広告の力を再評価:大同特殊鋼のKREVA起用CM戦略
大同特殊鋼は、KREVAさんを起用したCMをYouTubeやTVerを中心に放映しました。このCMのテーマは、企業名と事業内容の認知度を高めることにありました。
大同特殊鋼はBtoB企業であるため、これまで主に取引先向けの製品広告やPR活動を行ってきました。一方で、企業認知度向上を目的としたBtoCの広報やIR活動には積極的に取り組んでいませんでした。その結果、1990年代以降、企業認知度が右肩下がりに低下し、業績好調にも関わらず、投資家からの評価が上がらないことや採用活動時に学生が集まりにくいといった課題が明らかになっていたのです。
こうした状況を打開するため、「大同特殊鋼という社名の認知度を上げる」というミッションを基に、2022年にコーポレートコミュニケーション室が立ち上がりました。この新部署を中心に、広告代理店の博報堂DYと連携し、テレビCMを中心とした広報活動に取り組みました。
投資家や学生といったターゲット層にリーチするため、YouTube、TVer、Instagramなどのデジタルプラットフォームを活用。どのタイミングや頻度でCMに出会うとターゲット層の感情が動かされる(レセプティビティが高まる)のかを分析し、最適なプランを策定。また、約30年ぶりのテレビCM出稿ということもあり、費用対効果への懸念がありましたが、企業認知度向上というKPIを達成するために、最適なメディアを定量的にシミュレーションして選定しました。
こうした取り組みは、1~2年ですぐに効果が現れるものではありません。しかし、「広告って大事だよね」という認識を社内に浸透させつつ、社員を巻き込んで広告効果を最大化する体制を構築しています。今後、大同特殊鋼はさらなる認知度向上とステークホルダーへの影響力強化を目指し、広報活動を継続的に進めていきます。