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【メン・イン・ブラック】の4作品を続けて観た感想

最初に結論だけ書くと、私の評価(Tier)は以下の通り。

第1作:1997年:評価 = B+
第2作:2002年:評価 = D
第3作:2012年:評価 = C
第4作:2019年:評価 = B

(A=最高、B=大変良い、C=良い、D=悪い、E=最低、F=ごみ)

第1作が群を抜いて面白かった印象が強いかな。

第1作は文句なし。

Men in Black II (2002)

逆に第2作は観ててちょっと辛くなるほど退屈だった。失礼な言葉になるけど、正直ロザリオドーソンが可愛かったから最後まで耐えられたって感じ。

ただし製作時期が2001年夏で、ちょうど撮影期間とアメリカ同時多発テロが重なったので、そこは差し引いて評価する余地はあると思う。それを考慮すればC評価に上げても良い。

ニューヨークを舞台にする作品で、あの事件のインパクトはかなり大きかった筈だ。シンプルにロケ撮影などの物理的な制約も生じるし、もっと根本的な部分でも、作品全体のメッセージや爆破シーンの可否など含めて、どういう方向性に仕上げれば良いかでスタジオ内も意見が割れていたのではないだろうか。NYの街が壊される画は心の傷に響くし、かといって作風を大きく変えたら「映画エンタメがテロに屈した」とも見なされてしまう。

第2作だけで見られる生身の人間がトム&ジェリーのように派手に叩きつけられるコミカルな描写は、シリアスになりすぎないための工夫だったのではないか、と4作通して視聴した後の今では思われる。

"In fact, the original version was written to take place at the base of the Chrysler Building, and I thought the World Trade Center would be neater. But it's not like [the terrorism] in any way affects what we're doing or what we did."
「実際、元のバージョンはクライスラー ビルのふもとで撮影される予定だったので、ワールド トレード センターのほうがきれいだと思いました。しかし、[テロリズム] が私たちのやっていることややったことに何らかの影響を与えるわけではありません。」

https://www.tvguide.com/news/tragedy-affects-men-40035/

第3作は普通に面白かった。アポロ計画を絡めた大迫力の映像が見所。ネタバレになるので詳しくは書かないが、物語の最後にJだけ記憶が残っていた理由が明かされて感涙した。

15年が経って、ウィルスミスでさえ44歳で動きは鈍くなったし、トミーリージョーンズは一般的には全速力で走れば危険な年齢だ。過去に戻るのはストーリーの面白さもあるけど、65歳のジョーンズでは激しいアクションをこなせないというのが真の理由だったのかも?

ジョシュブローリンの演技はとても良かった。あれは特殊メイクしてるのかな。

Josh Brolin perfecting young K for 10 minutes | Voyage
https://youtu.be/6RwpFpAEHy8

第4作はキャストを一新して、事実上のリブート。新人がMIBに入るくだりは何度見てもワクワクする。今回の主人公(テッサトンプソン)は自分から探して見つけるという件が目新しくて、ウィルスミスとの差別化も出来ており、とても良いと思った。

インターナショナルを冠する本作では、NYから飛び出してロンドン支局、そして究極兵器をめぐり題名通り世界中を飛び回る。結果的に同じく観光映画の属性を持つ007やミッションインポッシブルやワイスピと似たり寄ったりの印象になってしまい個性は薄れた感もあるが、新世代のMIBとして十分に面白くて楽しい良作だった。

▼映像:

第1作と第2作はフィルム撮影だったのでレストアされて4K画質になったが、2012年の第3作はマスターが2Kだったので結果的に一番画質が悪いという逆転現象が起きている。

第4作では最初から4K仕上げだったから、現状では本作が一番綺麗に見える。いつか8Kが当たり前になったら、これも第1作と第2作に画質で負けるかもしれないけどね。流石に自宅モニターで観てる限りでは4Kで人間の動体視力のほぼ限界まで来てる気がするし、そもそもフィルムにそこまで丁寧に撮影してなさそうなので、どこまで意味が生じるのかは不明だが。(笑)

内容的には第2作が時期的にハリウッド映画のCGが一番チープに見えた頃の作品で、とにかくアニメのようなドタバタギャグに徹したおバカな演出も手伝い、令和に観るには少しキツイと感じる。これから先も、普遍的にずっと面白い作品で居られるのはアナログな工夫に溢れた第1作と、アポロ計画のノスタルジーで加点できる第3作だけになってくるのではないか。

▼音楽:

エンディング曲が格好良いと思ったのも第1作だけだった。第1作はこの曲も込みで鑑賞後感がめちゃ良いのも映画の評価に貢献している。

Here come the Men in Black. Galaxy defender.
メン・イン・ブラックがやってくる。銀河の守護者だぞ。

Will Smith - Men In Black (Video Version)
https://youtu.be/fiBLgEx6svA

その後に3回チャンスがあったのに、一度もこの曲と比肩することすら出来てないのは残念だ。

まあウィルスミスに一番脂が乗っていた頃の天才的な名曲なので簡単に超えられるようなものではないのだが、なんなら新キャストでの第4作はこの曲のリミックスでも良かったのに。結局ウィルスミス頼りだと思われたなくなかったのかしらね。

(了)

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まいるず
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