見出し画像

マーケティングの本質は“煩悩”にあり!顧客心理を掘り下げた商品づくり

マーケティングの本質とは何でしょうか。それは、マーケティングとは、顕在的な顧客の不と、潜在的な顧客の煩悩を洞察し、それらを満たす手段を顧客の理性に寄り添いながら、そっと目の前に差し出してあげることにあります。ここでは、具体例を交えながらマーケティングの可能性について掘り下げていきます。

1. 手で切れる気泡緩衝材「スパスパ」

梱包作業に使われる気泡緩衝材、通称「プチプチ」は、これまで円形の気泡が並んだ構造が主流でした。しかし、このデザインでは直線的に切る際、ハサミやカッターが必要で手間がかかるという課題がありました。そこで川上産業株式会社が開発したのが、気泡を四角に配置した「スパスパ」です。これにより、手で簡単にまっすぐ切ることが可能になりました。「手で切れたらラクだよな~」という、普段は意識されにくい顧客の潜在的な煩悩を満たしたこの商品は、作業効率を向上させるだけでなく、使う人の小さなストレスも解消しました。

2. 箸置き不要の「ウキハシ」

日々の食事に使う箸。箸置きを使う習慣がある家庭では、箸を清潔に保つために毎回箸置きを用意する必要があります。しかし、「箸置きをいちいち用意するのが面倒」「テーブルをもっとシンプルにしたい」という声は表立って聞こえないものの、多くの人が抱える煩悩です。この煩悩に応えたのが、「ウキハシ」という商品です。この箸はテーブルに置いたときに先端が浮くように設計されており、箸置きが不要になります。衛生面でも安心でありながら、日常の小さなストレスを解消し、食卓をよりシンプルで快適なものに変えました。

3. ウラ、オモテがない服「ネオスティーズ∞」

洗濯をする際、服をひっくり返す手間に煩わしさを感じたことはありませんか?「洗濯物をラクにしたい」という潜在的な煩悩を解消するために登場したのが、ウラとオモテがない服「ネオスティーズ∞」です。この服は、どちらの面を表にしても違和感がないデザインになっており、洗濯時に服を裏返す必要がありません。時間と手間を大幅に省くことで、家事におけるストレスを軽減しました。

まとめ

上記の事例に共通するのは、顧客が日常生活で感じる小さな“煩悩”を洞察し、商品やサービスを通じてそれを満たしている点です。人々が求める価値は、時に声高に叫ばれるものではなく、潜在的な欲望や不便さの中に隠れています。それを丁寧に掘り起こし、適切なタイミングで目の前に提示することで、顧客の心に響くマーケティングが可能になります。マーケティングとは、単なる販売手法ではなく、顧客の生活に寄り添い、その欲望や不便を解消する“伴走者”であることを改めて実感させられるのではないでしょうか。

いいなと思ったら応援しよう!