ⅵ)

ということで最後に,1000万が金額を表すパターンである。

これこそがこの考察の大本命。
テンミリオンハウスが
1000万円で家
1000万円の家
周辺の意味であることを考えていく。

1000万円の家,つまり家自体の値段として1000万を考えると,まあ論外である。

さて詰まった。1000万円が何を表しているのか。
そもそも金/金額というのは与えるor受け取るの二択である。それか規模,例えば時価総額いくら〜みたいアレ。今回はなさそうだけど。
(実はこれを考えてたときにひらめきを得た)

与える金額が1000万円である家(施設) 花時計

うーん,却下。

受け取る金額が1000万円である家(施設) 花時計

お,いよいよあり得そうな択が見えてきた。
あとは誰から/何処から受け取るかである

特定の個人
不特定多数の個人
特定の団体
不特定多数の団体
の4パターンでいいはず。
これを整理すると,

入居に必要なのが1000万円である施設
ある団体から1000万円もらっている施設
計1000万円の寄付により成り立った施設

の3パターンの分類になる。1つ目だが,この施設が近くの道に看板みたいなやつを掲げていることからある程度開かれた施設であることが予想されるため、(③)特定の個人のみが高額な金を払って利用している可能性は薄い。

ということで残るは2つ。時制は完了形か進行形だろう。
A
特定の団体から1000万円もらった/ている施設
又は
B
計1000万円の寄付により成り立った/ている施設

こんな生々しい内容を名前にくっつけるものかという不安もあるが,しかしこのどちらかのはずなのだ。さて,どちらだろうか。

ここで考えるべきは,
あの施設がどのように形成されたか
である。

Bが正しければ,寄付を募り発足して,その後有志が運営しているというような状況ということになるが,あの施設は少なくとも10年間存在し続けている。(アップデートは行われていない気がするが)1000万円で全てが事足りるはずはないので,何か大きな金の力が及んでいるはずなのだ。しかしどちらにせよ「寄付金額を名前に取り入れました」というのはストーリーとして筋が通っている気がする。

Aならば,例えば年間1000万円で運営しているとか,まああり得そうな話ではある。あの施設で年間1000万円、、人権費を考えると,あの施設に2人常駐+維持費分が限界だろう。
しかしそれでも,あり得る話ではある。

そもそもあの施設は誰がどんな目的で作って,何をしている場所なのだろう。
おそらくこの場合,名は体を表しているに違いない。というかテンミリオンハウスは体以外表してないだろう。

久しぶりにテンミリオンハウスの文字列を見て意味を考えてたら,ふと これは寄付金額か運営費用なのではないかと思い立ちました。
答えは調べるとわかります。ここまで読んだなら調べてもいいと思います。
僕はここで諦めて(というか興奮に身を任せて)調べてしまいました。鍛錬が足りませんね。
この文章は記録みたいなものです。





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