読書日記『Unlearn 人生100年時代の新しい学び』柳川範之・為末大
スポーツの世界では、常に進化するためにはただ単に体を鍛えるだけではなく、フォームや力の出し方を修正していくことが求められるそうです。
これまで積み重ねてきた知識や経験、スキルを一旦手放してニュートラルな状態から捉え直してみる、アスリートが無意識におこなっているこの一連のプロセスはアスリートだけでなくビジネスの世界でも取り入れられるべきだとしています。
この本の構成はこのようになっています。
1. アンラーンとは何か
2. アンラーンの実践
3. アンラーンを阻む壁
4. アンラーンを武器にする
全体を通して訴え続けているのが「アンラーンとは思考のクセを捨て柔軟な発想をしよう」ということになります。
「アンラーン」とは学習したことを捨てるとか忘れることではなく、「クセ」や「思い込み」をリセットして修正することなのです。
人は「いつもと同じ」であることが心地よく、それを好きなことだと勘違いしています。
適応しているのはその環境にだけであって、それはスキルではなくカルチャー対応スキル(他で役に立たない)と手厳しいですが、それに気づいていない人がいかに多いかを憂いているようです。
また、「ここまで頑張ってきたから」とか「お金つぎ込んできたから」というサンクコストが新たな発想を阻んでいます。
現状維持したいなど様々なバイアスもアンラーンを阻む要因としています。
それでも世界は変化し続けています。
環境の変化と変化しない自分。
そこに「ズレ」が生じたことに気づかなければ差は広がるばかりです。
これから先の未来を、今までよりもう少しスムーズに、よくチューニングされた状態で生きていくために能動的に「変化」すること、それがアンラーンであるということがわかりました。
個人的には、もう少しビジネスでの応用例なども提示してほしかったところですが、「立ち止まって見直す」というマインドフルネスはとてもいい方法なのではないかと感じました。
見出しに使った画像は以下の記事から引用しました。
新しいマントラwww、いいですね。