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日々、100人が暮らし働く「村」が誕生する「那須まちづくり広場」の試みと香害対策

「那須まちづくり広場」はいま、校舎半分の工事が終わろうとしていて、工事臭が強いときがあり、出勤をやめています。

シックハウス症候群で問題になったホルムアルデヒドを始め、有機溶剤が工事にはつきもので、「化学物質過敏症」の人は一過性の体調不良だけではなく、いわゆる「過敏度」が上がったり、数週間皮膚炎などが続いたりしてしまいます。

そのため、社長から「できるだけ来ないで」と言われていて、日々山のなかでこれまで見たことのない虫にも、声をかけるような暮らしになっています。

広場の元校舎の工事が終わるのは、あとひと月くらい。そのあと、今度は校庭に60歳以上が条件の家が建ちます。49世帯分。一人サイズから二人サイズの平屋のお家です。一人部屋ではなく、サイズという考え方で、何人で暮らしてもシェアしてもよいとのこと。もちろん、犬も猫も可(詳細は、広場営業担当・pちゃんこと佐々木敏子さんにご連絡を)。

すでに、プール跡を利用した「介護を重視した」住宅は住人がおられます。「ここに来て元気になった」という声も聞こえてきます。

写真左手奥の黄色い屋根が、「介護を重視した」住宅(ひろばの家・那須2)右に見えるのが、「冒険遊び場」予定の裏山。

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校舎2階にできる「多世代居住も可能な」住宅、放課後等デイや高齢者デイサービスなどなどが稼働を始める準備も整いつつあります。

建物が完成しすべてが一応のスタートをみるのが、今年の年末とか。
すると、住人、就労、ボランティアなど約100人が、那須まちづくり広場で日常を過ごすことになります。

「ひろばのひろば」というホールでは、毎日のようにコンサートや映画や各種講座が開かれ、アート、ブックギャラリーでもファンが訪れます。

那須まちづくり広場主宰の近山恵子さんが、過日、歌って唸ったみたいです。

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今月は、平山和詩さんの個展開催中。その準備をするPちゃんこと・佐々木さんの後姿。

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さらに、主宰する近山恵子さんたちには、まだ続く計画があるようですが、とにかくそれは一つの村といえるような環境です。
そうです、裏山に「冒険遊び場」も作る予定です。子どもたちの歓声を響かせたいといのも近山さんたちの願いです。


「100人という人数がひとつのポイント」と近山さんは言います。
それは、お互いがお互いをリアルに感じることのできる人数。
小さなパイのなかで、他人事が自分事としてとらえることの出来る関係が生まれる環境。子どもたちが群れて、高齢者、障害者、個性豊かな大人たちと接することができる居場所。

「フレグランスフリー(FF)宣言」も、この前提があって「できる!」とふんだのでした。

100人もの人の中にはいろいろな好みや考えをもった方がおられて当然。「だから、FFなんて難しい」と考えるのが相場ですが、そこは「しなくてはいけないことは、なんとかしてする」という基本姿勢と、「それだからこそ、可能なのだ」という考えが重なりました。

社会を変えろ、企業を変えろ、政治を変え国を動かせ、というのは、たしかに大事。そうなれば話も早い。けれど、香害被害を受けて、その当事者になって、つくづく、それは早いようでえらく遅いと感じています。過去をふり返っても、大上段な議論だけでは何も変わりませんでした。

顔の見える、何気に挨拶をする関係のなかで暮らすというとき、多数決の多数ではなく、少数者やそこからはみ出る人たちもまた、多数と同じように尊重されることが重要。ここは多数にあわせてもらったけれど、では少数でも違う思いを持つ人とどう関係を結んでいくのか、と言ったことも肝心。

「香害」は健康被害です。しかも少数がそれを訴えている。考えや嗜好を横において、まずはできることを実際に行動する。

日常、顔合わせる人は笑顔でいてもらいたい。苦手な人、嫌いは人もいて当然で、お互いに距離をとりつつ、ここだけはというところで支え合う。そんなところに、人の数、規模というものが関わるのではないかということ。

広場を利用する人数が常時100人程度。リアルにお互いを感じることができるよい人数と見積もっています。

まずは、広場に「フレグランスフリー宣言」ポスターが貼り出され、チラシが設置されました。

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ここまでの数ヶ月、「なんで、生活用品を替えなくていけないの?」「100%でないとダメ?」「家族がいて難しい」などなど率直な意見もいただき、あちこちで話し合いもありました。

でも、いつのまに広場のカフェではキツイ香料はなくなりました。ありがたい。

いま、広場のカフェでアイスコーヒーをいただいています。ゲストはまだ「香害」を知らない人がほとんど。スタッフから常連さんへ。そして、「那須まちづくり広場」を訪れる人がみんな無香料に。

できないことではありません。p松田

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