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中国人は日本のグルメリポートに違和感?
バラエティ番組でも情報番組でも日本のテレビ番組、ラジオ番組には、何かを食べて描写する「食リポ」技術は必須かと思われます。彦麻呂さんのようなグルメリポーターだけでなく、芸人、ミュージシャン、アイドル、スポーツアスリートまで、「食リポ」して下さいと振れば、日本人なら大抵それなりのコメントをすることができます。
ところが中国人の方何人かとお仕事をした中で、食リポがちょっとイメージが違う?というか、食べて無言になる・・ということが多かったんです。そのことを妻に話したところ「わかる・・」と。
妻曰く、グルメ番組や情報番組などで食リポを見ると「わざとらしくて気味が悪い」とずっと思ってたそうです。そうだったんだ!!
すごく典型的なパターンでいうと、まずは見た目や匂いの印象を「わ〜おいしそ〜香りも抜群ですね〜」、一口もぐもぐして「美味しい!」「辛い!」「あま〜い!」など一言いってから、「出汁が効いていてコクがありますね〜」とか言っておけば、それなりに食リポは完遂してる感じにはなり、それを見ている視聴者もそれを嘘とかやらせっぽいとか感じることもなく、むしろ特徴をわかりやすく強調して伝えてくれてるとしか思わないのですが、その阿吽の呼吸や方程式みたいなのが中国には存在しないようです。
妻曰く、このような流れが演劇を見ているようで滑稽に映ってしまうようです。
「中国人は、普段食事をしている時と似たようなコメントしか言わない。わざわざ美味しい!ってそこまで言わないし、まずいなら”まずい”と普通に言う。さらにまずいと言われても店側が怒ることもない」とのこと。
ちなみに中国のSNSでインフルエンサーが行っているライブコマース(直播带货)では、企業提供の商品にふつうにケチをつけたり「私はこれ嫌い!」とハッキリ言います。それだけに視聴者はそのインフルエンサーが嘘を言っていないことへの信頼感から、その人が誉めたものは確実にホンモノ!ということになるし、仮に貶したとしても紹介されただけで認知拡大効果が抜群ということで、商品を貶されるリスクを承知で、それ以上のメリットを感じてメーカーも動いているというわけですね。これも、日本のショッピング番組では考えられないことです。(ただし、妻はショッピング番組に関しては商品の魅力を伝えるために作り込まれたフォーマットだから納得できるとのこと。とにかく食リポが受け付けないと笑)
実際、中国のグルメ番組の食リポってどんな感じなんでしょうか?
そういえば、中国各地の串料理を紹介するグルメドキュメンタリー「人生一串」や、中国の食の歴史や伝統を含めて地方料理を紹介する「舌尖上的中国」という番組がありましたが、風味の解説みたいなのはあったけど「おいしい〜〜」みたいな日本の食リポっぽいくだりはなかった気はします。
中国にいらっしゃる方、グルメリポートってどんな感じでしょうか?