F値とか、シャッタースピードとか
うんざりですよね?
スマホに当たり前のように高画質なカメラが搭載されている現在、「スマホで十分」と思う方がおそらく大半を占めるなか、カメラで写真を撮ってみたい!と思う方も少なからずおられると思うのです。
僕も今でこそ写真撮影を仕事にしていますが、趣味写真のスタートはスマホからでした。でも、一眼カメラならもっと綺麗な写真が撮れるかもしれない。そんな幻想を抱き、2020年に今のカメラを買いました。
そこで直面するのがカメラの専門用語の多さの壁だと思います。F値?シャッタースピード?ISO?勘弁してほしいです。
カメラを買ったばかりでよくわからないけど、これらの用語をマスターしなければならないと思っている方は真面目な人なのだと思います。
なぜなら、現代のカメラならこんなことは知らなくても写真は撮れるからです。これらの知識があることで、写真の幅がぐんと広がったり、あらゆるシチュエーションに対応できるようになるのは事実です。しかし、それらを覚えていくのは一つ一つでいいし、なんなら後回しでもいいとすら僕は考えています。
僕は2020年にカメラを購入してから、実に1年以上フルオートで撮影を行っていました。
画面に表示される数字やアルファベットが何を意味しているのか、全くわかりません。わからないまま撮っていました。それでも楽しかったんです。最初からついてくるあまり性能の良くないレンズを使っていましたが、ズームで撮るだけでそれなりに背景のボケたそれっぽい写真が撮れます。それが堪らなく嬉しかったんです。
とにかくボカせる上に、スマホと差別化ができるという理由で僕は望遠の魅力にハマっていきました。
オートでとにかく撮ります。カメラ内でフィルターをかけられる機能があったので、とにかくビビッドなものをあてがって、さらにそれを自撮りアプリで加工する…みたいな今思うとヤバいこともやっていました。画質もガビガビな上、彩度もおかしな写真でしたが、とにかく何かを作るのが楽しくてしょうがなかったんです。
これは2021年ごろの写真たちです。今はこのトーンにはしませんが、これはこれで目を引く色をしているかもしれません。jpegデータをさらに編集していたため、画質は劣化しまくっています。
話は脱線しましたが、とにかく僕が伝えたいのは、カメラで写真を楽しむのにF値だのなんだのを理解する必要は全くないということです。
カメラを持って外に出て、好きなものを撮るだけでいいんです。シャッターボタンを押すことが大事なんです。
そのうち壁にぶつかるかもしれません。ここがどうしても白く飛ぶ、とか、もっと背景をぼかしてみたいとか。ボケに関してはレンズの性能に依存するところもあるので難しいところですが、白飛びや黒つぶれに悩んで考えるというのは、露出を理解するいいきっかけになります。
僕はこの露出を理解するのに2年かかりました。飲み込みの早い人は1日でマスターするでしょう。用語がややこしいだけで、それくらい単純な仕組みではあります。
そして最初に言ったF値、シャッタースピード、ISOは実は3つともこの露出、すなわち明るさを調整するための機能なのです。そこにブレやボケやノイズなどの追加要素が絡んできます。
何度も言いますが、これらを理解してから写真を撮ろうと思うのは順番が違うように僕は思います。
フィルムの時代ならさておき、デジタル化されてフルオートで撮れてしまう今、僕たちがやるべきはやっぱり写真を撮ることだと思います。難しい設定はあとでステップアップしたい時にYouTubeを見て一つずつ覚えましょう。そして体験と照らし合わせてください。
カメラをお持ちの方はカメラを持ち出して、ダイヤルをautoに合わせてシャッターを押してみて下さいね。