⚖ 6年+本人訴訟【48】南部潤一郎裁判官 学校回答丸写し回答した東京都対応を肯定
冒頭↑の画像:【訴訟3】第一審で,被告(東京都)が提出した準備書面(1)より
ハラスメント事案で,加害者側が「していない」の回答だけで「合理的」?
【前提】
東京都の受講生(私)が,委託先機関であった学校で,ハラスメントと思われる被害に苦悩し,校内で相談したにもかかわらず,事実確認のヒアリングさえ受けない等,適切な対応がなされず,結果として前期試験で「59点で不合格」とされた。
苦悩し,受講継続を望み,学校と共に,受講生に対し,安全配慮義務及び学習環境整備義務を負っていた,東京都に事案申告し,適切な措置を講じる対応を求めた。
「確認した結果」を「一定の調査をした」と主張
東京都は,東京労働局が介入後に,学校から提出された回答(↑)で,「確認した結果3名とも,パワハラはしていない」とある事実に基づき,「関係者からの聴取を含む一定の調査がなされていたことを示す」と主張している。
「確認した結果」の文言から,「一定の調査がなされていた」との断言は,どうやったら可能なのか。あまりに乱暴で,不合理と思うのは私だけか。
「いかに確認したか」の説明があってはじめて評価が可能ではないか。
事実,当事者であった申立人(私)は,学校側から何らの事実確認を受けていない。被害を訴えている本人に,聴取を行わないで客観的事実を判断することは不可能なはずである。
平成29年7月13日の面談時に,要点を書いたレジュメを読み上げただけで,その後,約束に反して無連絡となり,試験後には無視されていたのである。「股間を叩かれた件」について,【訴訟1】で被告が提出した,「学生より面談希望への対応の件」と題した,面談時の記録に,「うつ伏せ体勢」と記されている事実からも,事実確認を行わなかったことが明確である。
「うつ伏せ」で排せつ介助は,至難の業。まず不可能だからである。
(この点は,【訴訟2】で飯塚圭一裁判官は,「うつ伏せでの排せつ介助」を認めている。参照:本連載【19】↓)
また,「当然のことながら関係者からの聴取を含む一定の調査がなされたことを示す」と主張しているが,どう「当然」なのだろう。
↑の画像にあるように,学校法人としての見解を求めた「パワハラ」についての,回答部分に,被害を訴えた本人の抗弁もなければ,加害者側が「問題がある」と主張する授業中の事象について,クラスメートらによる具体的な証言もない。
一見して,申立人が被害を受けたと認識していた教員たちの言葉の羅列であり,誰がどう見ても,「加害疑惑を持たれた教員からの聴取」である。「関係者からの聴取」とは到底言えない。
学校回答を丸写しにした回答を東京労働局に提出した行為を「合理的」と判示
上記にもかかわらず,第一審裁判所の南部潤一郎裁判官は,以下のように被告(東京都)の主張を認めた。
まだるこしい表現・・・ 端的に表現すると,以下となると思われる。
「学校回答の内容が,申立に沿っている限り,丸写しにして東京労働局に提出するだけで十分」
「申立人や第三者を聴取する等して内容を精査する必要はない」
上の【前提】,つまり学校対応が適切になされなかったために,やむなく東京都に申告した事実が無視されている。まるで「東京都が行うべきは,ただ連絡を右から左,左から右に受け渡すだけ」と認めているも同然である。
安全配慮義務及び学習環境整備義務を負う者として,申立人が,受講を継続し,予定どおり資格取得して再就職を果たすよう,適切な措置を講じる義務が果たされていない。
そもそも,東京都が令和2年に発行した,「職場におけるハラスメント防止ハンドブック」にも,まずは「相談者本人へ事情聴取するなどして,事実関係を正確に確認する」事が重要な原則とされている。また,「第三者への聴取」も重要とある。この点も裁判で主張しているが,無視されたままである。
学校対応として,相談者本人であった私に,聴取を行ったかどうか,確認すらしないまま学校回答を鵜呑みにし,東京都が当局へ回答していた事実もさることながら,南部潤一郎裁判官が,↑のように,一見して加害者側による(相談者についての)子どもじみた「悪口」の羅列を前に,「合理的」と判示している事実に,驚きを超えて,唖然。
(⇒本連載【49】へつづく)
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