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子どもへの早期英語教育に対する己の違和感について考えてみた

ウキウキ三連休です。
が、月曜の祝日は、National Day for Truth and Reconciliation といって、カナダが過去に先住民の人たちに対して行った非道な政策等について反省する日(?)なので、お祝いとか、楽しい祝日ではないんですけどね。

↓ このへんで前にも書いた、カナダの暗い過去を振り返る日であり、その犠牲となった先住民の子どもたちを偲んで、オレンジ色の服を着ようということで、オレンジシャツデイと言われたりもします。

なんかそういうイベントとか祝日にするというのもどうなんだ、という気がしなくもないですが、年に一度、過去の行いを反省する日があるのは良いことかもしれません。

前置きが長くなってしまった。
まあ、三連休でヒマなので、またnoteを書こうと思った次第です。
いろいろと書きたいなあというネタはあって、下書きにタイトルとかメモみたいのは置いてあるんですが、今日はなんとなく今、ぽわっと頭に浮かんだ標記の件につきまして、つらつらと書いてみようと思います。
(と言いつつ、書き始めてからポイントが見えてタイトル変えた… 本当は別のテーマについて書くつもりだったのだ)


子どもに英語で話しかける親御さん

私は育児とか教育界隈のネタについては全くの門外漢なんですが、それでも、今の日本って子供が小さいうちから英語に触れさせるっていうのがすごく増えてるみたいですね。

この間、Twitterでたまたま流れてきたショート動画。何歳くらいなんだかよく分かりませんが、四歳くらい?の小さい女の子に、お母さんが英語で話しかけていて、「おお、これが噂の…」となったのです。
結構有名な配信者さんなんだろうか。海外在住なのかな?と思って、インスタまで飛んでプロフを見たら普通に日本にお住まいのようでした。
どの動画でもお母さんはわりと英語で話しかけていて、でもその子は普通に日本語でしゃべっているので、なんかちょっと不思議というかなんというか… 細かい背景とかよく分からんので、何とも言えないんですが、でもこういうご家庭が増えているのかなーとぼんやり思ったのです。

そういう、早期の英語教育に熱心な親御さんが増えているっぽい、というのは何となく感じてはいたんですが、初めてそういう動画を見て、おお… と少し圧倒?されたといいますか。
本当にあるんだな、こういう世界が… と思ったのです。

日本に住んでいる友達で、小学生の子供がいる友人も、就学前がら英語を習わせていたとか何とか言っていたな…
まあ、英語を習うといっても、お歌を歌ったりとか、手遊びとかゲームとかそんな感じだったと思うんですが、今は小学校から英語の授業が始まるので、抵抗感をなくしたり、準備という意味もあるのかなー。

しかし、家で親御さんが未就学児に英語で話しかけるっちゅうのはなかなかスゴイな… と驚いたんですよね…

何を目指しているのか?

なんかケンカ売ってるみたいな言い方になってしまって申し訳ない。煽ってるわけじゃないんですよ!単純に疑問で、興味がわいたんですよね。
まだ小学校にも上がらない我が子に英語で話しかけて、一体何を目指しているのだろうと… なんか言い方がアレだな。目標?目的は何なのかなあと思ったのです。

(バイリンガル教育というか、小さいうちから他言語を学ばせることのメリットデメリットについてはいろんな言説があるし、私もよう分からんのでここでは言及致しません)

いや、分かるよ!他言語を学ぶなら少しでも早い方がいいというのは。子供のうちに仕込めば(言い方)ネイティブレベルになれるというのも、それを目指す親御さんたちがいても何の不思議もないというのも分かる。

(ネイティブレベル=ネイティブスピーカーレベルの略ということでお読みください)

しかし何だろう、この違和感は。
そう、違和感を持ったんですよ、私は。子どもへの早期英語教育に。

いや、これも分かるよ!日本はオワコンと言われて久しいし、人口は減り続けて国力は落ちる一方だから、子どものうちに英語を身につけさせて、国際的に活躍できるような人間になってほしいと願う親心!めっちゃ分かる。
そう、「国際感覚を養う」とか、「海外に通用する人に」ってやつですな。

しかしだ。
やはり私の違和感はどいうわけか拭えない。なぜなんだ。

そもそも、「海外に通用する人材」とか、「国際的な人」って何だ?

なんか日本の大学とかの謳い文句によくありがちなフレーズなんですが、結構聞きますよね… こういうのを目指している親御さんが多いのかな?と推測。
でもこれ、じゃあ、具体的にどんな人?って考えると、なんかあんまり浮かばないというか…
まあ、英語ができるのは前提なのかな… 英語ができたら、海外の人たちとそれなりにコミュニケーションが取れるもんね。
あれか、商社マンとか、海外を相手に仕事する人のことかな?

しかし… 実際に日本で海外を相手にする仕事って… 私の過去の経験から言わせて頂きますと、もうほぼほぼ相手はアジア諸国なんだよね…
多いのは東南アジアですね。なんでかっつーと、生産工場をそういうところに作るからなんですね。私が過去に働いていた数社でも、営業部の部長だったおじさんが大連の工場長になったり、営業部門にいた男性たちが、生産拠点のあるインドネシアに駐在になったり、私も輸出入の関係で、台湾とやりとりしていたことがあります。
つまり、英語圏とかヨーロッパ関連の仕事って、そんなに多くないんじゃないかなあと。もちろん会社や業界によるとは思いますが…

いや、それでも共通言語は英語だったので、やっぱり英語ができた方が、仕事の選択肢は広がる。これは間違いない。

駄菓子菓子。

そういう場で必要になる「国際感覚」って、英語がペラペラ話せて会議をグイグイ引っ張れるとかそういうことよりも、相手の国の人やカルチャーを尊重できるっていうのが一番の鍵なんじゃないかなーと個人的には思うんですよね。
ネットとか見てても、未だにアホちゃうかと思うんですが、アジア諸国を見下すようなことを言う人たちがいたり、海外に行って現地の食べ物をこき下ろしたり。そういうの、語学以前の問題だと思うんですよね。(まあ、普通に人として最低だよ!)あとは自分の国の政治経済、歴史や文化背景についてそれなりにちゃんと知識があって人に説明できるとか。(私もできんけど)

あとツイッターの海外在住勢の中で定期的に上がってくるネタですが、海外で生き抜くために必要なスキルは、語学力とか交渉力じゃなくて、「自炊力」「体力」「何でも抵抗なく食えるこだわりのなさ」「鈍感さ」等々っていいますね。
正直、私もこっちの意見に賛成です。

てか、実際に仕事で海外に行かされてる人たち、正直、英語や現地語がペラペラの人なんてほぼいませんでした… 
というか、そもそも「海外行きたいです!」とか、「海外駐在したいです!」みたいな人なんてほとんどゼロで、普通に日本で平穏に働いて暮らしたいと願う人たちが、ある日突然選ばれて「グェエ」「マジかよぉ」とか言いながら仕方なく発っていくみたいな感じ。(社費留学とかだとまた話は別ですが)

ネイティブレベルを目指す必要があるのか?

そして個人的にかなり強く思うのが、英語(に限らず他言語)をネイティブ(スピーカーの)レベルにもっていく必要があるのか???ということです。
私がカナダにいるからそう思うんだろうか。
たとえばイギリスのハイソな世界で暮らしてたら、やっぱそのクラスの英語が話せないと相手にしてもらえないとか?

正直、こっちで暮らしてると、まーみんないろんなアクセントでしゃべってるわけですよ。当然、文法がおかしかったり使う単語がちょっと変なこともある。けど、みんなそれでもバッチリ働いて、ビジネスやってたり、立派に生活を営んでいるわけで。(もちろん、きちんとした現地語を話す人にしか開かれない世界もあるとは思いますが…)
そういうのを見てると、果たして子供の頃から英語教育とかして、「ネイティブレベル」を目指す意味ってあるのかな?と思っちゃうんですよね…

これ、私自身のことを考えてみてもそうなんですよね…
学生時代から、英語は好きでも嫌いでもなく、海外にまったく興味なく、初の海外旅行は30歳の時。そのあとも特に「海外で働きたい!」とか、「海外に移住したい!」とか思うこともなく、ただ旅行するのに便利だろうな、というので、タラタラと英会話スクールに通ったりしてただけなんで…
でも、なぜか気づいたらカナダで永住権を取り、恐ろしいことにカナダ人に囲まれて英語で仕事をしているという… 人生何が起こるか分からん。

子どもの人生を先回りする感

多分、これが違和感の一番の正体なんじゃないかと思うんですが…

我が子の可能性を広げるために、英語を身につけさせたい!という切実な思いは痛いほどわかる。
分かるが、なんかその、その子が将来、そもそも海外に興味を持つかどうかも分からない、どんな人生を歩むことになるのかも分からないのに、先回りしてお膳立てしてあげる感に、おそらく私は違和感があるんだなーと。
(結婚すらしたことのない子なしの独身者の個人的な感想なので、ホント気にしないでくださいよ)

そもそも日本人のほとんどが、海外に行くことがない。
パスポートの保有率の低さがそれを表している。

まあ、国内経済が先細りしているし、インバウンド花盛りで、たとえ海外に出なかったとしても、日本国内で他言語を使う機会は確かに増えるかもしれない。
そして英語ができた方が、競争で有利になるのは間違いない。

だから、別に「早期英語教育なんてムダ」とか、やめろとかは思いません。
ただ、私や、周りの人たち、つまり海外に住んでいる人、他言語を使って仕事をしている人たちを見てると、子供の頃からそういう教育を受けてた人ってほとんどいないんですよ…
で、上にも書いた通り、そういう人たちの特徴(私も含めて)って、なんかもっとしょうもなくて、腹がじょうぶとか、現地で訳わからん料理が出てきても、とりあえず「何じゃこりゃ」って言いながら食うとか、グダグダな状況でも「マジかよー」って言いながらなんとなく乗り切れるって感じなんですよ。

じゃあ何が正解なの?

まあ胃腸がじょうぶとか、そういうのは努力でどうなるものではないんですが、「日本だったらこうなのに!」とか、そういう感覚の人はあんまりいない、というか、多分、早々に撤収していくのかな…

だから、個々の適性というのが大きいと思います。
早期英語教育も、お子さんが好きで楽しんでるならどんどんやったら良いと思う。でも、本人が興味ないとか嫌がるとかだったら、ちょっと考えた方がいいかも。
親子留学とかも増えてるけど、ホント、子供によって合う合わないがあると思うので、少しでもあかんな、と思ったらすぐ撤収で良いと思う…
なんというか、スイミングとかピアノとかと同じノリでいいんじゃなかろうか。なんかそこまでお金や労力を注ぐこともないんじゃないかなーと。

例のごとく何の話してるのかよく分からなくなってきたけど、まあ、小さい子に一生懸命英語を教えたところで、その子が将来、どういう人生を選ぶのか、どういうキャラの人間に育つのかはまったく分からないわけで。
なので、子ども本人や親御さんにとってストレスや負担になるようだったら、スパッとやめていいんじゃないかね、と。
なんか、そこまで一生懸命やることでもない気がする。いつか興味を持って自ら勉強し始めるかもしれないし、ずっと興味ないままかもしれないし。

だから早期英語教育なんてムダだ!とかそういうことではなく、その子が興味を持つこと、得意なことがあるんだったら、そういうことを優先した方がいいのかもしれない、と私は思うんですよね… さかなクンとかさ!(例が極端)逆にそっち方面から海外につながる可能性だってあるだろうし。(ゲームで海外の友達ができるとか聞くよね)

ちなみに私が4、5歳の頃、何してたかなあと思うと、近所の子と二人でせっせと泥だんご作ってましたね… 楽しかった… あの頃の集中力とか、胸躍る感じって、大人になるとなかなかないですね…

タラタラと考えながら書いたので、まとまりのない内容になってしまいました。
まあ、小さい子への早期英語教育に、私はそこはかとなく違和感があるんだなあという話でした。ネイティブスピーカーレベルを目指す必要がそんなにあるんかなあ?という疑問、語学力よりも実生活で必要、有用なスキルがあるんじゃなかろか、とか、そもそも先回りしていろいろやっても、その子がどういう人生を歩むかは分からんので、あんまり思い詰めなくてもいいんじゃないかなーという個人の感想でした。おわり~!


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