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『このペンを売ってみろ』、顧客の欲望を引き出すマーケティングの本質とは?

映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」で、レオナルド・ディカプリオが演じるジョーダン・ベルフォートが言い放った一言。「このペンを売ってみろ」という問いは、多くの人に、マーケティングの本質を問いかけます。この問題に対して、多くの人が「このペンはこんな特徴があります…」と、商品の説明を始めるのではないでしょうか?しかし、劇中のブラッドという人物は、この問いに対して完全に別の方向で回答しました。

「このナプキンに名前を書け」

「ペンがない」

「これはペンだ、需要と供給だ」

これだけで、顧客の「不足」を生み出し、その不を解決する手段としてペン指し出したわけです。実際、顧客の不や欲望は自存する感情ではありません。目の前にトリガーとなるものがあらわれてはじめて、発動する感情なのです。たとえば、就活が近づけば、人はスーツのことを考え始め、バレンタインデーが近づけば、自然とチョコレートに興味を持つように。

顧客の不や欲望をいかに顕在化させるか、あるいは、どのような外発的要因でそれらが発動するかを見極めて、顧客の不や欲望を満たす手段を「そっと」目の前に指し出してあげること。これこそが、マーケティングの本質的役割だと言って間違いありません。

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