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Musical Awards TOKYO初のノミネート発表について
1/10にMusical Awards TOKYOのノミネートが発表されたがメディアの記事に大きな間違いがあった
ノミネート作品及びキャスト・スタッフについては上のリンク先をご覧ください。
日本で新たに設立されたミュージカルに特化したアワードでミュージカルファンの注目は高まっていました。
発表された作品やキャストがノミネートされていないことについて大きな不満を持った(特に)特定キャストファンの方もいらっしゃいます。
既にヤフコメなどでなぜ〇〇〇〇さんが入っていないのか?おかしい!という苦情の意思表明をされた〇〇〇〇さんファンも居ました。
上にリンクを貼った公式HP以外のメディア記事はどこも同じようにこんな感じです。
まずはSixTONESの京本大我さんのお名前が。この見出しをみなさんもあちこちで目にされたと思います。
タイトルの毛色が違うのはステージナタリーさん。作品賞にノミネートされた作品名になっています。
但しどのメディアでも記事の内容が大きく間違っているのを発見しました。
ノミネートの選出方法の件です。
以下が、”大きく間違っている”内容です。
Musical Awards TOKYOの公式サイトでは、大賞のほか、作品賞、俳優賞などのノミネーションが公開されている。なおノミネーションは、ミュージカル専門選考員の詩梢希、上村由紀子、白川蒼、藤田香織、松村蘭、観客選考委員31名による投票で決定された。
この書き方だと、大賞、作品賞、俳優賞、スタッフ賞などの全てが専門選考員の5人と私たち観客選考員31人の投票で決定されたように読めますが、
私たち観客選考員31人が投票してその上で発表されたのは【観客賞】の5作品のみ、です。
その他は全て5人の専門選考員がclosedで決めています。
つまり、観客選考員はキャストやスタッフのノミネートに関しては一切関与していません。
古川雄大さんがノミネートされていないのは観客選考員のせいではありません。(あ、書いてしまったw)
こちらのリンク先を読んでいただければわかるのですが、
↓
ノミネート作品に対する投票及び観客賞の提出は専用サイトをメールでご案内します。別途集まっての議論等は行いません。
”ノミネート作品選考”(今公表されているものです)に関しては
専門選考員それぞれに各受賞枠の対象を10件ピックアップし、専門選考員5人の合計上位5件までをノミネートとする。
このように記載されています。専門選考員は当初は9名選出の予定でしたが、初年度は5人で選考が行われています。選考の条件(対象作品の上演期間や上演劇場の大きさ、上演日数、ミュージカルの定義)はあるのですが、選考基準は個人に委ねている&選考にあたっての議論も行われていないため、ある意味とても個人的な志向で投票されたとも言えます。ポイントはたった5名の専門選考員が投票して選ばれた上位5位までが公表されているわけです。
専門選考員5名の投票で開示されたノミネート
・大賞
・作品賞(500席超)
・作品賞(500席以下)
・主演賞、助演賞
・新人賞
・アンサンブル賞
・演出賞
・脚本賞
・作曲賞
・編曲賞・音楽監督賞
・振付賞
・舞台芸術賞
・翻訳賞
・リメイク賞
・ミニシアター賞
一方で私たち観客選考員は当初50名の予定が31名に減ったものの、31名の投票で【観客賞5作品】がノミネートされました。
Musical Awards TOKYOのHPには選考方法と選考条件は全て明記されています
よってHPをよく読めば分かるのですが選考員以外はそこまで細かいところは読みませんよね。記事を書いたメディアがあたかも全ての賞を専門選考員と観客選考員でノミネートしたと記載した間違いも起こりえたのは仕方ないのですが、再度申し上げると、
観客選考員がノミネートしたのは【観客賞5作品】のみです。俳優賞には一切観客選考員は関与してません。
この後それぞれ大賞を選ぶ”本選考”があります
専門及び観客選考委員それぞれに各受賞枠の対象を3件ピックアップし、
選考委員全員の合計が過半数を超えた作品を受賞作とする。
過半数に満たなかった場合は上位2作品で決選投票を行う。
HPに記載されているとおりこの後本選考が専門選考員と観客選考員の投票合計で行われます。
しかしながら既にノミネートに名前の無い作品や俳優が本選考で選ばれることはありません。
専門選考員と観客選考員の【作品賞】ノミネートには違いがあった
ここで専門選考員5人が選んだ作品賞(大賞ノミネート)と、観客賞(作品ノミネート)を比較してみましょう。
【専門選考員5人によってえらばれた大賞ノミネート作品】
『イザボー』
『この世界の片隅に』※
『ゴースト&レディ』※
『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』
『無伴奏ソナタ -The Musical』
【専門選考員5人によってえらばれた作品賞(500超)ノミネート作品】
『カム フロム アウェイ』
『この世界の片隅に』※
『ゴースト&レディ』※
『ベートーヴェン』
『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』
【観客選考員31人によってえらばれた観客賞ノミネート作品】
『カム フロム アウェイ』
『この世界の片隅に』※
『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』
『ゴースト&レディ』※
『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』
全てのノミネートの上位5位以内に入っているのは
『この世界の片隅に』『ゴースト&レディ』です
この2作品の特徴は【日本で生まれたミュージカル】であるということ。翻訳ものでは無いということです。
これはMusical Awards TOKYOの設立目的である「TOKYOを日本のミュージカル発信地の中核として周知していくために」「日本発のミュージカルが世界市場で長く活躍できるキッカケ作りに貢献するために、」にも合致する作品であると言えます。
Musical Awards TOKYOの設立目的に照らした場合、この2作品がノミネートされているという点はフェアであるし、MATのノミネート作品に相応しいと言えると私は思います。
一方で”俳優賞”はどうだったのだろうか?
キャスト賞や美術賞などにはかたすミュもゴスレもスタッフの方々の名前が概ね網羅されて入っているのですが、俳優賞だけ違和感があります。
海宝直人(『この世界の片隅に』『ファンレター』)
谷原志音(『ゴースト&レディ』)
真瀬はるか(『ゴースト&レディ』)
まず海宝さんはかたすミュは”主演”ではありません。(※ファンレターの方は主演なのでそちらでのノミネーションと言う意味でしょう)
谷原さんと真瀬さんはゴスレは主演ですが、実はゴスレは『ゴースト&レディ』なのでゴースト役の方も”主演”ですがノミネートはレディの方だけでした。
”助演俳優賞””新人賞””アンサンブル賞”いずれもかたすミュとゴスレはノミネートされていません。
なかなか興味深い結果です。
作品的にはこの2作品が突出しているのに、キャストがほとんどノミネートされていない・・・・・という点に関しては私は違和感がありますが、理由として5人だけの専門選考員でノミネーションしたからだと考えます。
Musical Awards TOKYOの今後の選考方法は進化する必要がある
とはいえ、私は2024年度は公式HPでも明記しているとおり、
『2024年度プレシーズンのノミネート』なのでまずはいったんこの方法でやったらこうなった、で良いと思っています。
何事にも始まりがあり、違和感があったら進化・変化していけばよいのであって、選考方法なども次年度は進化させる必要はあるのではないかと考えます。
1番のポイントは専門選考員が2024年度はたった5人だった、という点に尽きると思います。これが当初の予定どおり9名だったらまた結果は違ったかもしれません。
個人的にはノミネーションの選考過程で議論は無、投票数のみで決めるのであれば専門選考員は20名くらい居ても良いのではないかと思っています。
もしくは全てのノミネーションの投票に観客選考員も交えることがフェアになるのではないでしょうか?
全てのミュージカルファンが納得がいく賞は難しいと思うのですが、よりよくすることは今後可能だと思います。
進化するアワードになるように個人的には期待しています。
この後の大賞発表が楽しみですね!
以下【観客賞】ノミネート作品5作品の紹介
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【追記:最後に”選考員”になることは簡単ではありません】
このMATの発足について「信頼できない」「~~が入って居ないからおかしい」「権威が無い癖に賞など作っておかしい」というご意見もSNSで僅かですが見かけました。
今回私は”観客選考員”に応募させていただきましたが、実はとても労力がかかっているんです。
・過去1年間(2023年12月1日以降)に観劇した作品と観劇日を記入(24作品以上)ミュージカル作品以外の舞台作品もOKとするが、12作品以上がミュージカル作品であること。また無料公演やコンサートなど演劇やミュージカル作品以外のものは対象外とする。
→まずこれを全部書き出して提出しなければいけません。
その上、
・今後のミュージカル界への提言(形式自由、文字数制限なし)
→こちらも提出要でした。
専門選考員の方々は更に2000字~3000字の作品評を書いて提出しなければなりません。これもとても労力がかかります。
(AIプロンプトを既に駆使されていらっしゃる方であれば別ですが)
新しいことを始める場合は反対がつきものだったりしますが、
ミュージカルを愛する方々であればこのMATを育てて権威があるものにしていくという考え方も必要なのではないかと思います。
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