往年の角川映画が面白い

AmazonプライムビデオのKADOKAWAチャンネル（有料）がかなり面白い。

シンプルに傑作が多い。なぜ昭和の映画ってこんなにエネルギッシュなのかしら。不思議だ。

犬神家の一族

『犬神家の一族』
1976年公開。市川崑監督。石坂浩二主演。当時隆盛を極めた角川映画の第一作であり、人気と完成度は今でもトップクラス。映画版で金田一耕助のスタンダードといえば、これよね。

最近の若い映画ファンには『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の元ネタだと言った方が伝わるかも？ pic.twitter.com/Oi8qQwhPU1

— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 16, 2024

ドラマ版も視聴できる。

『犬神家の一族』
1977年放送。工藤栄一監督。古谷一行主演。45分5話構成。ドラマシリーズなのでたっぷり時間を使える。前年の映画版に比べると全体的にキャストが地味かも。そんな中でも京マチ子は流石の貫禄だった。BGMがくそ格好良くて痺れる。 pic.twitter.com/839VldWCP4

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ほぼ同時期に同じ角川制作なので、当時の日本の映画とドラマのパワーバランスが見える感じがして面白い。

野獣死すべし

『野獣死すべし』
1980年公開。最初は作品選びを失敗したかと思ったが物語が進むにつれてどんどん面白くなり、クライマックスの松田優作の演技は圧巻で魅了された。野生味が溢れる若き日の鹿賀丈史のエネルギーも凄い。あらすじなど読まないで観るのが良いと思うからここには書かない。 pic.twitter.com/nUF0JOhVJK

— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) September 1, 2024

松田優作のすごさがよくわかるから絶対に観た方が良い。

セーラー服と機関銃

『セーラー服と機関銃』
1981年公開。薬師丸ひろ子の「カイカン」で有名な作品だが、本作の肝は監督が相米慎二であること。全体に漂う倫理的なヤバさが、観ていると気持ちを不穏にさせて、そこに中毒性が生じる。未成年を主演にして撮って良い映画ではない。昭和だから許された怪作。 pic.twitter.com/p2ntEt2ss4

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ただのアイドル映画じゃないから、教養のために観るべき。

スローなブギにしてくれ

『スローなブギにしてくれ』
1981年公開。私にはあぶない刑事でのゾンザイな扱いの印象しかない浅野温子だが、デビュー作では藤田敏八監督の演出もあってまさに魔性の小娘。ポロリもあるよ。山崎努から漂う濃厚な昭和臭と、とにかく仔猫の扱いがスーパー乱暴で現代なら完全にコンプラ違反で草生えた。 pic.twitter.com/2WbvRrEm5k

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10代の新人女優がポンポン脱いだり、子猫を部屋の窓からポンポン投げ捨てたり、昭和のエネルギーはまじで凄まじい。

時をかける少女

『時をかける少女』
1983年公開。原田知世の映画デビュー作。大林宣彦監督と角川春樹は、可愛いのに人気が出なかった原田を高校入学を機に芸能界引退させる意向で、思い出作りのつもりで本作を撮った。しかし私小説のような手触りが原田の魅力を伝えることになり大ヒット。人生何が起きるかわからん。 pic.twitter.com/LkyrE26M8Q

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昭和でも大事に守られた少女も居る。いや、彼女だって中学卒業後はどうなっていたか判らない。だから角川春樹と大林宣彦はさっさと芸能界から足を洗わせたかったのかもしれない。人間の業の深さを感じる。

蛇の道

『蛇の道』
1998年版。最新作のセルフリメイク版の予習のためにアマプラでKADOKAWAチャンネルに加入。今なら最初2ヶ月99円キャンペーンやってる。（回し者ではないよｗ）

相川翔と香川照之の狂った演技が素晴らしい。結末がなかなか面白く、黒沢清監督が新作でどう脱構築してるのか楽しみになった。 pic.twitter.com/O41DFIc3XI

— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) June 15, 2024

なお結果的には令和版『蛇の道』がつまらない印象になってしまったのは皮肉であった。

相川翔の180cmの身長から醸し出す異様な雰囲気や説得力と、香川照之というリアルでアタマのネジが外れてる人が演じていた狂人の仕草に、現在のコンプライアンスをちゃんと遵守する俳優で太刀打ちできるわけがない。柴咲コウも優れた女優だけど、小柄だからフィジカルインプレッションがどうしても弱い。

『蛇の道』
黒沢清監督による仏国版セルフリメイク。面白かったけど、正直私にはあまり響かなかった。物語は日本版とほぼ同じなので狂ってて十分面白いのだが、演技が平均的で物足りなく感じた。画面構成なども一回観ただけではこだわりが解らず、私が黒沢清に期待する狂気をあまり感じ取れなかった。 pic.twitter.com/4z5VEUwtBQ

— まいるず James Miles ⚒️ (@james_miles_jp) June 19, 2024

高身長のフランス人俳優はフィジカルでは申し分ないが、言語の壁で演出意図が正しく伝わっていないのか、全員演技が大雑把で見るに堪えなかった。主演俳優がゴキゲン取りなのか知らないが、日本全国の劇場でイベント行脚してる時点でお察しよ。（苦笑）

（了）