アラフォー日本人に刺さる不思議な中文曲「洗濯機」について
中国語の曲の中で、私を含めやたらと日本人の心を打つポップソングがあります。それが、台湾の5人組ロックバンド「五月天(Mayday)」の「第二人生」というアルバムに収録されている「洗濯機(xi yi ji)」という曲。
その名の通り、この曲の主人公は人でも景色でもなく「洗濯機」。
ざっくりと歌詞を要約すると・・
自宅にある家電やインテリアの中で、一番蔑ろにされている「洗濯機」は、雨風や日差しに晒されながら、ベランダにひっそりと佇んでいる。何年も何十年も孤独に黙々と仕事をこなしている。
ある日洗濯機に衣服を入れた時に、とっくに壊れていることに気づいた・・ずっと前から私の服を洗っていたのは、実はお母さんだった。
そんな曲です。全部歌詞を聞くともっと情緒たっぷりではあるんですが、五月天ボーカルの阿信の小さい頃の体験が元になっているようです。
私のようなアラフォー世代だと、共働きや主夫の家庭というのは珍しくて、母親が専業主婦の家庭が圧倒的に多かったと思います。なので、「洗濯機」の歌詞が妙にリアルに刺さるというか・・
中国でも母親が洗濯機を回すという光景は当然あるにせよ、洗濯機が母の家事であるというイメージはちょっと時代を遡っても、そんなにないように思います。なので、「洗濯機」を中国人にすすめてもイマイチ刺さらない事が多かったんですが、逆に中国語を学んでいる日本人(40代以降)に紹介すると中には涙した人までいました。
特に最後の方の歌詞が心臓に響きます
才發現了 媽媽一直是 我無聲洗衣機
(ようやく分かった 母は文句も言わず、ずっと僕の洗濯機をしてくれていたってことを)
才發現了 她的皺紋是 無法償還的借據
(ようやく分かった 母の皺は、返済することのできない僕の借用書なんだって)
歌詞もそうですが、とても聴き心地の良い素敵な曲なのでぜひ聴いてみてください
※公式MVより