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「家・車・金がないと中国人と結婚できない」は本当か?

中国人と結婚された方、もしくは結婚を前提にお付き合いされている方は、一度はこんな情報を見聞きした事があるかと思います。
中国での結婚必須条件:三種の神器は「マイホーム」「マイカー」「貯金」
僕も当然のように人伝に聞いたり、ネットで調べたりしてこの情報は持っていたのですが、実際中国人女性と結婚するに当たってそれらは本当に必要だったのか?中国の親族はどのような考えだったか?実体験をもとにお話したいと思います。あくまで一つのケースとして参考にしていただければ幸いです。

・マイホームはほぼ必須!賃貸は安心できないという価値観は根強い

現時点で私は38歳、妻は30歳ですが、結婚を前提にお付き合いしている時期から妻は「家は絶対に買いたい」という考えでした。日本人でもマイホーム派と賃貸派は分かれるところですが、私個人的には別に家なんてその時々の都合でフレキシブルに変えられる賃貸でいいのでは?という考えだったので、割と意見が割れて議論になりました。
そもそもなぜ中国では結婚条件で「持ち家」が大事になるのか?
こちらの華村@中国さんの記事が大変参考になります。

結婚に際して持ち家が求められる最大の理由は、子供を学校に通わせる条件として必要であるという点に関係しています。

中国では子どもを公立学校に通わせるにあたり、親がその土地の不動産と戸籍(戸口)を持っていることが必要です。そのため子供を育て、さらに教育を受けさせたいと希望するなら、まずは何がなんでも家が必要なのです。とりあえずその土地に住所さえあれば入学できる日本の公立学校とは、そもそもの制度が違います。
(中略)
他にも、中国人に「なぜ家がないと結婚できないのか」ということを聞いたときに返ってくる答えとして多いのは「持ち家がないと生活が安定しないから」というものです。

中国では賃貸の立場が弱く、極端な例としては房東(大家)の胸先三寸で「一週間後に出て行ってください」などとということもあり得るのが現状です(法律上問題はないのだろうかと思いますが、実際に突然退去を言い渡されたケースも何件か聞いたことがあります)。これでは仕事などにも影響するし、一人暮らしはまだしも結婚して安定した生活をすることなどできない、子どもなどもってのほか、と考える人が多いのです。

https://note.com/stwtcpld/n/n64961f836753

学校へ通わせる条件としてというのは知らなかったのですが、まさに持ち家がないと生活が安定しないというのは、中国人からよく聞く話であり、妻も同様の意見でした。とはいえ、日本在住となれば状況が全く違ってくるのでは?と聞いたところ、「家という資産を所有している安心感が重要」と言われました。月々の賃貸もローン購入の持ち家もお金を払うという点では一緒ですが、資産として売買できる権利を持っているという点が重要であって、結局払ったお金が戻ってこない賃貸は後々損する。一人暮らしならまだしも家族で持ち家がないのは厳しいとのことでした。この点は妻の両親からも同様に説得されました。持ち家があるから親も安心できるというのは、中国の伝統的価値観として日本在住であっても基本変わりがないようです。

結果的に「家を買う」というのも貴重な人生経験になるので、私も納得した上でマイホームを購入するに至りました。
ただし、現在中国の都市部では住宅価格が高騰しているため、現金を重視した上で、賃貸を選ぶカップルも増えているようなので、地域・世代・住宅環境によっても状況が異なるという点は抑えるべきでしょう。

・マイカーは必ずしも必須ではなく環境にも左右される

続いて車に関してですが、中国の伝統的な価値観としてはやはりあるに越したことはないというのが答え。日本と同様にマイカー所有は一種のステータスとしての位置付けになっており、.家や車を買えるくらいお金を稼ぐ男性は、きっと家族にいい暮らしをさせる能力がある・・それが両親の本音になってくるかと思います。ただし、今や中国の都市部では地下鉄やバスなど交通網が発展、さらに電動スクーターの爆発的な普及によって、ほぼ車なしでも生活できる環境にはなっているので、マイカーを持たない家庭も増えていると聞きます。これに関しては日本在住の妻や両親も必要に応じてあってもいいんじゃない?・・くらいで、車の有無が結婚条件として議題に挙がることは全くありませんでした。

・結納金は必要ないが貯金や収入の安定はある程度必要

最後に「お金」の問題。これは日本とほぼ一緒で貯金額が多いに越したことはないという事。もともとは「家」「車」「結納金」をもって結婚を申し込むという風習が中国には存在したようですが、近年では少子化対策として、結納金(彩礼)をなくそうとする動きが中国でも一般化しつつあるようです。私の場合も、結納金は必要ありませんでした。
ちなみに「俺は将来BIGになるから」みたいな言葉は現実主義の中国人には一切通用しないので悪しからず。現時点の月収や年収が最重要視されるので注意しましょう。

・結論、愛さえあれば何とかなる

ある中国人の友人に聞いたのですが、持ち家も車もなく2人の愛情さえあればいいという「裸婚」という言葉が近年中国でトレンドワードになっているそう。農村部では昔の慣習が色濃く残っていることが多いとはいえ、結果的には夫婦・両親納得の上で幸せな家庭を築けるイメージがつけば、困難を乗り越えて行く事はできると信じています。家も車もないし、貯金もそれほどない・・そんな心配をするよりも、まずはしっかりと愛情を伝えて現実的な未来思考で挑んでみましょう!(2年前の私のように!)

最後に一つだけ言えるのは、中国人と結婚する場合には相手方の親御さんとの関係性が日本以上に重要になります。中国人は男性・女性問わず家族も含めて愛してくれるパートナーを求めるので、結婚は二人だけの問題ではないということだけは忘れずにトライしてみてください。検討を祈ります!



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