「ニューノーマル時代における、新しい医療の形について」イベントレポート
2月8日21時に株式会社SHIFT 代表取締役社長 丹下大氏をお招きし、WEIN挑戦者FUND代表 溝口勇児、ジャパンハート最高顧問 吉岡秀人の3名で「ニューノーマル時代における、新しい医療の形について」をテーマにセッションを行いました。
ーニューノーマル時代の医療について
まず、吉岡はコロナ禍におけるニューノーマル時代の医療について、現在の医療は医療者が進歩させているフェーズではなく、医療者以外のテクノロジーを開発する企業が進歩させていると言及した。テクノロジーは距離や国境等を縮めていくものである一方で、法制度の整備に関する日本側の対応の遅さを指摘した。
ー丹下氏がジャパンハートへの寄付をし続ける理由
溝口は、長年ジャパンハートを支援し続ける丹下氏に対して、何が一貫してジャパンハートを支える理由となっているのかと質問した。SHIFTが大きくなる前から継続して寄付をしてくださっており、2020年には法人・個人合わせて最高額の一億円の寄付を頂いているという。
丹下氏は、吉岡の「子供の死に対して向かっている姿勢」に感動したことが寄付の原動力であると述べた。また、医療者として助けたいけれども、助けられない、いずれ亡くなってしまう可能性の高い小児がんの子どもがいた。子どもが亡くなった後、残された母親に暖かい記憶を残してあげたい。医療を超えて、母親に温もりの記憶を提供し、子どもが亡くなるという辛い経験を超えて、心に残る子どもとの永遠の時間の記憶をつくっていくという話が衝撃的だったという。
溝口は、カンボジア・ミャンマーに行った際に、ホテルではなく空港の椅子で吉岡が寝ていたことに驚いたという。これに関して吉岡は、寄付金をホテル代ではなくて子供たちのために使いたいという想いからくる行動であったこと。また、自身の哲学について、人生だから良いことも悪いこともたくさん起こるが、それとどう向き合うのか。その過程が自分の人生であり、打てなかろうが全力でバットを振りにいき、どんなに簡単なものであっても本気で挑むという覚悟を語った。
そして、幸せになるということは、何歳になっても死ぬまで世の中から必要とされ、期待され、大切にされることだと述べられた。
ージャパンハートという団体
また、ジャパンハートで心がけていることについて、活動の中身を筒抜けにして透明性を高めるために、会員になればジャパンハートの取り組みをいつでも閲覧できる仕組みを作ることであると述べた。その背景として、海外のNGOは多く存在するものの、本当にその情報通りの活動をしているのかがわからないという問題があることを指摘された。
そして、寄付者にはどのような治療がされているのかを見る権利があるため、活動を閲覧できることは大切であり、見ることは寄付の流れに広がると述べられた。
ー1,000円で人の命を救えるアプリを作る
丹下氏は、マラリアや貧困で世界で苦しむ人たちの姿をいい意味でキュレーションメディアの形で世界に発信し、まずは現状を知ってもらう。その中で、1円でも、10円でも、1,000円でも救える命があるというECに繋げることで、シームレスに世の中が縮まるのではないかという。吉岡は、お金がないと現場で医療者が棒立ちになってしまうのがいまの現状であるといい、もっとお金があればもっと命を救うことができると述べた。
▽ 丹下氏の想いが書かれたnote
最後に、今後はどのようなことを考えて生きていけば良いのかという問いについて、100年の人生が良くなるために何をすればいいのかを考えて行動することが大切であり、どういう自分になりたいのか、そのイメージを持った上でゴールに向かってその時にベストなことをやっていくべきだと吉岡は語った。
限られた時間の中ではありましたが、ご登壇されたみなさまの熱い想いで溢れた最高に濃いセッションとなり、250名を超える参加者の心を打つ非常に貴重な時間でした!
執筆:角井