デザインの仕事の一連の流れのご紹介!
Aさん(友人):
「デザイナーって、形とか色を考えるだけの仕事でしょ?」
Bさん(デザイナー):
「そういうイメージ、よく聞くよ。でも実際は全然違うんだ。特に僕がやっているプロダクトデザインやインダストリアルデザインは、もっと広い範囲をカバーしてるんだよ。」
Aさん:
「へえ、どういうこと?たとえばどんなことをするの?」
Bさん:
「じゃあ、僕たちのスタジオ JAPAN DESIGN FARM の仕事の流れを例に説明するね。まず最初にリサーチをする。世の中にどんな製品があるかとか、ユーザーがどんな不満を持っているかを徹底的に調べるんだ。次に、その情報をもとに、新しい製品のコンセプトを考える。たとえば、その会社の強みを生かせるものとかね。」
Aさん:
「リサーチって、けっこう地道な作業だね。それだけじゃないんでしょ?」
Bさん:
「そうだよ。そのあとで、製品を実際に作る環境を調べる。たとえば、どんな技術が使えるかとか、どれくらいのコストと時間がかかるかとか。そして、それらを踏まえてアイデアを練る。それからクライアントと何度も話し合って、アイデアを具体的な形にしていくんだ。3Dモデルを作ったり、工場で使える図面を準備したりね。」
Aさん:
「なんだか大変そう。でも、それなら最近は3Dプリンターとかレーザーカッターがあるから、誰でも製品を作れるんじゃないの?」
Bさん:
「確かに技術が進歩して、簡単に作れるツールが増えたよね。でも、プロのデザイナーに頼む意義は別にあるんだ。僕たちは、製品に関する知識や体験を深めてからデザインに取り組む。たとえば、調理器具をデザインするなら、まずその器具を実際に使ってみるんだ。僕の場合、毎日自分で料理をして、道具の使い勝手を研究しているよ。」
Aさん:
「じゃあ、医療機器とか専門的な製品をデザインする場合はどうするの?」
Bさん:
「そういう場合は、たとえば病院に通って、お医者さんの作業を観察したり、医療現場の環境を徹底的に学ぶんだ。つまり、専門家と同じレベルでその分野を理解することが求められる。これが一般の人にはなかなかできないところなんだよ。」
Aさん:
「なるほど。それに加えて、素材や加工技術、人間工学なんかの専門知識も必要ってことだね。」
Bさん:
「その通り!こうした知識や経験を組み合わせて、企業が求める理想の製品を形にするのが僕たちの仕事なんだ。」
デザイナーの仕事は形や色だけではありません
「デザイナーって形や色を考えるだけの仕事でしょ?」
こうしたイメージを持たれることが多いですが、実際のプロダクトデザインやインダストリアルデザインは、もっと広範囲で専門的な仕事です。
日本では、ファッションデザイナーやグラフィックデザイナーが注目されがちですが、今回は製品デザインを手掛ける職業について詳しくご紹介します。
JAPAN DESIGN FARMにおけるデザインフロー
リサーチ
既存製品やユーザーの意見を徹底的に調査し、必要な情報を収集します。コンセプト設計
リサーチ結果をもとに、世の中に必要とされる製品や企業の強みを生かせるアイデアを練ります。環境整備と理解
生産に必要な技術や工場の対応力、コスト、納期を設定します。アイデア構想
リサーチや環境情報を基に、具体的なアイデアを設計します。具現化
クライアントと協議を重ね、3Dモデルや図面などを作成し、工場と共通言語を共有します。試作と改良
試作品を作り、製品をさらにブラッシュアップします。周辺デザイン
製品に関連するパッケージや説明書をデザインします。広報・営業準備
製品を市場に出すための準備を行います。継続的な改善
ユーザーの意見を基に、製品をさらに改良します。
プロのデザイナーに依頼する意義
近年、3Dプリンターやレーザーカッターなどの普及により、誰でもアイデアを形にできる時代になりました。しかし、プロのデザイナーに依頼する意義は以下にあります
専門知識と経験
デザイナーは製品に関連する知識を深め、具体的な使い勝手を熟知しています。たとえば調理器具をデザインする際、日常的にその器具を使い、特徴や改善点を探ります。専門分野の理解
医療機器のような特殊な製品の場合、現場を訪れて実際の作業環境を学び、専門家と同じ視点でデザインに取り組みます。多分野の知識の融合
社会情勢や素材の特性、人間工学、認知学などを組み合わせ、企業の求める製品像を具現化します。
プロのデザイナーは、日常の体験や専門知識を基に、一般の人には発想できない領域のアイデアを形にします。その価値をぜひご検討ください。