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在住者目線、フィンランドのワーホリ制度について

※ 私はワーキングホリデービザで滞在していないので体験談とかではなく、あくまで在住者から見た所感です。

出来立てほやほやの、ワーキングホリデー制度

フィンランドでは、2023年8月からワーキングホリデー制度ができました。
18−30歳までの若者が、申請すれば1年間ワーホリビザで滞在することができる。その間は何をしてもよい(もちろん法に触れない範囲で)。なので、働いてもよい、学校に行ってもよい、旅行してもよい。起業してもよい。ということだそうです。これを逃せば一生ないかもしれない憧れの北欧ライフ!少しでも経験してみたい!と思っている人への検討材料にどうぞ。
(制度やビザについて詳しく知りたい人はオフィシャルな情報を調べてください。)

フィンランドのワーホリって意味あるのか?

このワーホリ制度について知った時、これが私の最初の所感でした。まぁ私は年齢的にも対象じゃなかったし、外野の意見としてなんだけど。

だってさ、私が思うに、多くの日本の若者にとって、ワーホリって英語圏でやってこそ意味があると思うんだ!?(大学の語学専攻で北欧文化やフィンランド語をやってる人は別だけど) 中高といやいやでも文法や読み書きをならってきた英語を実践で使う場が欲しい>留学もいいが、働く経験でこそ得られるものがあるだろ>とりあえず海外にいくンダ!>>>ワーキングホリデーに行こう!というのが王道だと思うのです。やはり英語を話し始めるハードルを超える経験を若いうちにしておくのはいいことだろうし、とりあえず海外にいって否応なしにしゃべってみる。というのはいいことだと思う。

でもさ、やっぱりフィンランドだと、英語を学ぶ!みたいな要素は超弱いんだよな。できて当たり前ではあるけど、雨嵐のように英語が降ってくる環境ではない。だから海外に行って英語も使って、と思っている若者にはおすすめしないなぁ。と思っていました。

フィンランドワーキングホリデーを考えている人に現実を少しだけ伝えよう。

ややネガティブに書きはじめたけど、私は別にフィンランドにワーホリに来ること自体に否定的な訳ではないんです。ただ、もし、フィンランドのワーホリを考えている人がいるなら、私が見てきたワーホリでやってきた人たちの「それは聞いてない!思ってたのと違った!」エピソードをちょっぴり紹介したいと思います。

01  仕事思ったより見つからない>物価高くて生活きつい。
はい、英語ができれば、何かバイトくらいあるだろうと思ったそこのあなた。基本的に、英語だけでできる簡単な仕事は今フィンランドにたっくさんいる移民たちが長期的に支えているので、あまりないです。そもそも、帰ることが決まっているよその人を雇って教育する意味がないんですもん。

昨今、ウクライナのこともあったりで、フィンランドは難民を含む移民層が厚いです。そして、政府も国民も(ともすればタダ飯を食いがちな)この人たちをなんとか働かせて納税者にしなければと思っている。そしたら、数少ない英語でできる仕事はまず職に困ってる居住者(なんならフィンランド語習得中)にやってもらった方がよいんです。

ワーホリの人たちには特に社会保障をしてあげなくていいしそのうち帰るし、別に急いで納税者にならなくても、生活してお金を落としていってくれればよいよーという労働市場のめちゃくちゃ弱い立場になることをお忘れなく。

02   6月−7月、12月 何も進まない。
フィンランドの労働者は7月が夏休みです。(職場によるがおよそ1ヶ月)クリスマス休暇は、1週間ー2週間くらい。ね、そしたらさ、それでも1年のうち10ヶ月くらいは稼働してると思うやろ?違うのよ。もう5月くらいから、夏休みモードなわけで、冬の11月の暮れから冬やすみモードなわけ。つまり、新しい人を雇おう。とか、アプリケーションに目を通うそう。みたいな自分のビジネスのメインじゃない作業は、うーん、休み明けでいっか。みたいな扱いになるわけで、1年しか時間がないワーキングホリデー組にはモヤっとする待ち時間が発生するわけ。数ヶ月待たされて、あげく、祈られる。みたいな。だから、本当に、いつ何をするかとか計画してから来た方がいいと思います。仕事みつからなかったパターンプランBは必須。

03   サマージョブは現地大学生がかっさらう。
いやいや、夏休みが長いフィンランド、みんなが休む夏休みは、バイトの空きとかあるんじゃない!? これさ、それはそうなんだけど、まず、まともなオフィス系の仕事のサマージョブは、1−2月とかに求人が出て、春くらいには決まってるらしいのよ(主に現地の学生に) ほんで当たり前なんだけど、接客系は、フィンランド語が必要だし、春くらいから探して、ひょいっとバイトを見つけるパターンあまり成功例を聞いたことがないです。(たこ丸が知らないだけであるのかもしれないけどね。)

追記:これ、ヘルシンキを中心につぶやいてるけど、観光客が多いラップランドとかなら話が違うかもしれない。クリスマスシーズンとか需要あるのかも。(しらんけど)

04   冬が思ったより辛い
幸せな国フィンランドに憧れてきたみなさん。この国は、同時に鬱大国・自殺大国なんです。前にこっちに住んでる誰かが、「フィンランドが幸せランキング一位なのは、フィンランドで幸せを感じられない人は出て行ったか死んだかだからだ」と言っていて吹いた。(さすがに言い過ぎだろ、とは思ったけど) とにかく、秋以降は連日の曇り空、閉鎖的な雰囲気に落ち込む日があることは覚悟してきてください。

ワーホリの人、めっちゃしっかりした人が多い

そんな感じなので、フィンランドのワーホリは気候のよいオーストラリアの農場でバイトしながら英語を練習して。みたいな感じではないようなんですが、フィンランド人パートナーとの関係を見極めるための移住体験、フィンランドで大学院に行きたい人の居住体験、フィンランド語の語学留学、スタートアップの盛んな北欧でスタートアップ起業、といった形でしっかりした目的を持ってワーホリ制度を使いこなしている人も結構みかけます(というか目的がある人しか残ってないのかな)特にスタートアップなどは制度も充実しているし、起業してみるのはいいかも。本当にこの国では、「自分で仕事を作る」心意気じゃないと、なかなか外国人が働くことは難しいんだろうな。(私もがんばろ)

でも、もし本当にフィンランドで学びたいなら圧倒的に大学

やはり、教育大国フィンランド、学ぶ意欲がある人への環境は素晴らしいです。でも!やっぱり、正規の学生になると開ける世界が圧倒的に違う。本当に。 だから、交換留学でも大学院留学でも、なんなら専門学校とかでもいいので、フィンランドで学びたいと思う人は、留学を検討するのがおすすめと個人的には思っています。

それでも語学学校や、大学のオープンクラスも充実してるんだけどね。

ではまた!!



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