サンドランドの映画見た話
「あー面白かった!かーえろ!」
エンドロールが終わった時、前の方の席で見ていた小さな男の子が大きな声で言った。劇場内は爆笑に包まれ、なぜか拍手が起こった。
この時の男の子の感想は、まさにみんなの気持ちを代弁していたと言えるかもしれない。
映画サンドランドは見終わった後に「あー面白かった!」そう言うしかない、清々しいエンタメの暴力だった。
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僕は鳥山明のファンだ。世界中にもっとマニアがいるとは思うので、ファンというだけにとどめておく。生まれて初めて読んだ漫画が「ドラゴンボール」の24巻であり、初めて見たセリフがギニュー特戦隊リクームの「こいつでフィニッシュだ!」というものだったところまで覚えている。
そしてドラゴンボールの連載が終わって、鳥山明は短期集中連載で、単行本一冊分くらいの作品をいくつか残している。そのひとつが「サンドランド」である。
彼は絵本のような世界観が好きらしい。「COWA!」を見ていると、本当にやりたかった漫画はこういうのかなとも思う。
そして「サンドランド」は戦車やかっこいいじじいや純粋な少年が大活躍する。こちらもメカがよく出てくるのを見るに、鳥山明の趣味が全開だといえるかもしれない。しかし「COWA!」と違うのは、比較的メッセージ性があるというか、シリアスな要素も含んでいるという点だ。それでいてシュールな脱力系ギャグは鳥山節が全開だし、ハッピーエンドの読後感は最高である。だから僕はサンドランドという漫画が好きだった。
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本作が映画になるということで、観に行った。
「あー面白かった!」と言うしかなかった。色々書こうと思ったけどこういう感想しか出ない。大人も、あの小さな男の子もみんな同じ感想を抱けるって実はすごいことなのかも。
サンドランド、超面白かったから劇場で観てね。