オンライン日本語教師を通じて気づいたこと – Preplyでのリアルな体験
友人がはじめたというPreplyに興味があり私も登録したのが今年の2月。隙間時間に日本語を教えながらドルで収入を得られる、それも魅力的だった。
それ以外に、ちょうど英会話を習おうかと思っていたところだったので、むしろ自分が教える立場になれば英語だって上達するのかもしれない、そんな発想でチャレンジすることにした。
そして約9ヶ月後の本日、そのアカウントを削除して日本語教師を完全終了。その理由もいくつかあるので順を追って書いてみます。
ただそう書くとマイナスなイメージが先行しそうなので、先に言っておくと
など、生徒さんが継続的についてくれれば、冒頭で書いた通りドルで収入が得られるので円安の恩恵を受けて比較的簡単に(※この感覚は個人差あり)、6桁以上の収入にもなるし(実際私も6桁越えた)、シンプルに日本にいたらなかなか会えない国の人とのコミュニケーションも取れる。その稼いだ収入で他の言語を学びたければPreply内で自分が生徒になって学ぶことだってできるのも魅力的ではある。
かつ日本にいなくてもwifiとパソコンさえあればどこに旅行していても住んでいてもレッスンを実施できるので、私も海外滞在時にレッスンを行ったこともある。
ノマド的働き方にはフィットしたジャンルだ。実際オンライン日本語教師で生計を立てている人もいるほどだから性格に合うならやってみるのもありではあると思う。
ちなみに、私は日本語を教えたことがなかったし資格も持ってなかったけれど、Preplyのプロフィールを完成させられれば日本語教師にはおそらくほとんど人がなれてしまう。
世界的にみてもPreply内でも、他の言語(とくに英語やスペイン語)に比べれば日本語教師は数が少ないのでよっぽどのことがない限り審査に落ちることはないのでは?と個人的には思っている。
と言うことで、いったん今の時点で始めたい!という方には、登録の仕方は覚えている限りではあるものの以下の通り。だいたい6つほどのステップで登録は可能。
上記画像の緑のボタン【講師のプロフィールを今すぐ作成しましょう】
のボタンから必要事項を埋めていく。
プロフィールには学歴や何を専攻したのかを書くところもあり、正直いつの話だ…と自分でツッコミを入れながら大学で学んだことを書き、なんとか仕上げていった。
これも個人的見解ではあるものの、ひとまず、プロフィール欄に日本語教師としての魅力を書くのに苦戦はする。日本語の中でも何を教えるのが得意なのか?であったり、この文章自体を英語で書いた方がいいのか日本語だけで良いのかもよくわからない。(※結論、日本語で書けば大丈夫 )
ひとまず書き上げることが大事と思って思いつく通りで書いてみた。(※後から書き直しはできるので登録後、他の教師のプロフィールを参考に書き直した)
そして任意ではあるけれどビデオ撮影にも苦戦する。プロフィールの写真はあるけれどレッスンをしてくれる人物がどんな人なのかを判断する上でビデオ撮影はしておいた方が確かに生徒さんからの予約には有利ではある。なので、私の場合もビデオは何度も取り直して、やっと提出。
そして、記入内容に大学の卒業証明や教員免許など持っている資格があればファイルの提出も可能。おそらく全て提出した方が生徒さんへの信頼になると思うが、私の場合は卒業証明を取るにもわざわざ大学のサイトに登録したり操作が煩雑そうだったので大学HPみながら断念。とりあえず必要事項の入力だけしてファイルなどは一切添付せずに申請してみた。これで申請されないならまぁいいかという軽い気持ちでもあった。
その他の入力は、レッスン料をいくらから始めるか(最低が8ドル〜とかだったはず。これはうる覚えなので登録時にご確認お願いします)、自分がレッスンできる曜日や時間帯など入力をしていき、送信。
承認結果が5日で届くと言うのでワクワクしていたら、4日でメールが届いた。プロフィールが承認されたとのこと。これは合格と捉えて良いのか?と思いつつガイドに従っていく。(英語なので結局どういうこと?みたいなことが多いのは致し方ない)
結果通知。画像がメールで届く▼
このPreplyがしっかりしているなと感じたのは、今後このツールを使っていくにあたり、チュートリアルのページがステップごとにしっかり組まれていること。
英語での表記だけれど、日本語翻訳すれば問題無し。
しかも、読んだだけでは頭に入らない(というか次へを押すだけで読んでない人もいると思う)そんな人の対策にクイズまで用意されていて理解力を深めるチュートリアルに思いの外しっかりしてる!と感心した。そしてめんどくさいというか…大変でもある。
ある程度の説明を理解して、あとは自分のスケジュールを解放していく。
一番初めのプロフィール登録時に○時〜○時まで対応できるのかを入力したものがカレンダーにはすでに反映されているので、さらに詳しい自分の予定を設定していく。ここでも操作には苦戦した。(こう書くと私の場合、苦戦だらけ。笑)
というのも、チュートリアルや他のブログやnoteに書いている画面と実際のカレンダー画面がリニューアルされている箇所も多く違うので、時間を要しながら設定をして行った。
スケジュールの立て方は、
①基本的に大丈夫な曜日、時間を入力する
②都合の悪い時間や日にちを休みで選択不可にして管理していく
なので土日のみの方や、夜だけレッスン可能な方は可能時間をまず設定して、次に休みを管理するのがよし。私は土日は完全オフにしたかったので平日の9:30−17:00までで開放し既存の予定を休み設定していくという方法で管理をしていた。
ここで思ったのが、逆にアルバイト的にスポットで、ここの日のこの時間だけOKみたいなかんじにするのが大変というか、その場合、全部休みにして、1カ所だけ解放するという操作上の大変さがある。
このツールは、定期的に生徒さんが学べる環境を提供できる人が稼げると言う感じなので1月にランダムで数回だけみたいな感じよりは安定的に教えられる時間がある先生を確保させるというシステムにはなっている。
ひとまず、プロフィール通過後に理解したのはここまで。これで体験レッスンに来てくれるのかな…という疑問が残ったものの待ってみることにした。
数日もたたないうちに体験レッスンの予約が入る。自分で営業しないで良いありがたさ
新しく登録された講師陣はある程度サイト上でも優遇されるのか、登録して1週間もたたずに体験レッスンが入るようになった。そもそも日本語を教えたことがないので一体何を準備したら良いだろうと、生徒さんのニーズをメッセージの中で確認していく。大体の生徒さんは英語で連絡をくれるので、講師にもある程度の英語力はあると良いが、ないなら翻訳機能に頼れば良い。そしてそ英語が話せない場合は最初の段階で生徒さんに伝えておかないとレッスン中、自分が大変にもなる。そのためプロフィールにも自分の言語能力を書いておくのは身のためでもある。(講師プロフィールに話せる言語とレベル感を選ぶことができるので正確に書いておくこと)
体験レッスン前にメッセージでヒアリングして授業の準備をしていくわけだが、生徒さんが
・ひらがなは勉強しているのでカタカナ を学びたい
と言ってくれれば資料を用意して一緒にレッスンするし、
・ビジネス上メールでのやりとりが必要で定期的にチェックして欲しい
という依頼もあった。
他にも
・夏に日本に来る予定なのでそれまでにある程度の日本語の語彙力を増やしたい
・子供に日本語を学ばせたい(※けど全く読み書きはできない)
というお子さんもいた。
私の場合プロフィールに、日本語for kids、日本語初級〜中級者と記載していたので実際の生徒さんはお子さんも多く、今まで教えた国や性別、年齢層は以下の通り
・ドミニカ共和国(中学生の女の子)
・ドイツ(日本在住40代の男性)
・中国(アメリカ在住60代男性)
・クロアチア(日本在住30-40代男性)
・ロシア(日本在住6歳男児)
・メキシコ(アメリカ在住7歳女児)
・ハワイ(ハワイ在住10歳女児)
・アメリカ(アメリカ在住30代男性)
・ニュージーランド(日本在住20代男性)
・イギリス(日本在住30代男性)
・フランス(日本在住20代女性)
などなど。
無料で受けられる(=講師にも料金が入らない)体験レッスンのみで終わる方も中にはいたけれど大体の方が継続で受講してくれることで毎週必ず数回は日本語レッスンがある日々になった。1レッスンが30分 or 50分を選べるがほとんどの人が50分を選んでくれる。
なかなかの国際色豊かな生徒さんたちと話ができたのはとても面白かったし、日本語を本気で学びたい生徒さんとのレッスンは教えるごとに反応が返ってくるので、つい日本人のおもてなし精神に火がついてどんどん教えたくもなる。
逆に親から強制的にレッスンを受けさせられている子供たちはとにかくやる気がない。何を言っても上の空だったり覚える気すらないので、この時間は双方にとってなんて無駄なんだ…と思ってしまうこともあった。
それぞれのお国柄も出ているのかなと観察するのも興味深く初めの頃は良い隙間時間の使い方だななんて思っていたものの、結果9ヶ月で日本語教師を辞めることにした。
理由としては
①料金と労力の関係性に疑問が芽生えた
慣れてくると一人ひとりのレベルに合わせて用意する資料が異なるためその労力とレッスン料が合っていないと思えるようになった。私は初めは未経験だったこともあり10ドル(≒1500円)からスタートしていた。おかげで生徒さんも増えたわけだが金額と内容が見合っていないと感じるようになったのだ。
→レッスン料は自分で変更は可能だし、継続生が増えてきたため私もレッスン料を上げて行った。ただし既存生のレッスン料は据え置きである(変更可能だがしなかった)ことと、レッスン料をあげるとその分新規生徒数は増えにくくなる。
② 束縛される時間が増える
1レッスン自体は50分だが、生徒の住む時間や都合に合わせてレッスンが入るので、レッスンとレッスンの間が数時間だけ開くこともある。そうなると中途半端な隙間時間が出てきたり他の予定を入れるには足りないと言ったスケジュール管理がしにくくなった。
特に私の場合、日本語教師はあくまでも複業の中の副業なので優先度の高い仕事に集中できる時間が減ることにストレスを感じるようにもなった。またギリギリまで予約可能な設定していたことで、気づいたら朝起きて朝一でレッスンが入っていることもあり見逃しそうになることもあった。時間の主導権を握られているようで時間の自由を手に入れたいはずの自分の働き方には合っていなかった。
③ 生徒さんの受講姿勢に影響される
先ほども書いた通り、前のめりに学びたい方と、強制的にレッスンに来ている人は態度は全く違う。特に子供の場合集中力がない子も多かったり明らかに興味がなさそうという子もいて、どうにか興味を持ってもらえるようにするための50分間は、通常以上の労力を使うことになる。( 世界中の人を言葉の壁を越えて魅了するミッキーマウスには改めて脱帽…。)
また大人でも、ある程度日本語を話しできる方から人生や恋愛相談を受けることがありポジティブな相談であればいくらでも聞きたいところだが、国民性や文化の違いからなのか、なぜそんな捉え方をして生きてるんだろう?と思えるほどネガティブな方もいてレッスンの大半が相談になってくるとレッスン後の疲労感がとんでもないことになっていた。こう言ったケースは稀でもあるだろうし本当に嫌だと思えばシステム的にブロックすることもできる。ただその方の場合、ブロックするほどでもなく本人に悪気もない方だったのでどうしたものかなと数ヶ月は様子を見ていたがやはり自分の喜びはここにはないと判断しやはり辞めよう!という決断に至った。
定期的にレッスンを受けてくれている教えがいある生徒さんもいたが、10月で講師をやめるお話をし、理解してもらった。ドルで稼げるしペースダウンしてやってみたらよかったじゃないかという人もいるだろうけど、自分の喜びではないものにしがみつくことはただの執着であってプラスになることはない。
自分で集客せずともPreplyにいるだけである程度は生徒さんが集まるシステムは非常にありがたいし、設定された基準をクリアさえすればスーパー講師としての称号も得られる。(辞めるまではスーパー講師だった)。そうなるとサイト上の講師リストの上位に表示され成約率も上がっていくというシステマティックな世界ではあるのであるが、場所にも時間にも囚われないフリーリーな働き方を目指してノマドをしている自分には結果的に合わず、本来何を求めていて将来どうなりたいのか?を再度見直すきっかけになったことは素晴らしい機会だったなと思う。そして日本語を改めて学ぶ機会にもなり自分の知見は確実に増えていったのも財産でもある。
ただ、元々オンライン日本語教師をはじめた理由であった、海外の人とコミュニケーションを取りたい、だとか、英語を話す機会が欲しいにせよ、関わりたい人を「自分自身」が選択する、という働き方・生き方において重要視したいポイントを再認識することができた。人生の舵を取るのも自分だし、主導権は常に私にあることを忘れないでいたい。
ということで最後は私の価値観を綴る内容になってしまったが、合う合わないがあるだけで楽しんで日本語教師をしている人も多くいると思うのであくまでも私の経験談に過ぎないと思ってもらえたら幸いです。
とにかくスッキリ手放せて私の心は清々しい!
writer :Jamy
世界観コーディネーター兼 地球を楽しむ旅人ライター。子供が1歳になったタイミングで起業。50カ国以上の渡航歴を持ち、旅を通して、役割にとらわれがちな女性の自己開放を促す、旅コミュニティ・地球クラブを主宰。合言葉は「地球のどこかで待ち合わせ」。面白くて愛せる働き方応援。
広島出身 鹿児島在住
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