言うて、カナダもオワコンなのではないか疑惑
今日もヒマなので note を書く。なぜなら訳あって4連休だから。
昨日、日本は終わってるのか終わってないのか的な note を書いてて、ふと、じゃあカナダはどうなんだい、終わってるのかい、いないのかい!と思ったので、今日はカナダについて書いてみます。
↓ 予想通りあまり読まれてないw まあ自己満足ですからねこんなんは。
実際、カナダもヤバい
上の note を書いたあとに、Twitterで「どこの国の人も、自分の国ことを『終わってる』って言うもんだ」と書いているのを見て、確かに~と思ったんですよね。まあ、よく考えてみたら当然で、そこにずっと住んでる人たちは、その国や社会の問題点がよーく見えてるので、「もうこの国はダメだ…」と思いがちなんですよね。
永住権や市民権を取って、別の国に移住した人たちが、何年か経ってから「桃源郷なんてなかったんや…」ってなるのもこういう理由からですね。
私の場合、前にも書いた通り、カナダは消去法で選んだ上に、別に永住権を取るつもりもなかったので、比較的、何にも期待しないでやってきた方だとは思うのです。
それでもなーんとなく、「平和で、いろいろ安定してて暮らしやすそう」なイメージはありました。
まあ、実際それは間違いではなかったんですが、やはり7年とか住んでみると、いろいろと見えてくるわけで… それは今までにも何度か書いてきた通りなんですが。
↓ こんなシリーズも作ってしまう
上のシリーズでもさんざん書いた通り、特にここ数年で、カナダから出て行ってしまう人たちが増えておるのですよ。
↓ 「カナダ人」が、アメリカを始めとする諸外国へ出ていってしまうという話
↓ せっかく永住権や市民権を取った移民たちですら、カナダを去ってしまうというレポート…
何があかんのか
動画内でもさんざん言われておりますが、カナダがやべぇと言われてしまう要因は大きく分けて3つ。
①不動産高すぎ、住むところなさすぎ
②物価高すぎ
③医療ヤバすぎ
もうこれは全部まるっと同意でございます。
①については最近、留学生が増えすぎたせいだの一時滞在者が多すぎるからだの言われておりますが、どうなんでしょうね。個人的にはBC州とか特に、中国系富裕層による不動産投資の過熱によるものなのかと思ってたんですが、実際、2021年の外国人投資家によって購入された住宅の割合は、たった2%だったという調査結果が。
↓ こちらの報道によると、同じ年のBC州でのカナダ人以外による住宅の購入割合は、たった 1.1% だったとのこと!
https://www.cbc.ca/news/politics/foreign-housing-buying-ban-extended-1.7104533
一応、カナダ政府は 2022年から外国人投資家による住宅の購入を禁止していて、2027年まで延長されることが決定したようですが、記事中にもある通り、いろいろ抜け穴だらけらしい。よく知らんけど…
しかし、そもそも外国人投資家による購入率がそこまで高くないのであれば、この禁止法自体が無意味なもの、というか、現在の住宅不足、不動産価格高騰についてはまったく効果がないのでは…
という感じで、私もまったく詳しくはないのですが、今のところ、これといった解決策はない模様。
ついでに、たしかこれもBC州だったと記憶しているのですが、短期の貸し出しについて規制を設けたところ、ちょっと効果があったっぽい。
と思ったら、それはそれでまたいろいろ問題が出てるみたい。
↓ Airbnb 的な短期滞在向けに部屋を貸し出すには、家主もそこに住んでないとダメだよという州の法律が先月から施行されたという話。
やばい、長くなってしまいそうなので、サクサクいこう。
②の、物価高すぎ問題。これも、ウクライナとかなんかそのへんの関係で、燃料費やら輸送費やらが上がってるからなのかな~とボンヤリ思ってたんですが、実はそれだけではなく、カナダを牛耳る(言い方)大手スーパーが、実は不当に価格を釣り上げているのではないかという疑惑が…
↓ 人々が物価高騰に苦しむ中、大手スーパーチェーンが、記録的な利益を上げたというニュース
↑ アメリカやイギリスと比べても、突出して食料品の価格が高い。
というわけで、大手チェーンの代表たちに、トルドーが「ちょっとツラ貸せや」と呼び出し。
https://www.cbc.ca/news/politics/government-grocery-store-meeting-ottawa-food-prices-1.6967978
この記事の中にもある通り、価格高騰の原因は、小売りチェーンの強欲によるものだけではなさそうなんですが、特に私がガクッとなったのは、カナダ国内では、ほぼ三大チェーン(ロブロウズ、メトロ、ソビーズ)と、外資系の2大チェーン(コストコ、ウォルマート)によって市場が固められているため、十分な競争原理が働いていないという点でした…
ちょっと何で見たか思い出せないんですが、これはカナダが広すぎて、輸送経路の開拓?が容易でないため、他社の参入が難しいから… という理由があるみたい。かなC…
というわけで、この状況に激おこなカナダ民たちは、ついに「ロブロウズをボイコットしよう!」と立ち上がっております。
(全然サクサク書けてない気がする…)
③の医療。古くは、マイケルムーアの「SICKO」で、アメリカと比較してカナダの医療は無料だぜい!というシーンがありました。
今見たら、2007年の公開だったんですね…
これを見たとき、私はまだ日本におりましたが、単純に「カナダスゲー」と感心したんです。日本も3割負担で、そんなに高額ではないけれど、カナダはそれより更にすごい、医療がまるっとタダだなんて!と。
甘かった。
いや、きっとこの当時は本当に良かったのでしょう。
今は、医療事情のヤバさに失望して、カナダを去る人々がいるような有様。
(ちなみに医療費は無料と言いつつ、処方薬は自腹である)
そもそも、本来のカナダの医療システムというのは、個々人が、ファミリードクターと呼ばれる「かかりつけ医」を持っていて、何かあればまずそこへ相談。そして検査や手術の必要があると判断されれば、紹介状を持って大きな病院へ、という流れでした。
ところが昨今は、そのファミリードクターを見つけられない人たちが続出。
↓ この動画によると、300万人を超えるカナダ人が、かかりつけ医を見つけられず、ウェイティングリストに載っているという。(ちなみに私もです!)
私の周りに多いのが、以前はかかりつけ医がいたけれど、引退してしまって、新たなドクターを見つけられないというケース。
うちの大家さんもそのパターン…
で、そういう人たちが実際、体調を崩したときにどうするかというと、救急外来に自分で行くか、ウォークインクリニックに行くしかない。
しかし、ウォークインと言いつつも、実際は予約が必要なケースがほとんど。(そしてその競争が熾烈で、なかなか予約が取れない)しかも急に具合が悪くなったり、ケガをしてしまった場合は、悠長に予約なんてしていられないので、結局ほとんどの人は救急外来に行くことになる。
上の動画にもある通り、救急外来もパンクしており、待ち時間が半端ない。うちの大家さんは、なんと!20時間も待合室で待たされていました…
これは極端なケースとしても、緊急度、重症度によって呼ばれる順番が変わるらしく(まあこれは当然である)、よほどの症状でない限り、次々と患者が来てしまうと、どんどん後回しにされてしまうという現実…
どうしてこうなった/(^o^)\ って感じなんですが、イマイチその理由がはっきりと分からず… コロナのせいで?と思ったんですが、上の記事にもある通り、もともとのシステムの問題という話も…
とりあえず、医師や看護師などの医療従事者が圧倒的に足りないというのは間違いなさそう。
それが今の移民政策にも話がつながってきて、とにかく政府は医療分野の留学生、移民を増やすのに躍起になっているわけです。
しかし聞いた話によると、たとえ母国で医師などの医療従事者としての職歴、経験がある人でも、結局はまたカナダで学校に行かないとならなかったり、なんかいろいろハードルが高い模様。要は、移民をうまく活用できていないということですね。
それからこれもどこで聞いた話だったか記憶が定かでないのですが、カナダで医師として働くよりも、アメリカに行った方が稼げるということで、やっぱりこのあたりの人たちも、カナダから出ていってしまうという話…
↓ 今年1月の記事。オンタリオ州の一部の医療従事者の半数が、仕事を辞めることを考えているという内容。雇用条件にも問題がありそう。
https://www.cbc.ca/news/canada/sudbury/health-care-workers-anxiety-1.7077678
てなわけで、カナダもかなり「終わってる」といいますか、暮らしていくにあたり、かなり致命的な欠陥がいくつもあるという現実。
もちろんいいところもある
とはいえ、もちろんヤバいだけではないです。
カナダの良いところ… これはかなり個人的といいますか、主観的な内容にはなりますが、ふぁーっと考えてみると…
①(日本よりは)労働環境が良い
②(日本よりは)政治経済がマシ(な気がする)
③ダイバーシティ
こんな感じかなあ… これ!というのが浮かばん。
しかし前にも書いた通り、私はオンタリオ州に学生として住んでいた頃は、カナダにこのまま住もうとは思わなかったので、実際には住む場所との相性とか環境によってもだいぶ変わりそう。
①は、まあ多くの人が理解してくれると思うんですが、カナダが、というよりはやっぱり日本が異常…
今はだいぶ改善されてきてるのかなあとは思いますが、長時間労働が当たり前だったり、残業代が出ないとか、休日出勤や単身赴任が当たり前みたいな状況は、カナダではあんまり考えられないかなあ…(移民や留学生のように、立場が弱い人たちが搾取されているという問題はめっちゃある)
もちろん職場によるとは思いますが、日本みたく出勤時間は命に代えてでも厳守!みたいな風潮は無いし、休憩はしっかりとって、基本的に残業もなし。定時になったら(というか、なる前にも)サクッと帰宅。
てか、なんで他の国ではできてて日本ではできないんだろう… と考えてしまいますね… なんでなんだろう?戦後~バブルの「モーレツ」からの高度成長が忘れられない経営者が多いのか…?
②も… 上で見てきた通り、カナダも結構ヒドイな、って感じはあるんですが、しかしこれもまた悲しいかな、今の日本の政治が酷すぎて、それよりはマシかなあ… と。カナダに来たばっかりの頃、ニュース見てて、どういうわけか、「政治家が、国民のために働いている!」と思ったんですよね。何を見てそう思ったのかよく分からないし、まあちょっとナイーブが過ぎるような気はするんですが。
少なくとも国会で居眠りしてるような議員はいない(と思う)し、ちゃんとメディアの前に出てきてインタビューに答えたり、党首同士で公の場で討論するし。
そうそう、メディアもだいぶ、今の日本よりはマシだなーと思いますね。
↓ パンデミックの間じゅう、ほぼ毎日、メディアの前に出てきて情報発信していたトルドー。記者たちからの質問にもサクサク答えていた。
カンペがないとロクに話せない日本の与党議員たちとは全然違う。
③は、まあ、いろんな国からいろんな人たちが来てて面白いというか… 日本みたく排他的な感じがないのが良いなあと思っています。腹の中までは分からんけど、差別的な人間が少ないのもとても良い。
あと、これもまた日本との比較にはなりますが、同性婚を認めてたり、そういうところはいいよなあと。(ただし、トランスジェンダーを巡る問題はここにもあるので、このへんはまた細かく見ていかないとダメですね)
ヤバいけど、終わってるとまでは言い切れない…?
そんなわけで、かつては住みやすい国、移住したい国として人気を博したカナダですが、ここ数年でいろいろと状況が変わり、結構ヤバい国になりつつあるかもしれません。
が、じゃあ「終わってる」のかというと、うーん、そうも言いきれないかなあというのが個人的な考えでして…
なんかこう、日本と同じで、いろいろと問題は山積みなんですが、日本と比較して、まだこう… 改善される可能性を多少は感じられるといいますか… 別に根拠はないんだけど…
いや、日本も全然まだまだポテンシャルは秘めていると思うんですよ。みんな働き者だし、イノベーションとか、アニメやゲームとか、世界で戦っていける要素はめっちゃある。けど… やっぱ今の政治が根本的に変わらないと、少子高齢化も解決しないし、経済の低迷も打破できないよなあ…と。
だから、日本の場合は、ポテンシャルはあるんだけど、かなり大きな変換がないと、再び返り咲くことは難しいんじゃないかと思ってしまう。
(というか、別にかつてのようにハデに首位に躍り出る必要はなくて、今よりも政治経済が持ち直して、暮らしやすい状況になる、という意味です)
一方のカナダは、正直、これからも世界で脚光を浴びることもないだろうし(…)、住宅不足や医療システムの崩壊はこれからもしばらく続くだろうなあとは思いつつ、なんかこう… まあ、なんとかなるんじゃないのか…?という希望がまだ持てる。いや、私が甘いだけかもしれないが。
ちょうど来年に、総選挙(?というのか?)があるんですが、日本のような一党独裁(違うか… 自民党一強というのか)とはちょっと違ってて、カナダって、与党が時々変わるので、そういう面でも「もしかしたら…」という希望があるんですよね。
(いやでも、これも言うて、実は対抗馬の保守党も結構アレな感じだし、かといって今のままトルドー…?という微妙な雰囲気ではある…)
(そしてこれまた余談だが、トルドーって、首相になってからもうすぐで10年になるのね!最近はクソミソに言われているが、これは結構すごいのでは…)
やっぱり、人々の政治への関心度合いなのかなあ。
と思ってちょっと調べてみたけど、日本とカナダで投票率にそこまで大きな差はなかった…(まあ、10%くらい違うけど)(てか日本の投票率ってもっと低かったイメージ)
なんだかよく分からないですね…
結論を決めずに書き始めるとロクなことにならないという好例になったかと思います。
周りを見ていても、日本は過去に良い時代があったこともあってか、「もうオワタ」「もうダメだ」という人が結構いますが、カナダはみんなぶーぶー言いながらも、「終わった」とまで言う人はそんなに見ないんですよねー
って、そうか… そう思う人たちは黙ってカナダを去っていくからか… 英語ができる、アメリカが隣にある、そして何より、多重国籍を認めているから、「もうあかん」と思ったら、サクッと他の国へ移っていけるんですね…
まあ結論としては、カナダも日本も、ヤバい点は多々あるけれども、「終わってはいない」という感じですかね…
てか、「終わってる国」なんてそうそうないとは思うんですけどね…
ただ、個人的に、カナダの方が、なんか知らんけど、まだ希望が持てるような気がする… と…
でもまた日本に住みたいな、という気持ちはもちろん、めっちゃあるんですよね… せめて円安がなー… もうちょっとなんとかならんか…
ああ、グダグダグダグダと長くなってしまった。
結局またカナダのヤバい面をつらつら書いただけの内容になってしまいました。総括すると、日本もカナダもヤバい面はいっぱいあるけど、終わってない。そして個人的には「カナダの方が、ちょっとマシな気がする」ということで、こうして今も、カナダの東の果てで、生活を営んでいる… という状況ですね。ハイ…
まとまらない内容で申し訳ないです。
次回はもう少し、役に立つ内容を書けたらなあと思います。では…