未だ6億年前、進化の鎖
30億年前脂肪酸がリン脂質と結合する事で脂質膜は形成された。
原核生物、真核生物に至るまでそれらを支えた脂質膜はタンパク質分子を組み込む事で吸収代謝、循環を助け生命の基盤を作り上げる。
糖という成分の存在は古く、自然の化学反応から生まれた糖を使用する事で初期のDNAは合成される。
リボースなどの核酸の構成糖は隕石中からの発見も見られるように容易に合成されるものなのだろう。
多細胞化が始まった時代明らかな変化が起きる
それは真核種における糖の新たなグリコシル化反応。
いくつかの微生物にもグリコシル化を行う種は存在するが、当時糖はやはり多く生産できるほど、酸素というエネルギーは多くはなく、酸素を使用しない光合成生物もこの時期以前に進化している。
細胞膜と糖鎖
*糖鎖とは8種(人族)の単糖類からなる鎖状のコード使用する種類や数は種により異なる。
グリコシル化:
細胞膜にはタンパク質と結合した糖タンパク質、と脂質膜と繋がった糖脂質が存在し、これらが糖と結合する反応がグリコシル化といい全生物種がそれを所有する。
糖脂質:
その前に脂肪膜について。
脂肪膜の構造は脂肪酸にリン脂質が繋がった分子構造が向かい合い、内部が疎水性、表明と内側が親水性で出来ている。
その為不必要な物質は簡単に入り込むことはできない。
リン脂質は繋ぎである為様々な物質と結合できるが、それを識別する為に糖が付加されている。
しかしこの糖脂質は糖タンパク質と違い貫通しているわけではない、
つまりは膜内の遺伝コードの影響を全く受ける事がないため、そもそも翻訳後装飾という概念が存在しない。
またリン脂質の表面を電子伝達により自由気ままに移動する事ができる
つまりは完全にコード情報とは無縁のワールドを作り上げている。
勿論生物に必要なエネルギー源として脂質と糖は存在するのだが、特質すべき機能はそのワールドにある
というわけで細胞にひっついたそれぞれの糖について…さらに詳しく。
糖タンパク質
生物が糖を生命利用する為の働きとして。
リボソームで遺伝子コードから翻訳されたペプチドを媒介し結合させている。
小胞体内部では更にコード情報を元に指定された糖のみを付加しゴルジ体へと輸送される。
その後生物種ごとに様々な装飾を受け、糖タンパク質として細胞外膜へと運び出されていく。
その個々の生物のパターンにより
外膜において繋がる糖鎖はその配列パターンを変えその種が特有に持つ免疫、細胞接続パターン、代謝物質の選択、又は複製など様々な性質を持つ細胞へと適応させる。
この一連の動きの糖鎖プロセスこそがN結合型グリコシル化と呼ばれるプロセス、そしてその後の装飾変化(o型)のプロセスに分けられる
①N結合型グリコシル化
・主に古細菌時代から進化した糖鎖プロセス、以降の真核種全てに存在する。
膜内反応↓
小胞体(解糖、オリゴ糖前駆体のトリミング)→ゴルジ体(糖鎖装飾)→細胞膜(タンパク質の変性コードとなる)
外膜に飛び出す糖鎖は枝分かれしている為多くのパターンが存在し、また、外膜での装飾変化の選択肢も豊富に存在する。
糖鎖の欠陥はタンパク質の合成エラーを引き起こす為多くの疾患を誘発する。
その後の異なるグリコシル化パターンによりかく免疫装飾が可能となる。
グラム陰性菌などは簡単な装飾を行い産毛を生やすが、直線的糖鎖である為、その後の装飾変化を起こすことができない。
O結合型グリコシル化
これはグラム陽性菌以外の全生物種に見られる反応
グラム陰性菌などでも直線糖鎖を持つ生物以外なら選択可能なグリコシル化
原核生物においては細胞質内で行われ、真核生物では小胞体、ゴルジ体、細胞膜外で行われる翻訳後装飾
糖鎖に限らず翻訳後装飾自体はタンパク質の末端又は切断後の断面アミノ酸により更に翻訳され、官能基またはタンパク質などと更に結合する事で多くの機能へと変化させる。
糖鎖における翻訳後装飾の主な機能は免疫細胞輸送、細胞認識、代謝制御、間接的組織の柔軟性
糖鎖の種類も様々あるがここで紹介したいのはムチン
里芋などに含まれるネバネバしたものだが、これは水と相互作用する事で蒸発を防ぎ、細菌感染を防ぐ
目などの粘膜、牛の乳蛋白質などに含まれ、
母乳などにも含まれる理由はやはり免疫機構の賜物
生物の進化段階で合成されていく糖蛋白には違いがあり、
ムチン→原核生物に含めた免疫的糖鎖装飾
カドヘリン→細胞結着
プロテオグリカン→臓器、脳、皮膚など、各胚葉特徴の臓器生成を促す
黄体形成ホルモン→排卵誘発女性ホルモン
卵胞刺激ホルモン→精子生成、卵胞発育指示
ヒト絨毛性ゴナドトロピン→雌雄含む生殖ホルモン
甲状腺刺激ホルモン→代謝調整
アビジン→鳥、両生類などの卵形成に関わる
このように多くの高等指示の殆どが生殖細胞に働きかける。
根源的生命にとっては生殖という言葉の重みは絶大であり、禁ずる感覚や、恥ずべき感覚とは随分とかけ離れた、絶対的なフィールドである。
装飾末端
その他にも糖タンパク質の最終糖鎖地点においての選択肢として
グリピエーション(シグナル伝達、細胞接着、免疫認識)
C-グリコシル化(トリプトファン結合)
*こいつが一番気になるけどまだ我慢
リン酸グリコシル化(寄生生物やカビ類限定)
糖脂質
グリセロ糖脂質:
グラム陽性菌から葉緑体を持つ種などに広く存在し、光合成機構に強く働く。
動物細胞上では精子形成細胞と脳にのみ存在し、分裂機を終えるとがん細胞増殖阻害、抗炎症作用として働き生物内にその形態は膜状に存在する。
スフィンゴ糖脂質:
どの脂質との類似性の取れない謎の脂質
まるで謎かけをされているような感覚からスフィンクスに因んで付けられた
スフィンゴの多様性、
植物種にはセラミドを含む型が大半を占める
菌類、細菌類には毒素結合と結びつき、
生物種では毒物を無効化する成分として変異する
またニューロンのシグナル伝達部分に大量に含まれ、多くの毒性科学物資を無効化し伝達ホルモンとして作用させる。
磁気と共鳴反応を示し、分子変化を起こす
スフィンゴの持つ形態
全てが二重結合を持つ不飽和脂肪酸を所有する
要は高等な第一級アルコール、後に話すが通常の飽和脂肪酸とは全く別物と言っても過言ではない性質を持つ。
スフィンゴイド
動物細胞での形態、植物界ではスフィンゴシン又はフィトスフィンゴシンの形態を取る
スフィンゴシン
原核には存在せず、動物の脳神経組織に多く含まれる
セラミド
細胞増殖、プログラム細胞死(PCD)、アポトーシス(タイプI PCD)、表皮バリア
スフィンゴミエリン
人体の持つスフィンゴ脂質の役85%をしめる
ニュールロンの伝達速度と関係し、蓄積されすぎると精神的疾患、遺伝子的疾患と繋がり、死に至る、遺伝的影響も高い
セレブロシド
脳、神経細胞伝達に大きく関わる、研究はそんなに進んでいないが、
ガングリオシド
シグナル伝達調節、免疫反応、神経変性、増殖,分化,接着,細胞間相互作用、抗菌、毒性防止に働くが、蓄積は疾患につながる
スフィンゴとユダヤ人
スフィンゴ脂質と脳の発達、神経伝達、知能指数は関係があるというはなしがある、
ユダヤ人のうちでもアシュケナジムという民族は頭がいいと言われ、ノーベル賞などの受賞者には人口比から見てもあり得ないほどその存在比が多い。
混血などを経てその比率も変わるようだ。
実際これが何処まで信憑性があるものかは知らないが、実質発達障害と呼ばれる人達はこの脂質の量が関係するようだ。
多いケース、少ないケース様々あるようだが俗に言われる天才達が、何らかの精神疾患を患っている事とこの物質は関わりがあるのだろう。
また医学的にもアスペルガーや精神的に疾患を持つと呼ばれる人らがその処置の一つに糖質制限を行うのにはそういった理由があるのだろう。
またこのスフィンゴ脂質が先天的に多い人は
早い時期に幾つかの疾患を発症し、神経系の疾患を患い死に至るケースも多く、ニーマンピック、ゴージェ、などの珍しい疾患にかかり、20才までは生きられないケースが多いようだ。
多くの天才らも小さい頃過剰に病弱だったり、何らかの疾患にかかるケースがある。
まとめ
SIZE〜13部〜un.INVISIBLE HAND