肥満の若者にゴールデンキウイはいいらしい
Beneficial Effect of Golden Kiwifruit Consumption in Overweight and Obese Young Adults
Hsin-Yi Yang et al. J Nutr Sci Vitaminol, 66, S356-S360, 2020
ビジュアルでも使っているあのCMの歌は一度聴くと頭から離れない。
そんなにストイックにがんばらなくていいんだよ、というメッセージには泣きそうになる。そんなにがんばらなくても、美味しいキウイを食べればヘルシーでいられるというのはありがたい。
栄養豊富で美味しいフルーツ、それは皆が納得していることだと思う。
さらに肥満の若者への健康維持効果の可能性を検討したレビューが台湾から報告された。
この試験では、22名の肥満の方に1日2個のゴールデンキウイを6週間食べてもらい、血液検査や血圧の変化を見たというもの。
結果は、まず体脂肪が減少した。体重やBMIに大きな変化はなかったものの、ウエストとヒップのサイズが減少傾向にあったようだ。食事は試験前と同じようにとってもらい、摂取カロリーは僅かに増えたがキウイを2個追加した分だと考えられる。
次に、収縮期血圧の変化を見たところ、もともと125mmHgを超えていた群で132mmHgから125mmHgに低下した(p=0.031)。このことから、ゴールデンキウイは肥満者の体組成を改善し、正常高値高血圧の人の血圧を低下させ得ることが示された。
変化がなかった項目としては、空腹時血糖、HbA1C(ヘモグロビンエーワンシー)、脂質(LDL-C、HDL-C、TGなど)、AST、ALT、MDA、FRAPなどとなっている。アディポネクチンや血漿中レプチンなどのアディポカイン(脂肪細胞から放出されるタンパクで糖尿病発症抑制に関与する)にも変化はなかった。
免疫機能に対しては、サイトカインの変化を見ている。6週間後に炎症性マーカーであるTNF-α が減少していたものの、IL-6(インターロイキン-6、炎症性サイトカイン)には変化なし。他にはアンジオテンシンⅡ(動脈硬化の原因となる)も低下(p=0.007)となっている。
ゴールデンキウイは栄養豊富で、数多くのファイトケミカルを含んでいることは知られていた。冒頭のCMでもその栄養素の含有率の高さを前面に打ち出しており、優秀な食材であることは多くの人に知られた事実である。しかし、体組成への影響や、免疫機能にまで踏み込んだものはなかった。肥満は体内に慢性炎症を引き起こすことで生活習慣病を発症する。今回、炎症性マーカーの一つTNF-α の減少が見られたことはとても意義があると思う。血圧についても多くの慢性疾患に関連していることから高血圧を抑える傾向はプラスになる。22名という少ない被験者の結果ではあるが、1日たった2個のキウイを普段の食事にオンするだけで、こんなにいい結果があるのならやってみる価値はありそうだ。
ストイックにやっても続かない
ヘルシーは好きなことを楽しみながら
キウイ キウイ キウイを食べよう
甘くて 完熟で 栄養たっぷりで
アゲリシャス
だめだ、また頭に流れてしまう。でもZespri の回し者ではありません。