今だから知ってほしい お金のはなし[8]
毎月、食料品やガソリンの値上げが報道され、物価の上昇が止まりませんね。そのような中でも少しずつ将来に向けて貯蓄をしている方も多くいるかと思います。
しかし、物価が上昇するとお金の実質的な価値は下がってしまうため、ただ貯蓄しているだけでは今の時代、お金は増えていきません。今後も、経済的な負担は厳しい状態が続きそうですが、そのような中でどのように貯蓄を増やしていけばよいかを考えましょう。
■“物価”がお金の価値を左右する
貯蓄を増やす工夫を考える前に、なぜ物価が上昇するとお金の価値は下がってしまうのかについて簡単に確認しておきましょう。
物価が上昇することはつまり、モノの価格が高くなることです。
たとえば、2月には1個100円で買えたハンバーガーが、8月には1個200円になっていたとします。
このとき、1000円を持ってハンバーガーを買いに行くと、2月は10個買えたのに対し、8月は5個しか買えません。
つまり、2月の時点では1000円はハンバーガーを10個買える価値があったのに、物価の上昇により8月には5個しか買えない価値に下がってしまったことになります。このように、物価が上昇することでお金の価値は実質的に下がってしまうのです。
■将来のために「投資」を検討する
貯蓄を増やすために何をすればよいのか。今回検討したいのは「投資」です。投資はリスクがあるというイメージが強く、抵抗がある人もいるかもしれません。ですが、正しく理解した上で投資を行えば、将来のために役立ちます。
○投資ってなに?
「投資」とは、値上がり益や分配金で収益(リターン)を得ることを見込み、株式や投資信託などの金融商品を購入することです。投資を行い、収益を得る流れは以下のようになります。
投資家が証券会社や銀行などを通じて金融商品を購入する
↓
投資先の企業の業績が良くなると、株価が上昇する
↓
・株価が上昇したタイミングで金融商品を売却し、収益を得る
株価が上昇することで、買ったときの金額との差額がプラスになるため、その差額分が収益になります。
・そのまま保有し、業績に伴って受け取れる配当金や分配金を得る
たとえば、企業の株券を保有している場合は、保有している数に応じて、企業の利益を還元するための配当金や株主優待が受け取れます。
○「リスク」の確認が不可欠!
投資を行うにはやはり「リスク」が伴います。利益を考えるだけでなく、事前にリスク管理ができるように理解しておきましょう。
もしも投資先の企業が業績不振になってしまった場合は、株価が下がり、最終的に金融商品を購入したときより株価が下がる「元本割れ」が起こることも考えられます。
投資を行うのに「リスク」がゼロになることはありません。リターンとリスクは必ず比例する原則があります。つまり、大きなリターンを求めるほどリスクもそれに応じて大きくなるということです。
そのため、投資を行う上でリターンを取るかリスク回避を取るかをまず考えて、リターンとリスクのバランスをみて金融商品を購入することが重要です。
投資において「ローリスク・ハイリターン」は存在しません。甘い言葉にのせられることが一番リスクがあることを念頭に置いて投資先の検討を行いましょう。
■お金についてもっと知りたくなったら!
今回ご紹介した「投資」について、ジャムハウスから発売している『中学生から身につけておきたい賢く生きるための金融リテラシー』の第5章で詳しく説明しています。
第5章では「投資やローン」について学べます。また、他の章では「お金の使い方」、「銀行のしくみ」、「ライフプランニング」などについて解説しており、お金に関して広く学べます。
「中学生から~」と書名にはありますが、初歩からお金について学びたい大人の方にもぜひオススメしたい一冊です!
『中学生から身につけておきたい賢く生きるための金融リテラシー』
著:子どもの学び編集部
執筆協力:宮下由多加(みやした ゆたか)
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