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今だから知ってほしい お金のはなし[6]

6月末は多くの企業でボーナスが支給される月でしたね。
今年はコロナ禍から経済がだんだんと回復し、いつもより多くボーナスを受け取ったという方も多いのではないかと思います。

給料を受け取った際、みなさんは給与明細のどこを確認していますか。給与明細には、支給額のほかにたくさんの項目が書かれていますよね。それぞれ徴収されたお金がどのような内容で使用されているかを詳しくは知らない人もいるかもしれません。これらの項目は、私たちの生活に欠かせないお金に関するものなのです。

今回は、給与明細の見方と項目の詳細について知識を身につけましょう。

■給与明細を改めて確認しよう!

給与明細には、2つの支給額が記載されています。ここではまず、2つの支給額と実際に受け取る「手取り収入」との関係を改めて確認しましょう。

「総支給額」は額面給与といい、会社から支払われる総額です。ここから税金、社会保険料を差し引いた額が「差引支給額」です。この金額が「手取り収入」で、みなさんの手元に届く金額になります。

給与明細に書かれた2つの支給額はこのような関係になります。
   「総支給額」-「税金」-「社会保険料」=「差引支給額」

給与を受け取った際は読み違えることなく、「差引支給額」を確認して家計管理をしましょう。

『中学生から身につけておきたい賢く生きるための金融リテラシー』より

■給与明細の「社会保険料」ってなに?

総支給額から差し引かれている項目の中で、みなさんは「社会保険料」がどのようなお金か知っていますか? 今回は、「社会保険料」について詳しくみてみましょう。

社会保険料は、ケガや病気、介護など社会的に困っている人へのサービスを提供するしくみである「社会保険」を運営するための費用です。

社会保険は主に4種類に分けられます。

(1)健康保険

業務外でのケガや病気などで補助を受けるための保険です。
通院時に保険証を提示することで、保険適用内の医療費の自己負担額が少なくなるように定められています。

【医療費の自己負担額】
・75歳以上・・・・・・1割負担
・70歳以上・・・・・・2割負担
(現役並の所得のある70歳以上の高齢者・・・・・・3割負担)
・6歳以上・・・・・・3割負担
・0~6歳未満・・・・・・2割負担

このように少ない医療費で治療を受けられるのも「健康保険」のおかげなのです。

(2)年金保険

高齢となったり生活が困難になったりした際に生活費を補助するための保険です。日本には、公的年金制度が定められており、2種類の年金があります。

・国民年金
20歳以上のすべての人が加入。基礎年金ともよばれる。
・厚生年金
会社員や公務員が加入。会社員や公務員は国民年金との2種類に加入することになる。

年金を適切に納めることは、将来の自分の財産を生み出すだけでなく、いま年金を必要とする高齢者を支えるためにも重要な役割を担っています。

(3)労働保険

労働保険は、雇用保険と労災保険の2つの保険の総称です。どちらも働く上でのサポートとなる保険です。

・雇用保険
失業時や休業時などに給付金を支給し、再就職などの援助を行うための保険です。これにより失業給付金や育児休業給付金などが支給されます。
・労災保険
業務中や通勤時におけるケガや病気などに対し支援金を支払うための保険です。この保険はすべての労働者に適用され、雇用形態の条件はありません。

(4)介護保険

介護が必要なときにサービスを受けるための保険です。40歳以上の人の加入が義務づけられています。サービスを受けられる条件は以下のとおりです。
・65歳以上・・・・・・要介護認定により介護が必要と認定された場合
・40歳~65歳未満・・・・・・特定疾病により介護が必要と認定された場合

みなさんの生活の中にはさまざまなリスクがあります。そのため多くの保険によりみなさんの身体や生活が守られています。社会保険料は、その制度を続けていくための重要な資金なのです。

『中学生から身につけておきたい賢く生きるための金融リテラシー』より

■お金についてもっと知りたくなったら!

今回ご紹介した「給料・社会保険料」について、ジャムハウスから発売している『中学生から身につけておきたい賢く生きるための金融リテラシー』の第4章で詳しく説明しています。

第4章では「家計管理とライフプランニング」について学べます。また、他の章では「お金の使い方」、「銀行のしくみ」、「貯蓄」などについて解説しており、お金に関して広く学べます。
「中学生から~」と書名にはありますが、初歩からお金について学びたい大人の方にもぜひオススメしたい一冊です!

「全国学校図書館協議会 選定図書」に選ばれました!

『中学生から身につけておきたい賢く生きるための金融リテラシー』
著:子どもの学び編集部
執筆協力:宮下由多加(みやした ゆたか)

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