営農情報 #3 エダマメの秀品率をアップさせよう!
エダマメは鮮度が重要視される品目で、比較的簡易な資材で高値安定販売が可能な品目です。
エダマメの秀品率、特に莢の中に入る豆の数については、開花期の土壌水分のみならず、空気中の湿度を保つことも重要と言われています。
そこで、JAにしたま営農生活課では開花期中の頭上潅水が秀莢の割合にどのような影響を与えるかを2018年に調査しました。
1 調査方法
エダマメ(品種:湯上がり娘)をJAにしたま本店中庭にプランター10個(1プランターに4株植え=株間15cm)に栽培し、開花期(6月下旬以降)にハス口で頭上潅水を行ない、8月3日に収穫しました。
収穫したエダマメの莢の中に入っている豆の数量ごとに数え、全体に占める割合を調査しました(サンプルA、写真1、2)。
また、比較対象の調査検体として、マルチあり・潅水なしで管内農家が栽培したエダマメ(品種:湯上がり娘)の豆の数量ごとのデータを調査しました(サンプルB、写真3、4)。
2 結果
開花期に頭上潅水したサンプルAは潅水なしのサンプルBより、3粒莢の割合が高く、1粒莢の割合が低く、秀品率が高い結果となりました。
3 考察
今回の調査から、開花期の潅水は3粒以上の秀莢の割合が高くなることが分かりました。
調査圃場の作業条件が、JA敷地内のプランターという特殊な環境だったため、開花期の潅水が手軽にできましたが、実際の生産圃場では潅水ができる圃場ばかりではありません。水道や井戸が設備されている圃場であれば、潅水チューブを設置することで容易に潅水ができますが、そうでない圃場の場合、背負動噴で頭上潅水する程度が作業の限界と考えられます。
また、トンネル栽培においては、トンネルフィルムの換気孔に動噴の噴口を入れて潅水するなどのひと手間が必要になります。
しかし、エダマメは鮮度が重要視されるため、直売所でも安定して売れる人気商品です。
食味は当然のこと、3粒以上の秀莢率が高ければ、消費者のリピート購入の確率も大幅にアップすることが期待できます。
ちょっとした手間と工夫で夏の収益アップと消費者に喜ばれる直売所を目指しましょう!
(営農生活課H.O)