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⚖ 6年+本人訴訟【25】~「カネが目的なんでしょ」【訴訟2】の控訴審,和解協議で榎本光宏裁判官は言った(その1)
【訴訟2】の第1回口頭弁論期日に,土田昭彦裁判長により結審された際,同裁判長は,「和解協議の意思はありますか?」と双方に尋ねた。
被控訴人代理人は「はい」と答え,私も,「はい」と返答した。
また,同裁判長は,「原審では和解勧告がなかった?」と尋ねた。
私は,「ありませんでした」と首を振った。
第一審で,飯塚圭一裁判官からは,「和解」の提案は一切ないまま,前述のように,人証も物証も完全に無視した事実認定により棄却されていた。
「この裁判長は,中立公正な審理をしてくれるかも」と,私はその時,微かな期待を抱いた。
第一審で出した物証と人証に基づいて審理されるのであれば,控訴審が結審されたことで不安になる必要はない,と前向きな気持ちになり,数分前に被控訴人の準備書面を受け取るという不意打ちを受け,その直後に「結審」宣言されたコトでの動揺が一気に静まるのを感じた。
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その後,土田昭彦裁判長と糸井淳一裁判官が退廷した。
檀上には,榎本光明裁判官だけが残り,担当書記官もその場を離れ,控訴人席の私,被控訴人席の代理人弁護士,そして,傍聴席には,かの副校長(令和3年度から同校の校長)が残った。
「では,最初に控訴人と私だけで話しますので,被控訴人代理人はあちらで待っていてください」と,榎本光明裁判官が言った。
そこで,私は,808号法廷に,榎本光明裁判官と2人きりとなった。
静まりかえった法廷で,同裁判官は、言った。
「おカネなんでしょ」
私は、自分の耳を疑った。あまりの衝撃に,反応できず,机上に置いた書面の山を見つめたまま,黙りこんだ。
「お金のためだったら,裁判なんかする訳がないですよ。こんなに辛いコト,3年以上もやって。その分,仕事していたら,請求額の何倍も稼げていたんだから。あり得ない!何てコトを言うんですか」と,泣きながら叫びたい衝動にかられたものの,聞き間違いでなかったとしたら,その言葉の意図が何なのか,と必死で考え巡らせていた。
すると、榎本光宏裁判官は、馴れ馴れしい口調で,檀上向かって左側の裁判官席(右陪席)から続けざまに言い放った。
「ねえ,おカネが目的でやっているんでしょ」
「でも、学校が認めてお金払うわけがないんだよ」
「まあここまでやったんだからってことで、十万でももらえたらいいとして終わらせたら」
(録音記録は(禁止されており)当然存在せず,私の記憶に基づいての文言であるが、実際の文言との齟齬は僅かであると、上告人は確信している。)
あまりの言葉に、私は悲しさと切なさで胸がいっぱいになり,涙が目から溢れ出してしまい,「見られたくない」と瞬きを堪えた。幸い,メガネを着けていたので,下を向いたまま右手で雫を拭いとり,返す言葉を探していると、同裁判官は、再度「お金なんでしょ」と言い,以下を続けた。
「はっきり言って、あなたが違法だと主張している、ユニフォームの件や名簿の件などは、それほどの行為とはいえず、違法性は認められないんだよ」
それを聞いて,私は,こみ上げていた感情が,一気に冷め,冷静さを取り戻した。なぜなら,その裁判官の言葉自体,「陳述内容や証拠を確認さえしていない明らかな証拠」だったからである。
私は、咄嗟に深呼吸し,敢えて深く頷き、左側方に座っていた裁判官に向かって,以下を返答した。
「そのとおりでございます。実際、私は、教員のそれらの行為自体を訴えていません。争点外なのです。にもかかわらず、第一審では、なぜか裁判官がそれらについて判示し、一方で、訴えている争点について、言及がないのです」
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その時,私は,榎本光宏裁判官の顔に,困惑の色を見た。私は,さっきまでの動揺とは打って変わり,「裁判官は,控訴理由書をはじめ,私が陳述した書面を見てもいないのですか」と主張しようか迷ったが,喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。
「感情的に指摘するよりも,判決にあたり,中立公正な評価,判断をしてくれたなら」と考えたからである◆(その2につづく)。