【プログラミング教育】高校で必修化 共通テストの出題方法は?
小学校、中学校に続いて、2023年度から高等学校でもプログラミングが必修になりました。プログラミングを学ぶのは「情報Ⅰ」の授業の中。情報Ⅰは2024年度(2025年実施)の「大学入学共通テスト」から、国立大学などの受験で原則必須となるため、注目されています。情報Ⅰでは、どのようなプログラム言語を使い、大学入学共通テストの出題内容はどのようになるのか、見てみましょう。
情報Ⅰで学ぶこと、教科書で扱う言語は?
まず、情報Ⅰで学ぶのはプログラミングだけではありません。授業内容には、情報モラルなど情報社会の問題解決、デジタルを用いたコミュニケーション、コンピュータの仕組み、情報通信ネットワークの仕組みなどがあります。コンピュータ、デジタル、通信など、さまざまな情報活用に関わる資質、能力を身につけるための科目なのです。プログラミングは情報Ⅰの中の「コンピュータとプログラミング」を学ぶ単元で登場します。
プログラミングの授業で学ぶ言語については、文科省で特に定めていません。特定の言語に習熟するのではなく、プログラミングの考え方を身につけることが目的だからです。ただし、何らかの言語を想定した方が学びながら理解を深めやすいため、それぞれの教科書では特定の言語を使いながら、プログラミングについて解説しています。主な教科書と、扱われている言語は次のとおりです。
プログラム言語として、Pythonを使用している教科書が多いことがわかります。
Pythonの特徴は、書きやすく、読みやすいこと。シンプルで簡潔にプログラムを書くことができるため、学びやすいプログラム言語です。使用用途として、ディープラーニングやAIなど、データ分野や機械学習の分野でも採用されています。学びやすく、実践的なことが特徴のプログラム言語と言えます。
共通テストにおけるプログラミングの出題方法
国立大学などで、共通テストの情報Ⅰが必須になりますが、どのような出題方法になるのでしょうか。情報社会の問題解決、コンピュータや通信に関する知識を問う問題が出るほか、プログラミングに関する出題もあります。このとき、特定の言語を学んだ受験生だけが有利にならないように、問題文は「疑似言語」で作られます。
以下は、文部科学省が令和3年3月に公開した「情報」のサンプル問題からの抜粋です。
01~04行では、配列や変数の指定を行っています。これらは、数式のみで示され、自身が習得したプログラム言語に関わらず理解できるものです。
05行は、「mを0からアまで1ずつ増やしながら繰り返す」のように、日本語で記述されています。繰り返し処理に関するプログラムは、言語によってコマンドや文法が違うため、処理の内容が、誰にでも分かる疑似言語で記述されているのです。
問題に正答すれば、言語に関わらず、プログラミングの考え方について理解していることがわかります。
現在の高校1年生が受験する2024年度には、いよいよ共通テストの「情報」必須が始まります。教科書以外の教材として、プログラミングを学べる書籍を採用している学校も増えてきました。
小社ジャムハウスの『高校生からのPython入門』も、商業高校などさまざまな高校で教材として採用していただき、学年単位、クラス単位などでご活用いただいております。コンピュータの仕組みなど、「情報Ⅰ」に則した内容を盛り込み、Pythonを例にしながら、プログラミングの考え方について学ぶことができます。